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日曜日です。
冬に入ってロンドンは夕方4時にはもう暗くなります。学校や友達との外出からの帰宅は必ず真っ暗な中のナイトラン。結構好きです。
休みということで、くつろぎながら朝日新聞(Asahi.com)を見ていて、すこし気になりました。
地域をどう活性化するかを、中央政府が募集し、”優秀”な提案は、中央が予算を差し上げて事業化してあげますよ、と。 政治の素人さらけ出しで申し訳ありませんが、素直に地方のことは地方に住む人々が一番知っているだろうと考えています。もちろん問題を評価し政策を実行していく人材や体制が必要となりますが、地方政府がその選択や事業化、責任を担っていくのが最適で当然であろうと。財布のひもをぎゅっと握った、ものスゴい中央の強さを感じます。こういった環境で、たとえば地方議員はどれだけ主体性を発揮して地元を良くしていこうとしていけるのか、興味があります。 中央省庁、国政の下請けになってしまっては、本当に地元からあがってきた問題をフロントラインで解決するには不十分ですよね。
さあ、以下引用です。 ーーーーー
大田経済財政相は10日、地元関係者との意見交換のため訪れた青森市で記者会見し、地域活性化策や地方財政の立て直し、少子化対策などについて全国各地 のシンクタンクから政策提案を募ることを明らかにした。優秀な提案は、関係省庁で予算をつけて事業化することも検討する。
提案は今月中に募集を始め、12月20日にセミナーを開いて優秀な案を三つ選ぶ。優秀案には内閣府が具体化のための研究費用を助成し、来年6月に詳細な内容を発表してもらう。その後、関係省庁で予算化を検討する。
ちょっとテスト。

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ロンドンでは家畜のFoot-and-mouth diseaseの発生が騒ぎを呼んでいます。このFoot-and-mouth diseaseはRNA virusによるもので家畜間の感染性が非常に強く、感染するとやせ、乳汁の出が悪くなり生殖にも影響があることから、農家は戦々恐々。ロンドン南のSurreyの畜産農家での発症でしたが、英国は2001年に大量発生・大量の家畜破棄を経験していることから、首相が休暇を中断して帰ってくるくらい非常に早急且つ徹底的な対応を行っているのが印象的です。新首相Gordon Brownはなんだか緊急対応ばかりしている感じですね…(でも、各対応が早急且つ適切なので支持率を上げています)
(画像は動物衛生研究所ホームページより)。
さて、先の参議院選挙でも注目していた三重県ですが、今度は中高生を対象に、医師志望者をふやそうというイベントを行ったという報告です。以下、引用。
ーーーーー
三重県では三重大学と共同で医師確保対策の一環として、中高生を対象に医学部進学へのつどい「お医者さんになろう!」を開催します。
1 日 時 平成19年8月6日(月)
13時〜16時 (12時受付開始)
2 場 所 津市江戸橋2丁目174番地
国立大学法人 三重大学医学部 臨床第2講義室
ーーーーー
地元出身の医師を育成し、地元の医療を担う人材を育てようという試みですが、こういった試みは北米などでも積極的に試みられているという先例もあります。また、そういった医師が長期的にその地域に残り、地域の医療を提供していく割合が多いことは、多くの研究で報告されています。そうですよね、自分の出身地で、よく分かる「地域特有の」背景や言葉をもった医師と患者・家族・住民がお互いより親近感をもって、より良好な関係を持ちやすいのは理解しやすい。私も20年来離れていた生まれ故郷で家庭医として診療していましたが、すこしでも自分の育った地域に恩返しができる、そんな感覚が、よりよい診療をするというモチベーションの大きな推進力になっていると感じてました。
同時にこの試みは、地域の方々の医師養成への参加を必要とすると感じます。この土地で自分らの医師を育てていくのだという決意と協力、すこしの暖かい眼差しが必要かもしれません。卒前・卒後の一連の研修はよく考え、地域で育てていくことで医師・住民ともに安心できる環境が成熟していくとしたら最高です。
ここで私は繰り返し言いたいのです、「医師ほど素晴らしい仕事はない。お医者さんになろう!」と。ほかの人の役に直接立ちながら、自分自身の自己実現へ向かうことができる充実感。本当に楽しいのになあ。
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弟がこの4月で就職し、毎日張り切って会社にいっていると母親に聞き、本当に嬉しい。あの朝寝坊が朝5時に起きて通勤しているらしい。教えられたり押し付けられたりせず自分で選んだ仕事で、いろんな人に囲まれ学び成長していってくれると信じている。まあ、2浪1留したお陰で求人が多かったのにも助けられたのかな…、3年前だったら就職大変だったものね…。
ところで、日本でも重要対策事項になっている「自殺」ですが、英国の自殺対策の効果についての記事がありました。
Suicides in Britain have fallen to an all time low - but it has little to do with increasing happiness. Killing yourself is getting harder, and the result is a big saving in lives.
