医療の話題の中で、「高収入の医師」というのが通説になっているようだ。そして、医者が文句を言うと「高い給料もらってるくせに!」と叩かれることもしばし。では、勤務医の収入ってどれくらい?------------ある統計によれば勤務医の平均年収は1300万とか。でも、これってあまりに漠然としていないか? 勤務医も年齢,立場でかなり収入は異なるはずでは? でも、医者自身もあまり他人のフトコロはよく知らない。そこで、自分の経験から推測した数値をならべてみたい(正確な統計ではないので。)。----------------------------------------------------------------数値は税込み年収(当直も時間外も全部入れて)とする。25歳で卒業して研修医になるとする。●まず、国公立の教授:年齢40〜63歳くらいの範囲として、1000〜1500万くらいか。若くして教授になるとかなり厳しい。医学書、出張、研究、若い医者にゴチソウをするetc. 出費はかなり多い。講演、雑誌書物の執筆代、謝礼、そして文部科学省などの研究費を競争に勝ち抜いて獲得しなければ教室運営すら危うい。医局秘書だってほとんどは教室運営費でまかなっている。官公庁から毎年与えられる教室費は書籍、パソコン、ちょっとした機械や薬品を買ったら終わり(4〜500万/年くらいか)。●研修医:問題の多い研修医制度改革(改悪!)で保護されるようになったがせいぜい400万くらいか。バイト(出張)は禁止された。●救急もある一般病院勤務医:病院によるし肩書きにもよるが30〜35歳で1000万前後。40歳で1300万、50歳で1500万くらい。ただし、50歳で1200万もあれば2000万もある。2000万から上はあまりそれ以上上昇しないところもある。●いわゆる療養型病床の担当医:60歳で1000〜1300万くらいか。一般病院より安く抑えられる。●大都市から離れた地方病院:多くは大都市より200〜300万くらい上。医師獲得が難しいので給与を上げなければならない。●都市部の病院の病院長:1500〜2500万くらいまでいろいろ。オーナーか雇われ院長かでも異なる。地方の病院では3000万以上もある。----------------------------------------------------------------正しい情報ではないかも。基本給が安くて激しい救急、時間外労働でかなり増える病院もある。また、結構出費がかさむことも知っておいてほしい。ちなみに私が長く勤務した公立病院は、月4回の当直とかなりの時間外労働を加えても50歳で1500万には程遠い、という程度。その後私立病院の副院長になったらかなり増えました。でも今は開業半年でかなり厳しい状況。開業医の平均2800万、と書いてあるのを見ると、夢の又夢。-----------------------------------------------------------------私が知りたいのは、人命を守る医師という職業、はたして適正な報酬はどのくらいと世間の人は考えているのか? ということ。
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このM3comのブログ、書くのは医師だけ、しかし読みたい人は誰でも読めるという画期的な?試みだと思う。先日ブログを書き始めて、見てくれる人が徐々に増えるのを楽しみにしていた。そして、ここ数日、その数は飛躍的に増加した。非常に喜ばしいことだが、その理由は? まだ、よくわからないのだが、ひとつは大新聞(全国紙)がこのブログの存在を掲載したことにあるのではないか?------------------------------------------------------------------たまたま私のクリニックでは朝日新聞を買って、待合室に置くようにしている。地元の情報量という意味では地元紙が圧倒的に良いのだが,自宅で見ている人も多いので、全国紙にしたわけだ。で、この新聞の5/22夕刊にM3comの記事を発見した。これまでは正直言って,この新聞の医療関係の記事を見ると、偏見に満ちた記載がまだまだあってイヤな感じはぬぐえなかった。どうかこれを機に医師の実像と医療現場の真実を伝えるようになってほしいと心から願っている。結局のところ、これまでのように執拗に医者叩きをしたところで、本当に頑張っている医者は怒り、悲しみ、モチベーションを失って、勇気をなくしてゆき、その結果、最も影響を受けるのは患者さん達なのだ。----------------------------------------------------------------私も長く病院勤務医をしていたが、老人や障害者を多く担当した経験から言えば、医療制度改革とやらで年々在院日数は短くせよと迫られ、こんな体で帰って来ても家族では面倒を見られないと家族からは泣きつかれ、入院が長引くと圭家医のことも少しは考えろと叱られ、入院が短期になるとその分入退院数が増えて忙しくなり、医療安全対策やら感染対策やら経営改善やら会議はどんどん増える、介護保険の導入もあって書類書きはどんどん増える、医師が減って担当患者は増える、ますます雑用が増えて患者をゆっくり診察する暇も無い、カルテをしっかり書く時間も無いのにカルテ開示が進んで人に見られても困らないレベルのカルテにするのにまた時間がかかる、年をとるに従って忙しさは加速し,責任は重くなるのに患者さんとじっくり向き合えない、ジレンマが疲労を倍加し、限界を感じる、まあ、こんな感じか。-----------------------------------------------------------------はっきり言っておくが、多くの医者はもっとカネをよこせ、とは言っていない。人命にかかわる仕事なので安心して医療に取り組める環境をくれ! と叫んでいるのだ。なお、ブログは決して悲痛な叫びばかりではなく、役立つ情報、趣味のページなど様々である。読者は楽しみながら真実を認識するようになっていただければ幸いである。
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