蒸し暑い1日だ。おまけに2回も通り雨(激しい雷雨)。今日も患者さんは少ないな、と半ばあきらめムード。予想通り、午前診、午後診併せて20人に届かず。それでも若干の検査があったので点数は1万点(ということは10万円)は越えたが。==================================新米開業医が1日10万円の収入で喜ぶ訳には行かない。だって、テナント代、人件費、その他の維持費をさっぴくと、ほとんど残らない。つまり、生活費はほとんど稼げていない。やはり家族を養ってゆくためにはせめて40人/日はほしい。あと1年くらいは資産を潰しながらの生活かな?。開業形態にもいろいろあるが、開業にカネをかけ過ぎたら老後の貯えはなくなる医者もいる。バイトで生き延びる医者もいる。まさに、人生いろいろ、開業医もいろいろ、ということか。=======================================今日も患者さんから今の世の中を学んだ気がする。(1)60台後半の主婦。夫も病気があり,二人で医療機関にかかりながらの生活。「先生,すみませんが今日はお薬をたくさん出してください。血液検査もしてくだい。」「え?。そりゃあ構いませんけど、一体どうしました?」「実は,今年は1割負担で行けてたんですが,年金の額がほんのちょっとかわっただけで8月から3割負担になるんです。」「えー、そうまんですか?。となると一挙に医療費が3倍!!ですか。ショックですねえ。まあ、ボクら医者も以前は1割、今は3割で随分高くなったなあと感じてますけどね。お二人とはいえ、年金生活で物価(の一部が)3倍!なんてひどいねえ。」−−−政府の財政再建とは、病人、弱者など取れるとこから分捕って,小さな政府は目指すだけで実現は先延ばし。拝金主義者がますます増える。==========================(2)40台の男性患者から電話がかかってきた。「先生、先日は検査有難うございました。結果が出てたら教えてほしいんですが。」「ああ、○○さん。結果は返ってきましたよ。でも、原則は電話では教えないことになってるんですよ。個人情報保護がうるさくなって、電話では本人確認ができないから教えるな,ってことになってるんですよ。お出でになれないんですか?、お忙しいんですか?」「実は、..ウチも貧乏だし、結果聞きに行ったらまた診察代金がかかるでしょう。そんで、お電話したんです。」「そうですか。まあ、○○さんだとわかるし、簡単にお話ししましょうか。肝機能も脂質も前回よりはいいですよ。でも当分治療はしなきゃいけませんね。薬の見直しも考えた方がいいかもしれません。」「もっと強い薬が必要なんですね。」「まあそうですね。今日はまだ薬が残ってますよね。全部なくなる前に来てくださいね。」「わかりました、そうします。」−−−−−ボクは、電話で説明すると、電話再診代がかかる、と言おうとしたんだが、言えなかった。受付さんはレセコンに電話再診の入力をしてくれていた。でも、次回来院された時に電話再診を未収金として加えるか,「調整」ボタンをクリックして、払わなくて良いことにしてしまうか、まだ悩んでいる。=====================================(3)20台の男性、事故で脳損傷があり,ひどい半側不随意運動で
よたよた歩いて来る。今日も作業所で働いてきたらしい。汗まみれになって終了直前に入ってくるなり「コーヒー!!」と叫ぶ。ニコニコと子供のような笑顔。ウチにアイスコーヒーが置いてあるのを知っている。「喫茶店とちゃうで〜」と言ったものの笑顔に負けて1杯サービス。「今日は診察と違うやろ。薬もあるなあ。」「疲れた〜〜」「疲れはアイスコーヒーで治したらええわ。それにビタミン剤持ってるやろ。あれ飲んどきなさい。」−−−ボクとしては、彼がしょっちゅう来る度に再診料を頂戴するのは気が引けていた。なるべく話だけにして帰そう、そう思っていた。でも、帰ると思ったら突然、「血液検査あ〜」と言い出した。確かにしばらくやってない。障害者で独居で自己負担ゼロなのだが、それでも、申し訳ない気分で採血を済ませた。====================================ボクらは、患者さんの治療をしているだけではない。患者さんから医療を学び(時には患者さんを犠牲にして学び)、患者さんから社会を学ぶ、そういう職業なんだと思っている。
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最近,ブログを書いたり、読んだりしていて、ひとつ気になることができた。今の急速な医療崩壊は厚生労働省とコイズミの責任だ!!、って論調がM3comでは圧倒的に強い(現に事実なんだからどうしようもないが...)。で、医療関係者でない人がこのサイトに立ち寄って,いろんな記事を読んでいて、「なんだこりゃ!、反政府運動の巣窟か!?」とか「ウラで共産党が動いてるんじゃないか?」とか、見当はずれの感想をお持ちになるんじゃないか?。===========================================ちょっと気にし過ぎかな?。でも、いろんな人が見てるからなあ。書いてるヤツは誰だ?、って調査されてブラックリストに乗ったりして...。などと、ふっとかんがえてしまったんだよね。==============================================そこで、私の推測を書いておきたい。このブログで徹底的に政府批判、厚生労働省批判をしている人達のほとんど(95%くらい?)は、本来、無党派層だと思う。単純に正義感が強く、アホ正直(?)で,いい医療がしたい、自分がもっと充実した環境で医師として能力を伸ばしたい、もっと患者を助けたい、そう思っているに違いない。==========================================要は自民党でも民主党でもどこでも良いわけよ(個人的にはどうしても政権を執ってほしくない政党もあるが)。こんなメチャクチャな医療制度改革(改悪!)をしないで、困っている人を助けられる世の中にしてくれるなら。皆さん、そうですよね?。===========================================いよいよ医師も看護婦もなかなか集められなくて、一番低い看護基準しかクリアできなくて(ということは入院患者さんから頂く費用が極端に減少する)、経営が困難になる病院が恐るべき数にのぼります。来年3月(年度末)までに廃院を決断する施設が多いことでしょう。同時に、いくら働いても経営が悪化するばかりの病院では勤務医としての未来に希望を持てなくなり、退職を考える医者がさらに増えるでしょう。政府が起死回生の改革を断行しない限り私の予測は必ず当たります。悲しいことですが...。
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