A total of 4,331 people committed suicide in 2005, bringing the three-year rolling average to 8.5 deaths per 100,000, the lowest level since the Second World War.
The death rate has fallen by 7.6 per cent since the mid 1990s, largely because it has become more difficult for people to end it all. But the progress report, published by the National Institute for Mental Health yesterday, says the rate is not falling fast enough to meet the government target of a 20 per cent reduction by 2010.
自殺予防・対策というと、うつ病をはじめとする精神疾患対策や経済的状況や労働状況などの社会的状況への対策のイメージがあったが、目標として「自殺者数の20%減」を挙げたときに、根本的にみえない「自殺手段を徹底的に社会的に減らすこと」を行って、効果をあげているところは目からウロコだった。「自殺というものは衝動的な行動で、その衝動的な瞬間に、自殺の手段を遠ざけることで時間を稼ぎ、同時に心理的・社会的な対策で救い上げることができれば」ということだ。例えば排ガス自殺の対策に、車の排気ガスのCO対策を法整備することや、橋や屋上など自殺のおこりやすい場所を侵入できないようにして、ボランティアの監視員を配置することなどである。こういった対策は日本の「自殺に関する提言」では3行程度に小さく扱われているだけである。
しかし、どうしても効果の挙げやすく分かりやすいこの「自殺手段対策」に力が入りすぎて、精神疾患対策や社会的対策など生きる勇気と力を取り戻させるような支援体制や環境づくりには注力できていないと現場は考えているようである。「さて、自殺の危機から生き残った人々は、結局苦痛や苦悩の人生を送っているのかもしれない」なんて悲しすぎる。いや、生きていれば、生きていれさえすれば助けることができる、可能性がある。死んだらそれまでなのだから。
参考:自殺予防対策センター”いきる”
特に「WHOによる自殺予防の手引き」は参考になります。
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愛用のご近所図書館は、GCSEとよばれる16才で受ける統一テストが来月にあるせいか、勉強する若者でごった返しています。図書館ダイスキな私は結構いろいろ行きましたが、ここのChelseaの図書館は、昔の室蘭の小学校風で落ち着く。あっ、ウィリアム王子とフィアンセと目されていたケイトミドルトンの関係、ダメになっちゃったの?英国に限らず、ヨーロッパの王室はこの辺あまりに自由で驚く。プレイボーイの皇太子とか。国の”男と女の関係のあり方”反映してるのかな?あっ、お父さんの背中をみて育ったのか。
ところで、アルツハイマー患者の精神症状に対する非定型抗精神病薬(リスパダールなど)の使用は、予後を短縮することでその使用を控えるよう勧告されていますが(日本でも英国でも保険では認められていない)、その実情が新聞で報告されていました。
· Sedatives blamed for thousands of deaths
· Campaigners point to lack of cash for trained staff
A class of drugs widely prescribed for people suffering from dementia is leading to the premature deaths of thousands of patients every year, according to research published today. Campaigners branded the continued use of the sedatives, called neuroleptics, a national scandal after a five-year study revealed that people with Alzheimer's disease and other forms of dementia are twice as likely to die if they are prescribed them.
