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2007.10.10 02:19 |  研究  |  医療制度 / 行政  |  海外留学  |  tarogo  | 推薦数 : 0

ポリシー、ください

急に人ごみに揉まれて、風邪をひいています。学校が始まる第一週は学部生・大学院生に関わらず教科書やリーディングリストの管理、教室はどこなの?図書館の使い方…なんていうことで右往左往してしまうものですが、特にビルが立ち並ぶだけのLSE(London School of Economics & Political Science)では人ごみと学生課などに並ぶ長い列などで殺風景さ倍増。狭い敷地で学部生と混ざっているので、10代後半の子どもっぽい雰囲気が充満していて、かなり新鮮ですが。

「結局さあ、ヘルスポリシーってなんなの?」

この1週間何百回となく言い続けた単語に対して、牛肉とイイダコの韓国鍋をつつきながら、友人が訊く。映像の勉強をしに来ていて、ドキュメンタリーフィルムをとっている彼にそう訊かれると、いい加減には答えられず、一瞬グッとくる。僕自身、いままで何度となく問い続けた問いで、自分がここまできてなにができるのか考えていた根源的なことなので、すこしかしこまって、箸をおいて話し始める。

「人々の間で、価値や信条、モノの見方や優先順位は様々でさ。特に医療なんていうのはその最たるものだと思わないか?生まれつきや早い段階で病気とともに生きなければならなくなった人にとっては、医療は最も生活の身近にあるもののひとつで質量ともに重視して、手厚いものを期待するのに対して、僕らの世代みたいにおおよそ健康で、仮に週末飲み明かしたとしても、けだるい朝を迎えるくらいで済む場合は、おおよそ健康は興味の惹かないものかもしれないだろ。製薬会社でセールスしていたり、医療機関を経営している人の場合は、医療は’マーケット’と捉えて、いかにそこで収益をあげるかを考えるかもしれない。ポリシーとかポリティクスとかって、言葉の問題はおいておいてさ、ヘルスポリシーってものは、健康に関してそういった相反する価値や利益、思いや価値の中で、争いや対立を避けて、いかに最適解を見いだし、みんなでよりよい生活を送っていくかっていう方法を見つける試みなんだ。」

あまりに抽象的な物言いだけど、なんとか聞いてくれている。焼酎を飲みながらだけど。

「でもさ、政治学者がそんなに立派なわけじゃない。彼らも彼らの価値観の上に、日常生活を送って、ものを考え、発言している。そんな中でも、僕が教わっているエリアス・モシアロスはヨーロッパで支持されている医療制度の目標として5つあげている。
  1. だれもが医療にアクセスできること
  2. よりよい健康水準が得られるための効果的なケア
  3. 医療資源の効率的な利用
  4. 質の高いサービス
  5. 患者の関心に対して対応すること

あたりまえといっちゃあたりまえだし、こんなこと実際できないよってお題目として聞き流すこともできるけど、こういった目標を始めに掲げて、ヘルスポリシーを研究し、実際の政策に関わっている教授たちが教えているところが、僕が学んでいるコースなんだ。そこで僕もヘルスポリシーについて学ぶことで、知識や分析的な技術のみならず、そこに関わる根幹となる姿勢も学べる、自分自身のポリシーの形成にきているともいえるかもしれない。」

ちょっと主題から離れてきたところで、酔いがまわってきたのにもおされて、話しはもっとはずれてこの間見た映画の話しになる。 SICKO。僕のはなし聞いてなかったのね、その話しがしたかったのか。まあいいか。さあ、SICKOの話しをしよう。

参考:現代政治学入門 バーナード・クリック 

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