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大学のニューススタンドで買った学割ガーディアンを広げて、メインビルディングの地下の学食でコーヒーを飲んでいた。マクミランキャンサーサポートというガン治療や療養をサポートする財団(訪問ナースが有名)のチャリティを学生がやっていて、配っていたコーヒー。いわゆるアメリカン。2ヶ月前に、そのマクミランナースに伴って地域での在宅緩和ケアを見てきたよしみで、募金を奮発してしまう。1日の食費だな。
紙面を目で追うが、頭ではこの1年のコース科目選択のことを考えていた。自分のコースは2科目の必修以外は各人のプロファイルと今後のキャリアプランに合わせて、個人的に割り当てられたチューターと相談し、London School of Hygiene & Tropical MedicineとLondon School of Economics & Political Scienceの2つの学校から自由に選択することができる。その自由さがくせ者で、僕も含めた勢い込んできているクラスメートたちはみんな自分の現状とその目指すところとのギャップを埋める選択を意識して、ちょっと必死だった。
その様子を見かねたのか、ウニョンが僕の肩を軽く叩く。韓国で官僚としてキャリアを積んだ頼もしい仲間。日韓合同開催のワールドカップの話しと韓国人男性のファッションチェックで盛り上がってからのよきお姉さん役。僕のキャリアを踏まえながら、韓国でのプライマリケアの話しをしてくれる。一時は一斉にできた大学での家庭医療学教室も医療政策上の支持を失って、患者からの支持も低下している現状。そうやってちょっとマネジメントよりだった僕の選択を、政策寄りに修正してくれる。お隣の国出身ということでできた連帯が、今後も支えになりそうだ。
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さて、昨日のGurdianから。
No dignity for older patients on NHS wards, says report
Commission issues formal warnings to eight trusts
Only five hospitals make grade in survey of 23
John Carvel, social affairs editor
Thursday September 27, 2007
The Guardian
調査によると対象だった23病院のうち、ケアを受けている高齢者の尊厳に対する政府の基準を遵守している病院は5病院であり、相変わらず男女混合病棟での療養や排泄物の不始末が続いているという。とくに今回調査対象だった病院はイングランド内では’優良病院’と評判のところが多く、ずべて自己申告では’問題ない’と報告していたことから、さらに問題が深刻な様相となっている。
不誠実の側面は置いておいて、弱者としての年配者への価値の置き方(特にお金の配分)が問題の原因のひとつに挙げられている。「社会の質や継続可能性はその社会の年配者への敬意やケアによって最もよく評価できる」という歴史家の言葉もある。英国は警鐘を鳴らしている。高齢先進国の日本は鳴らせるだろうか?
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月曜日の朝は典型的なロンドンの天気だった。
先週末の秋晴れのつづきを期待して、今週から始まる大学院の’登録週間’ を前にし、遠足の前夜のようにワクワクしていた。日曜は通学用のマウンテンバイクのチェーンを洗いオイルをさし、ブレーキブロックを思い切って新調して、リム・フレームを磨く。完璧。クラスメートを想像する。大学院の同じコースには、日本人がひとりしかいないことは分かっていた。
朝食に大好きなピンクグレープフルーツを山盛り食べて、景気を付けたところに、嵐嵐嵐。がっくり。この天気の中をダブルデッカーの間をすり抜けるA40の通学路を走るのは危険と判断して、バスに乗る。大学に着くと、いくつかの手続きをして、写真を撮り、指定された教室に向かう。意外に小さな小学校を思わせるような教室にサンドイッチやフルーツが用意されているのが見え、もうたくさんの人が集まっている。この1年を一緒に過ごす仲間だ。総勢30人(あとから何人か遅れて参加するらしい)。みんな期待や緊張、ここに来れた満足感と不安を混ぜながらもエネルギッシュに話している。嵐ですこし曇りがちだった僕の気持ちを一掃してくれる。見渡すとヨーロピアンとアフリカンが多く、僕と似たような顔つきは他に女性ひとり。ちょっと出遅れたので、すこし離れたところに座っていた静かな表情をした同級生の横に、ターキーサンドイッチを頬張りながら腰掛ける。
彼の名はアレックス。ギニア湾沿いの国出身で医学部を修了し、医師のトレーニングをフランスで終えてここにやってきた。自分の国に帰る前に、医療政策の理論武装をして、活躍の場を広げようという、僕と似た?境遇だ。話しているとどうやらクラスメートの半数弱がMDで、ほかは政治学や経済学研究者、NGOのプロジェクトマネージャーやファンド担当、各国官僚など、この数ながら多彩な顔ぶれ。ひと際声が大きい一群は、国連関連機関出身者たちだ。みんな経験が溢れ出てて、かつ学びたい気持ちがあふれている。頼もしいクラスメートたち。僕も日本から来た臨床医出身として、どこまでこの仲間に貢献できるか、挑戦だ。
追伸:もちろん学校帰りの夕方は、秋晴れです。
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