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ロンドンでの夏の風物詩のひとつとなっているのは、BBCが主催している一大音楽フェスティバルの"PROMS"。ハイドパークとロイヤルカレッジオブミュージックに挟まれた、ロイヤルアルバートホールをメイン会場に約2ヶ月間さまざまな音楽イベントが繰り広げられる。このイベントが今年で80周年を迎え、歴史本なども出て盛り上がっているのをみて、音楽から遠い私ですがこの14日のチケットを取りました。Marcus Robertsのpianoで"Rhapsody in Blue"。今から楽しみです。
さて、学校の先輩に授業の評判など聞きお世話になっていますが、その中でも評判の良い教官であるNick BlackがEditorをしているJournal of Health Services Research & Policyで、病院から地域の診療所へのケアの移行に関する文献を選択的にレビューした論文がありました。
Shifting care from hospitals to the community: a review of the evidence on quality and efficiency
Sibbald B, McDonald R, Ronand M
Journal of Health Services Research & Policy Vol 12 No 2, 2007: 110–117
Objectives: A key objective in many health-care systems is to shift specialist services from acute hospitals to the community and so bring care closer to home for patients. