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2007.11.03 03:48 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  海外留学  |  tarogo  | 推薦数 : 0

フリーアクセス考1

週末の過ごし方がすっかり変わってきています。

ようやく大学院の授業とセミナー、リーディングと”仕込み”(授業中の発言用)、発表準備の感覚・時間配分が分かってきたからですねー。出身もバックグラウンドも違うクラスメート(アメリカ人:生物学、ドイツ人:政治学、ブラジル人:ヘルスロー、韓国人:法学・薬学、私・日本人:医学)とのスタディーグループも順調。男女比も3:2でバランスよし。 おおよそ月〜木曜日の授業(予習・復習)の後、木曜は振り返りと追加の復習・資料整理に加え来週必要になる資料収集と整理、金曜は振り返りを踏まえて1週間の計画を立て、午前中に今週学んだことから、日本の医療環境への気づきや適用仮説を「まめ論文」化し、TPOV(teachable point of view)として”ヒトに語れるように”する(参照:シゴタノ!O先生ご紹介有り難うございます!)。金曜お昼にちょっと家族に一説ぶってみる。結構するどいツッコミが入る。金曜午後から土曜夜までは時間のかかりそうなリーディングをしこしこ読んで、来週の準備。日曜朝は執筆、夕方から月曜の準備…、少なくともこの年末まではこのペースを保って、ロンドンの秋冬のイベントは夢で見ることにしました…。

さて、日本でのフリーアクセス擁護について考えてみる。 日本の医療の優れた特徴のひとつ、と言われています。日本の社会保険被保険者は保険者の種類に関わらず、どの保険診療医療機関でも受診することができる、またその回数も制限されない、というものです。

患者としては自分が気になっている身体の症状・状態について、自分でそのときの選択にしたがって病院・診療所(診療科)を選べるのは、なによりも期待に添うし満足度も高い。例えば会って相談したい時に医者にすぐに会えて、こっちの診療所で満足できないときは、評判の病院にもいくことができ…なんてできると満足度が高いのは納得できる。特に自分の状態・病態をほぼ把握していて、どの医療を受ければいいかよく分かっている時に、それを提供してくれるスーパースペシャリストに直接すぐにかかることができれば、それは素晴らしい!

でも、いつもそんな訳ではない。例えば患者さんは自分のこの胸のシクシクが何からきているかよく分からないことが多いし、どこでそれをよく診てくれるかもあまり自信がない。ああ、角の循環器の先生、30年来みてもらってるし相談しよう!と行くと、レントゲンと心電図をとって問題ないという。でもまだちょっと心配で、駅前の内科・消化器科へもいくと、早速胃カメラをしてくれて、”表層性胃炎”のみだという。でも夜になるとシクシクが強くなってきて心配していると、お風呂上がりに家族が背中を見てぶつぶつがでてきているという。帯状疱疹だ、ってことで、翌日郊外の皮膚科に行く。ああ安心。でも初めっからこの病態が分かっている医師にかかれれば、もしくは皮膚科にいくことができればしなくても済んだウロウロ・オロオロを経験してしまった。その”ウロウロコスト・オロオロコスト”もみんな(保険料を払っているひと:みなさん、会社、税金を支出する地方自治体または国)から集めた医療費でまかなっている(医療機関の収入になっている)とすると、なんだか大いなる無駄な感じがする。実際OECDデータでも日本はずば抜けて外来受診回数が多いですし(日本14.4回/年、OECD加盟国平均 5.6回/年)。

しかもその”ウロウロ・オロオロ”した経験・知識は蓄積されず、みんなでまた同じことを繰り返す、もしくはうわさや評判などになる。一方で医師・医療機関側もなにができるかなんて詳しく教えてくれない。”内科・循環器科・小児科・放射線科”な感じでかかれた看板や、”○○医科大学卒業、内科専門医”のような経歴で判断せざるを得ない。決め手に欠ける…。

でも、なんとかなってるのかもしれない。都会ではちょっと歩いたら、ほかの診療所、総合病院があるし、こっちがダメならこっちで。 一方で地方に住んでいると、町にひとつの診療所であなたの病状はよくわからんと言われたら、ほかの診療所へも簡単には行けないし、家で寝ておくしかない。フリーアクセスの恩恵なんかない。

とすると、患者さんからみたら、フリーアクセスの恩恵は「自分の病状・希望がよく分かっている時」の「スーパースペシャリストへのアクセスのよさ」と言えますかね。ほかの恩恵はかかる時間やコストと利点とのバランスがちょっと好みに寄るかと感じますが…。

こういう話しは「医師側からみたフリーアクセスの利点」というのもありますので、後日はそれについても書いてみます。

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