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8月22日、地域医療や保健活動に尽力された長野県厚生連佐久総合病院名誉総長、若月俊一先生が、肺炎のために亡くなられた。
最低限の医療すら受けられなかった農村に、都市部と変わらない医療を提供したいと願い実践した人である。
故若月俊一先生のご遺徳を偲び、哀悼の意を表します。
しかし、今再び農村など地域と都市部との医療格差が生まれ、出産や救急医療に対応できない病院も増えつつある。
地方や勤務態勢の厳しい診療科を避ける医師が増えたことも一つの要因である。
国は農村や離島などへき地での医師不在を解消するため、1956年度からへき地保健医療計画を立てている。この度新たな計画が立てられたが、その中味は、
ア 医師を確保する方策
(ア)協議会を通じた要請
協議会において、都道府県内の医療機関に計画に従った医師確保について要請し確保する。これができないから今の状況になっているはず。
(イ)へき地の医療機関における臨床研修の推進
都道府県において、地域保健・医療研修をへき地の医療機関等で実施する臨床研修プログラムを作成し、又は作成を支援する等により、へき地の医療機関における臨床研修を推進する。研修が終われば都会へ戻る。
(ウ)都道府県内の大学医学部における地域を指定した入学者選抜(地域枠)の確保
県内の大学医学部に地域を指定した入学者選抜(地域枠)を設定し、卒後のへき地での勤務を求める。強制でなければ意味がないが、そこまでできるわけがない。
(エ)都道府県出身者等に対する大学医学部修学資金等の貸与制度
都道府県の事業として、都道府県内の出身者を中心に、大学医学部の学生に対する修学資金、入学予定者に対する入学金等を貸与し、返還減免の条件として卒後の一定期間、へき地での勤務を求める。奨学金を返還すれば自由になれる。
(オ)希望医師増加策
大学医学部学生のへき地診療体験プログラム
医師確保が必要な都道府県が(社)地域医療振興協会と協同で作成する。
作成されたプログラムの情報は、全国の大学医学部へ周知し希望者を募る。希望者がいないから、今の状況になっているのである。
(カ)医師のへき地医療短期体験コース
受講医師の希望に応じた日程で、都道府県は(社)地域医療振興協会、へき地医療拠点病院やへき地診療所の協力を得て実施する。体験により深刻な状況が分かり、さらに希望者が減る。
(キ)医師バンク
へき地への勤務希望者のマッチングを実施する。
代診医についても積極的にマッチングを実施する。民間ですでにやっているにもかかわらず、希望者は出てこない。
(ク)労働者派遣事業
平 成18年4月1日から施行された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令」(平成 18年政令第47号)において、当該政令で定める「へき地」にある病院等において医師が医師法(昭和27年法律第201号)に規定する医業を行う場合及び 産前産後休業、育児休業又は介護休業中の医療関係労働者(当該政令による改正後の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に 関する法律施行令(昭和61年政令第95号)第2条第1項各号に掲げる業務に従事する労働者をいう。以下同じ。)の業務を代替する場合の労働者派遣が認め られることとなったので、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行について」 (平成18年3月31日付け医政発第0331022号・職発第0331028号・老発第0331011号厚生労働省医政局長・職業安定局長・老健局長連名通知)に基づき、その適切な活用を図る。結局へき地への勤務希望者がいなければ成り立たない。
こんな政策ではどうにもならない気がしてならない。五カ年計画らしいが、また、税金の無駄遣いに終わってしまう。
必要なのは、医師の資質や思想を変えていくことではないだろうか。
そして個々の医師が、地域・へき地医療をどのように考えるかは、教育が影響していくのでは。
しかし感謝の気持ちや慈愛の精神を学ぶところは、今の日本にあるのだろうか?
時間は掛かるだろうが、幼児教育から変えていかなければ、根本的なものは解決されず、結局、利己主義的な医師が増えたのであれば、全ては空回りである。
急がば回れである!
故若月先生のような意志を持ち努力をする人間を育てなければならないはず。
私も一歩でも近づけるよう精進していきたい。
金銭的な資産を超越し、精神・知的資産を増やし、私なりの赤ヒゲ医療を実現していきたい。
そして同じような志を持つ医師が増えることを祈る。