この辺り、高齢者の長期療養施設の疾患管理の怠慢・悪診療だが、高齢者・精神疾患患者など”もの言えない”社会的弱者は自己主張が少ないために医療者・介護者中心の医療を受けていることが少なくない。 たいていが人頭払いなので、「ベット埋めときゃ、お金になる」ので入院・入所大歓迎だし、この支払い方式は強力な診療抑制が働くことは分かってることだし。その質を保つのは医療者のモラルだけかと思ってしまう。とすると、人のこころは脆いので、必ず誰かのレビューが必要だ。心を支えるためにも。
在宅で痴ほうをもっていらっしゃる方を見ていると、興奮や幻覚?独語、夜間せん妄はよくあることで、 ご家族・介護者の対応に頭が下がる。対応について話しながら、身体的や薬物の影響等考え、同時に抑肝散などつかったりして。そして在宅継続を決心された場合に、「予後への影響」を話しながら、非定型抗精神病薬の話をすると、ほとんどが断る。なんだか失礼なことを言ってしまったかといつも思う。興奮などはその人のちょっとした一部で、もしかしたら不安や混乱の表現で、数少ない意思表示かもしれないと、家族。私はあなたたちご家族こそが寿命を縮めてしまわないかと心配だったのですが…。
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「ロンドン医療関係者親睦会」に参加してきました。看護師、医師のみならず、前世療法、リフレクソロジー、コンプレメンタリーメディシン、アートセラピーなどの施術者等、多彩な顔ぶれ。地域で家庭医としてやっているとホントに、原因不明や現状の医療では解決できない問題を抱えて生きている多くの方と継続的に関わることになりますが、こういう制度に乗らない「もうひとつの医療」との共同でみなさんの支えになるのもいいなあ、とふと考えました。まずは私のオーラから診てもらおっ。
今回はアメリカ版「医師の上手なかかり方」をTIMEから。
Where Doctors Go Wrong
TIME, Thursday, Mar. 15, 2007 By CHRISTINE GORMAN
The patient was an 8-year-old California girl with severe headaches. Her parents, who were both struggling to adjust to new high-pressure jobs, took her to top neurologists and pediatricians. The child's symptoms, the doctors concluded, were a response to stress at home, along with perhaps a sinus condition. But four or five months later, it became clear that she had a brain tumor and needed surgery. When her doctors looked back at early scans of her brain, they were aghast to see the shadow of a tumor they had previously overlooked.
For Harvard hematologist Jerome Groopman, who is a friend of the child's parents, the missed diagnosis was more than just a cautionary tale. It was the start of an investigative journey. "People talk about technical errors in medicine, but no one talks about thinking errors," he explains in an interview. "I realized I had no framework for understanding these kinds of problems."
これは『How Doctors Think』という上記のGroopman医師の本の紹介記事ですが、医師が陥りやすい”精神的気分的わな”や”認知的わな”を知ることで、患者が”医師がそのワナに陥って、正確な判断をできなくなっている”ことに気づき、それを医師に”効果的に気づかせる”ことで、そのエラーを避けよう、と提唱しています。
そう、医師も感情や日常をもった人間。精神的肉体的コンディションが悪ければ、医師としてのパフォーマンスが落ちるのは、ほかのプロフェッショナルスキルドワーカーの例を考えても、当然です。
またこの記事で印象的だったのは、いくら医療が発達して、治療や意思決定等の情報技術が発達しても、それと患者をつなぐのは延々生身の”医師”でこれは過去から未来へ変えようがない、よって医師を良く理解することがよりよい医療を受ける鍵となるという”ボトルネック”を意識させてくれたこと。
最も蔓延しているバイアスかもしれませんが、患者は医師が製薬会社からごちそうしてもらってたり、資金提供を受けていたりを容易に知ることはできませんね…。
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ロンドンでもすっかり花粉症にやられています。
この季節になるといつも、私の友人の父がエコロジー耳鼻科医だったのを思い出します。患者が減ってこないように、せっせと裏山に杉を植樹していた…。ホントだったら怖いですが…。
以前のエントリーでも紹介しましたが、英国では医療情報の国家的IT化を推進しており、それに伴って「誰が医療情報を持つのか」という議論が盛んです。今週のBMJの記事です。
BMJ 2007;334:510 (10 March) My illness, my record”不愉快な真実 an uncomfortable truth”
が多く含まれています。生命予後に関わる病気の進行はもちろん、ちょっとした検査値の増減やグレーゾーンの検査解釈などに、疫学的医学的知識が不足する患者が右往左往するのは必死。
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今日は早朝にテムズ川までジョギング。
走ることが思考を広げ、考察を深めてくれると感じるのは、先日腎臓癌で亡くなった池田晶子さんや村上春樹さんが書いていることに同感。道々の桜が散り始める一方で、公園に群生しているクロッカスの鮮やかさに、雪解けの北海道を思い出しました。その後おかわりはありませんか?
さて、英国では「医療者に対する暴力」が以前より問題になっています。
先日BBCのPanoramaという英国内の社会問題を取り上げる番組でも特集され、病院内防犯カメラで撮られた暴力の現場を何度も放送していました。暴力の報告件数は年間7万5千件、その対策に国は年間1億ポンド(約230億円)支出していると報告されています。
Violent patients 'attack 75,000 NHS workers'
Monday, 26 Feb 2007 12:43
Violence against NHS staff is costing the government £100 million a year, an investigation has revealed.A report by the BBC programme Panorama found that about 75,000 staff were attacked last year by patients, many of whom were under the influence of alcohol or drugs.
