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まだ新型インフルエンザの流行がピークを過ぎたかも分からない時期に、才能ある作家によるパンデミックの顛末を描いた本が読めるなんて、正直興奮している。理系特有の詳細な記述でありながらなんだかあたたかく、今回のインフルエンザに関わり日々文字通り戦っている専門家たちを本当にいきいきと描いている。瀬名さん、素晴らしい(存じませんが、馴れ馴れしくすみません)。
他人の本なのに、私の手の汗で表紙をふにゃふにゃにしながら(ごめんなさい)一気に読んだ。たしかに出てくるのはスターばかりで、粛々と地域で患者を診ている医師たちにはスポットライトがあたってないけれど、そういう先生たちにも是非読んでいただきたい。自分たちの診療が登場人物たちに重なり、さあ次ぎにいくかと背中を押してくれる感じがあると思います。
以下、文藝春秋webより転載です(文春サイトで一部立ち読みできます。その部分だけでも面白い):
広く深く! 28名の専門家に徹底取材した決定版: 感染のしくみ、感染対策から情報処理、リスク管理まで、専門家28名の最新知見を盛り込み、ウイルスとの闘いの未来を見据える
内容紹介
新 型インフルエンザが猛威を振るっていますが、いずれ、さらに新たな「新型」が生まれ、それを抑え込んでも、やがてまた次の「新型」が生まれて……と、人類 とインフルエンザは常にイタチゴッコ。本書はそのイタチゴッコのありようを作家の瀬名秀明氏が、ウイルス学者や医療関係者、危機管理学者など、約30名の 広範な研究者らに徹底取材することで明らかにし、こうした疾病を蔓延させる現代人間社会のありようにまで深く筆を進めます。21世紀におけるインフルエン ザとの“賢い共生”を考察する1冊。(SH)
転載終了-----
最近の医療関係一般書は、不平不満や対立・暴露系が多く、全く手がでませんでしたよね。この本は、見たらびっくりの超厚新書でもあります。
では、よい週末を!
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厚生労働省 新型インフルエンザ対策推進本部での勤務も、一緒に働かせて頂いている高山さんのおかげで、ご迷惑をかけない程度になっています。慣れない環境というのは、自分の貢献可能性や能力を再定義しなおすよい機会になっています。
ところで、新型インフルエンザ関連ですが、タミフルの臨床効果に暗雲が?!
世界中のエビデンスをメタアナリシスするコクランレビューが、タミフルの臨床的効果に関するレビューを行いました。これは2008年以来のアップデートであり、前回重症化予防に効果があるとの結論に、追加の研究結果を加え検討するものです。しかし、今回のレビューでは、「タミフルには発症予防効果はあるものの、肺炎への重症化予防には効果が確認されてはいない」と結論されています。 (投与群のrisk ratio 0.55, 95% confidence interval 0.22 to 1.35)
関連する論文で解説されていますが、驚いたことに製造・販売元のロシュでは、「肺炎などの重症化や死亡率の低下には効果が確認されていません」と正直に記載されているのですね。うーん、これぐらい不確定のエビデンスであれば国や地方自治体による備蓄等はかなり微妙な政治的な判断となりますね。。以下の論文では、効果の証明がunpublished dataを根拠になされている時は、備蓄等を考える国は、製造販売元に対してそのデータの提示をもとめるくらいはするべきと述べていて、なんだか”エビデンス”や専門家に弱い医療政策的判断過程が推察されます。
ここでは結局、症状緩和のための薬剤としての役割しか認めず、アスピリン等解熱剤と比較されてしまう始末。臨床的クライテリアにあてはまる全例にタミフル処方をするとガイドラインにあるイギリスでは、どう反応するのでしょうか、注目です。
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