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今まで大学院での学習に埋もれていて距離を置いていた日本の医療政策について、いくつかの視点から考える必要があって、手始めにエムスリーの記事をざっと読む。
おおっ「舛添会議」と銘打たれ、「安心と希望の医療確保ビジョン」の第7回会議の様子が報告されていますね。 会議が今まで、毎回の事前準備やその後のフォローアップ含めどう運営されてきたか分かりませんが、「こりゃ大変だなあ」というのが初めの印象。 すこし引用してみると…
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「医学部定員増は精神安定剤にすぎず」 舛添大臣の定員増の提案に、矢崎委員が回答
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舛添要一・厚生労働大臣は、医師不足の現状を指摘し、「今年度は医学部定員を395人増やした。あとどれくらい増加すればいいのか」と3人のアドバイザリーボード(委員)に質問を投げかけた。 委員の一人、独立行政法人国立病院機構理事長の矢崎義雄氏の回答が冒頭のコメントだ。矢崎氏は、2006年7月に報告書をまとめた「医師の需給に関する検討会」の座長を務めた。矢崎氏は絶対的に医師が不足していることは認めつつも、それは医学部定員増ではなく、今いる医師をはじめとするスタッフで、いかに「仕事」を行うかを検討することが必要だとした。 (中略) 矢崎氏は、「ここ十数年、(医師の需給の)ギャップが大きくクローズアップされてきたのは、高齢者が増加した上、医療の専門化・高度化、国民の医療に対する目が厳しくなったことなどが上げられる」と前置きした上で、「現状で医師は絶対的に不足しているが、医師の養成には時間がかかり、将来、医療ニーズがどうなっているかも分からない。仮に医学部定員を10%増やしても、需給がクロスするのが1〜2年くらい早くなるだけ。また一度、増やした定員はなかなか削減できない。私は、医学部の定員増で医師の絶対数の不足は埋められないと思う」と述べた。 矢崎氏は、まず医師やコメディカルの業務範囲の見直しを行った上で、(1)病診連携の活用による、高齢者の入院の在宅への移行、(2)高度な機能を持つ診療所による救急の受け入れ体制の充実、(3)訴訟リスクの回避——などで対応すべきだとした。今いるスタッフで何とか解決する方法を講じるのが先決だとした。
(引用終わり)ーーーーー
舛添大臣が「医師の量的不足」というアジェンダに対して既に実施されている「医学部の定員増」の効果評価と今後期待できる効果・このアジェンダに対する他の解決方法とその期待できる効果を問うたのに対して、矢崎氏はそのアジェンダ設定の段階からの疑問を提示し、「医師の病院からの退職を減らす」を新しいアジェンダに持ち出し、いきなりズレている。がしかし、このあたり、医師らしい「対症療法ではなく、根治的な治療を!」という思考法・意志を感じる(がしかし、「医師の量的不足」を脇に追いやるだけの議論の根拠を提示できなかったので、舛添大臣に「政治の言葉で語るには、数値目標が必要」と言われてしまっている…)。
結局、会議としては各自の持論の空中戦。医療問題をどの”軸”で設定し議論・解決法の実施に向かっていくかのコンセンサス(アジェンダ設定)の段階で足踏み(というか、逆戻り?)か。次回の「提言のとりまとめの議論」大丈夫でしょうか。
しかし一方で、各論点に国内・国外のデータや研究結果でサポートを加え、今後の計画や予想を明示できると、こんなに大臣・プロフェッショナル・市民代表が意見を言い、公開されている(予算概算要求に反映させていく!)議論というのは、とても期待できる魅力的なものですよね。
大臣・各委員の方が、どういう政策スタッフで動いているか分かりませんが、その人たちの出すであろう議論や根拠を想像しながら、自分の来週末締め切りの宿題に戻るとなんだかやる気がでますなー(なんだかうなぎの蒲焼きのにおいを嗅ぎながら、ご飯を食べるような…)。
追記:ロハスメディカルでもこの 「安心と希望の医療確保ビジョン」の第7回会議の様子が報告されていますが、傍聴された方も会議の混乱ぶりを感じていらっしゃったようです。
追記2:どうやら上記のずれは、矢崎氏が座長をなさった「医師の需給に関する検討会」で検討・解析/予測し結論を提示していた内容を、舛添厚生労働大臣が踏まえていなかったことによるようです。少ない時間で大臣に必要な現状までの分析を伝えることも委員の役割であったかもしれません。
参考サイト: 「医師の需給に関する検討会報告書」
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