These attacks led to extra costs in absenteeism, extra security, legal bills and training of staff.
医療は、「適切な検査・治療を適切な時に適切な質で提供することが原則」かと思いますが(適切の決め方が難しいですが…)、”サービス業”であると強調した時に、医療者側の態度教育や医療機関の戦略としてはいいのですが、受ける側(患者さん・家族・広く国民)が”サービス業だろっ”とホテルのコンシシェルジュよろしく(これを唱っている医療機関もありますが…)過剰な”サービス”を期待するのは、さまざまな面で無茶な話です。傲慢や強欲が評価?された、アノミックな時代の雰囲気では、この流れは必然か…。いかんいかん、ポジティブポジティブ。
税金で暴力対策までまかなっている英国と異なり、日本は診療報酬のみで成り立っている個人(または法人)がその対策をしなければならないので、困難さはさらにアップ。英国では2001年に"zero tolerance" policyをうって、「暴力患者を法に訴えよう!」とやりましたが、医療者の訴えが少なく、暴力減少に効果を見せていませんでした(想像できますよね…)
羽田空港で「俺はコンピューターが使えないんだっ」と大声を張り上げて怒鳴り、ANAの総合案内で格安チケットを予約させていた50代のブランドで着飾ったおじさまを見て、ああこの姿をみて子供が育っていくのか…とイヤな気分を感じた思い出しました。いかんいかん、ポジティブポジティブ。
【追記】日本での「医療機関に於ける暴力」について、週刊医学界新聞に記事がありました。(以下、引用 第2684号 2006年5月29日)北里大学病院での調査では、看護師(1205人が回答)の67.6%が過去1年間に患者から暴力を受けたことがあると回答。それに対して飯田英男氏(関東学院大)が過剰な消費者意識の危険をしてきた上で、(ここでは看護師は)対患者において“受容の対象”から“権利義務の尊重”の関係になるべきであると提言。また奧野善彦氏(北里大名誉教授,奧野総合法律事務所所長)。民法1条(2)「権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行われなければならない」を紐解き,暴力は患者の信義則違反に当たることを指摘した。また,同法の精神は,医療法1条の2(1)にある「医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき」という文言にも反映されていることを紹介。(以上、引用)
組織として我慢を強いない、各々が自虐的にならない(こっちのせいだと過剰に思わない。オープンに)、そして組織的に暴力へ対応することが重要ですね。
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すっかり暖かくなり、桜もちらほら咲いているロンドンです。 ごぶさたしております。
イギリスでは大規模な列車脱線事故(あのヴァージングループの列車でまた話題に)があったり、英国軍のイラクからの部分的撤退の決定があったり(一方でまだハリー王子はイラク従軍の予定のようですが…。ボディーガード付きで…)と大きなニュースがありましたが、そんなこととはおかまいなしに自分の身の回りにも、様々なことが起こり、考えられさせられました。特に”病気”はいつどのていどで起こるか分からず、だからその費用は保険でまかなわれるのだということを。
さて、いつも通学中にpodcastでなにか聞いてるのですが、The New England Journal of Medicineの”NEJMAudio interview”を聞いていたら、こんな記事がありました。ちなみにインタビュイーは家庭医でハーバードビジネススクールの教授です。(今回は米国の話題です)
The Rise of In-Store Clinics — Threat or Opportunity? Richard Bohmer, M.B., Ch.B., M.P.H.
The recent acquisition by the pharmacy chain CVS of MinuteClinic, a chain of in-store clinics founded in Minnesota, has put this model of primary care delivery back in the spotlight. Although still not widespread, the model is increasing in prevalence (see table) and appeals to several stakeholders: payers note that primary care is less expensive when delivered at in-store clinics than when provided in a doctor's office or emergency room, patients value the convenience and low price, entrepreneurs see a profitable business model, and proponents of consumer-driven health care see services that can be paid for out of health savings accounts. Physicians, however, express concern about the quality of care and the potential impact on their businesses.
