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< 病院ガイド:ザガット英国医療版?! | メイン | 日本の医療政策分析 >

以前から疑問に思っていて、私のアタマの悪さからか、全く筋道が見えないことについての覚え書き。たまにこういう主張がされていると感じて。

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医療費の公的負担を増加して、医師の給与・待遇・労働環境の改善を!

これらがどう関係するのかが全く見えてこない。

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なんらかの理由で、病院や診療所、医療法人などの収入・利益が増えた結果、果たして結果として医師の給与・待遇・労働環境は改善していくのだろうか。

医療機関の収入・利益増は公的負担の増加以外でも起こりうる。

病院や診療所、医療法人の経営戦略(より利益になる医療内容の提供や自費診療の提供拡大:富裕層対象、などやコストダウン:事務のアウトソーシングほか)や多様な診療形態のグループ運営(病院、診療所、福祉施設ほかのグループ運営、ほか)などで、現在でも十分な利益を享受しているところは多くあると考えられる。その利益もしくは収入が増加すると、医師の給与・待遇・労働環境が改善するのだろうか。私が勤務していた経験からいうと、さまざまな理由があり難しく感じる。例えば収入が増えたとしても、将来の収入の不確実性を理由(来年はどうなるか分からない:リスク回避型)に利益の保持を訴え、その利益の還元を保留できる、もしくはその利益を投資(機器購入や他の医療機関運営・買収ほか)に回すことができる。未来はいつも不確実だから、その理由はいつも正しい。さあ、どういうきっかけで医師の給与・待遇・労働環境が改善していくのだろうか。

一方で公的負担が増加したとして、それが診療報酬の増額改定だったとして、どうなるのだろう。政治マターで決まっていく診療報酬の変化額が増える方向にいったとして、その報酬方法が出来高払いだとしたら、上がった単価分をまた働くために、引き続き同じだけの診療を繰り返すことになるはず(仮に診療量が減るのであれば、それは医師が診療の量をコントロールしていることになり(SID)、ちょっときわどい内容のような…)。そうすると多少の収入増はあるかもしれないが、果たしてそれがいまここにある医師の給与・待遇・労働環境の改善に貢献すると期待できるのだろうか。

私が働いていたときは雇用契約内容というものを見たことがなかった。年俸制と名うった収入がどれくらいでどうなっていくのかもよく分からず、まあ生活するには十分であったし、年度替わりに一喜一憂する程度で、医療法人がその年度始めに決めていたものを受け入れるだけだった。その曖昧さは諸刃の剣で、一方で医師が集団で退職するとなると、特に雇用契約内容に規程がある訳でなし、それを拒むすべがなく受け入れるしかない。古くからあった医局と病院との”信頼関係”の証が、”水臭い”明示的な雇用契約を排除していたのかもしれない。いずれにしても結局、医師の給与・待遇・労働環境の改善というのは、国との関係ではなく、個々の医療機関のポリシーによるのは、全く明らかだと思うのだ。

医師を分類して「経営者」医師と「雇われ」医師の2つに分けて考える必要があるかもしれない。

医療費を増やしていくことは、必要な医療を提供していくのに必ず必要だが、さてどう増やしていくのか、と医師の給与・待遇・労働環境の改善がとても遠い関係に今も感じている。

追加:社会保険の在り方、公的医療機関と私的医療機関の混在下での国家の医療提供の責任と私的医療機関のcream skimming…とまでいかなくても境界の曖昧さ、contracting再考、も今後の課題です。

 

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はじめて拝見させていただきます。
現在、オーストラリアにいますが、医療費抑制は
この国でも大きな問題です。しかしながら、GP(登録医制ではない)の役割がはっきりしているところと、入院回転率の凄さは見事です。
私は外傷部門に大学院生としておりますが、多発外傷でも30日以内に退院します。もしくはリハビリ目的転任。話がそれました。

公的医療負担と医療従事者の給与についてですが、私の個人的な考えとして日本の特徴が良く現れていると思います。ハード重視!!全ての業種において、これは日本の特徴です。医療においてももっともお金を取っている部門はおそらくハードウェアではないでしょうか?CT,MRIなど放射線機器があれほどあり、accessibilityが高い国は珍しいように思います。裏を返せば、それだけハードにお金が直接的、間接的にまわっているために給与つまりソフトにお金が回らない。しかしこれは日本医師会のかなりまえの会長が申したように、検査は患者がその疾患にかかっていないのを明らかにするために行うととして理念に沿っています。そのため、検査>>診断学といった構図ができあがり、診断学のpriorityが下がり、質がおちました。これに加えて、昨今は訴訟も関連し検査をさけられなくなったのもあるでしょう。一方豪州では検査はありえそうな場合にする検査で、specificityはお金の関係で重視されません。おそらく、多くの国がこの方針を採用しているのではないでしょうか。

また、この考え方を元に検査をすればするほど儲かる仕組みが存在するため(改善中のようですが)、開業医の質は落ちるばかりです。この言い方は失礼ですが、無駄な検査、国家全体の支出をかんがえるとあまりにpoorです。

つらつらと無駄書きしてしまいましたが、今後もがんばってください。応援させていただきます。
長文しつれいいたしました。
written by サム / 2008.12.05 21:27
サムさん

ハード重視、確かに眼をみはりますよね。私が働いていた北海道の都市では人口10万人に対して、MRIが少なくとも5台ある、日本の平均的なところ(日本全体では:40.1台対人口100万)でしたが、それだけ設置された原因は医療機関の連携不足(各々の医療機関で検査・医療を完結する必要があった)と、末端の医師としては感じていました。高額な機器購入が医療機関の経営を圧迫しているのは、職場の代表者会議に参加していた時には、ひしひしと感じましたね。特にサムさんも関わっていらっしゃる(と想像します)救急は、訴訟関連での検査は避けられない課題であり、解決の糸口が見えにくいですね。うーん。

オーストラリアのGPは登録制ではないのですね。うん、興味があります。私の認識ではオーストラリアの医療費は一般財源からの税方式とプライベート保険の2本立てで、受診時無料であったと思うのですが、登録制にしなくても過剰なGP受診にはなっていない、という感じと想像します。また調べてみたいと思います。

お互い、留学の成果を出せますよう、頑張りましょうね。
今後もよろしくお願い致します。
written by tarogo / 2008.12.07 13:57

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