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2007.12.23 09:33 |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  海外留学  |  tarogo  | 推薦数 : 0

英国GPに関する誤解1

エッセイの提出がようやく終わり、すっきりしています。

膨大なリーディングの海を泳ぎながら、最後にエッセイをまとめると、各理論の主張や根拠、議論が明確になって本当にすっきり。 自分の文章を読むと「なんて分かりやすいんだ」(自分のアタマの構造と一緒)となってしまうことに気を付けながら、読者(教授)を説得したり、適切に問いを分析し答え議論(argument)する意識を最後まで持続できるかが、エッセイの質を決める…って、社会学的論文の書き方に親しんできています。

いくつかあると考えられる「英国GP(General Practitoner:家庭医)に関する誤解」について今日はすこし。

それこそご近所のうわさ話のレベルで批判したり、蔑んでみたり、哀れんだりしている方がいらっしゃって(盲目的に、英国は医療崩壊先進国!みたいな)どおかなあ、と思っていたので。 端で聞いていると、「ネッシーを見た!(古い…)」「首が長いらしい」「時速300キロで泳ぐらしい」ぐらいのこともあり、ハラハラします。 (そういいながらも私に誤解のあったときは、ご指摘ください!私の根拠はGP研修を1ヶ月弱し、GPの友人たちと話した内容に加え、『NHS A GUIDE』ほかを読み(成書はその程度です)、授業で触れた事項と細かい事項に関する数編のリーディング(たとえばNSFやQOF、The New GMS Contract)程度によるものです。あしからず。)

誤解その1「英国GPは公務員であり、診療も官僚的で一生懸命働かない」

回答その1「英国GPは有名な受診時無料の国民医療サービス開始(NHS 1948年)時から、診療的にも経営的にも独立した地位(independent contractor)を確保しており、地域行政機関(PCT)と契約を結ぶことで収入を確保している。90%以上のGPがグループ診療(1つのクリニックに複数の医師が勤務)をしており、そのなかでもパートナーと言われる経営権(?)を共有する医師たちが利益から収入を分配し得ている。他のGPは月給制である。ほかにパートタイムやローカムといわれる期間雇用の形態があるが、いずれも公務員ではない(注:公設のクリニックで勤務する場合は”公務員”と言えるのかもしれませんが、一般的ではありません)。よって、bureaucraticというよりも、small business ownerの観が強い。これは日本の開業医とよく似ていると感じます(個人的に)。多くのクリニックにはプラクティスマネジャーという、日本でいう事務長職がいて、経営管理を行っている。診療に関してはほとんどのGPが英国家庭医療学会(RCGP)認定のトレーニングを受け、その能力を評価され、専門医認定を受けた上で診療しているので、質の標準化が図られている。また現在は年に1回、その1年間の臨床活動ほかについて、PCTに委任された他のクリニックの家庭医(GP appraiser)による形成的評価(appraisal:訳語は適切でないかもしれませんが意味はこれです)を受けることが義務づけられており、診療内容・質の密室性は少ない。以前はGPでさえ予約が取れない状況があったが、政治的な介入もあり数値上は90%程度は48時間以内に家庭医受診ができるようになっている(10年前は風邪の受診に1週間かかるという悪評だったが…。まあこんなサイトもあるが…)。これは個人的な経験だが、友人のクリニックでは毎年10%程度が登録を移動するため、新規の患者を引きつけることが経営上も重要であり、患者に対する質のよい診療・クリニックとしてのサービス(予約、時間外対応、適切な紹介、検査結果の連絡等)と近隣医療機関・病院・福祉との良好な関係はとても重視され、維持に対して努力しているということだった。」 …、ということで、プライマリケア専門医としての質と診療・経営の自律性をもっています。

ほかの誤解については、そのうちまた回答したいと思います。

参考資料:New GMS Contract

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イギリスのGPのことを、「日本の街を歩いていたら時々目にする、『内科・小児科・産婦人科』のような看板を掲げた開業医と同じような物」と形容する人もいるようですが、GP達は専門のトレーニングを受けて初めて一人前になっていますね。そういった意味で「プライマリ・ケア医」として日本の開業医よりも優れた点があるのではないかと思いますね。

あと、も患者側がGPを信頼できなかったりした場合は別のGPへと変更することは当然の権利なのですね。
written by SUN-IN / 2007.12.27 06:47
有り難うございます。
そうですね、SUN-INさんがおっしゃった「日本の街を歩いていたら時々目にする、『内科・小児科・産婦人科』のような看板を掲げた開業医と同じような物」は「英国GPに対する誤解その2」に値しますが、どうでしょう、今の日本で『内科・小児科・産婦人科』なんてかなり気合いが入っているというか、どうやってその診療能力を身につけたのか、また維持するのだろうか…とか、設備は十分なのだろうか…とか、病院との連携やバックアップは大丈夫なのだろうか…とか心配になってしまいます(医師側も患者側も)が、その点はGPは解決されていますので、また改めて報告させて下さい。

GP登録の変更は、引っ越しや信頼できなかったなどの理由を含め、当然の権利として問題なくできるはずです(なにか制限があったような…、また調べます)
written by tarogo / 2007.12.27 09:27

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