私が特に興味を引いたのは、このクリニックは先日も話題にした”家庭医がスーパー薬局で外来”するのではなく、”看護師”の開業クリニックであることです。ある範囲の診断と処方を許された資格看護師が常駐し(医師よりコストが安い)、提供するケアの種類を限定し患者に選択してもらう(マクドナルドスタイル)ことで、いわゆる”選択と集中”コスト減と質の向上を狙ったニッチ戦略。かなり洗練されています。このように”医師の仕事と考えられているところに他の職種が進出する提案など…”は日本ではあるのでしょうか?コスト減、人員増のひとつの回答ですが…。
”そんなことしたら質がねえ…”なんていうと、個々の医師の質を図ることが難しい日本の現状では比較するものが全くありませんが…。
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ロンドンではこの月曜から、2003年から導入されている「通行料金制度(congestion charges)」の適応地域が拡大されて話題を呼んでいます。これは都心部の交通渋滞緩和を狙ったもので、都心の適応範囲を日中に車で通過した際に1日あたり8ポンド(約1800円!)払わなければならないというものです。私の住んでいるあたりもその範囲に入ってしまって、近所の人は「またそうやって金を集めて、教育にまわすんだろ(うまく行ってない、かつ財務相に子供が生まれてそのためだとという感じ)」などどいいながら不満たらたら。でもこれは市長(ケンリビングストン)の発案だから、批判の矛先が違うような…。
さて、最近は給料急上昇問題でたたかれ続けている英国家庭医ですが、英国家庭医療学会(RCGP)のサイトでこんなことが書いてありました。
RCGP calls for the value of general practice to be recognised 2 February 2007
We are deeply concerned that GPs appear to have become easy targets for what are deep seated and complex problems in the NHS. GP access surveys and our own conversations with patients show high levels of patient satisfaction and year on year improvements.Patients repeatedly tell us that general practice is the most successful and responsive part of the NHS. There clearly is a disconnect between the negative portrayal of GPs and the high regard in which GPs are held by patients. It is time to acknowledge the value of general practice and the unique – but largely ignored – contribution of GPs in holding the NHS together. …
この中で、はっきりと「もう一度国民の皆様に理解して頂きたい。家庭医は病気や年齢で患者を分類したりしない。そんなことに関係なく、ひとりひとりに合わせて継続的に医療を提供するスペシャリストなのだ。」と国民の健康のためにあるのだということを繰り返す。
こうやって、はっきりと理解できるかたちで、学会・医師会が国民の皆さんに自分たちの役割や価値を主張する。
タイミングを逃さず、何度も何度も。
うわさや風評、偏った報道や世論に右往左往したり頼ったり屈することなく(反感や怒り、揚げ足取りは大抵声の大きいものです…)、医師の集団そのもの(個人ではなく)が、国民のため自分たち医師の為の2つの視点ではっきりと意見を述べ、理解を求める。
ちょっと考えるとこれはなかなかできることではないことが分かります。長い歴史を経て、肥大化し、方向性を見失い、組織内政治に注力せざるおえない…なんてどこかで聞いたようなトラブルは今までなかったのでしょうか?
学びたいところです。
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英国に来てテレビを見るようになったのですが(日本にいるときは10年くらいもってませんでした…)、いろんな番組でいわゆる”笑い”声が人工的に猛烈に入れられていて(懐かしい感じです…)面白い。妙に面白いことを言おうとするんですよね…英国人。私の感覚では関西よりの関東人でしょうか。唐沢寿明の感じかなあ(彼の出身は知りませんが…)。
ところで皆さん、モラルハザード(の意味)、大丈夫ですか?!
前回疑問を持っていた「モラルハザード」という語句は、いわゆる特殊な意味をもった
「専門用語」で、保険や金融で用いられ、
「危険回避のための手段や仕組みを整備することにより、かえって人々の注意が散漫になり、危険や事故の発生確率が高まって規律が失われることを指す。」ことと、
「保険があれば、災害を避けるインセンティブがそがれるわけで、今ではこのような「インセンティブ」による効果のこと」をいうそうです。
この文脈で行くと「医師の需給格差が広がり、医師の診療の質・能力に関わりなく就職口が沢山ある状態が続くと、医師の間に「免許もってれば食いっぱぐれはないかあ」ということで「あんまり努力しないで、できるだけ楽なところで働ければいいかあ」という行動に走らせる」というのは、モラルハザードではない!?
危険回避の手段・仕組みが裏目に出るということではないですものね…。
「倫理・倫理観の欠如・危機」を意味しているのではないのは分かったのですが、似たような意味でもあって紛らわしい。でもこの誤用がまかり通って、日本語になっていくのでしょうか…。
ホワイトカラーイグゼンプションのように…。
【追記】Wikipediaによると、上記の例はモラル・ハザードとしてよいようです。こうなると英語でもこの語句の流用誤用や意味の変化がたくさんあり、このカタカナ英語のままでは本当に使いにくい言葉であることが実感できます…。
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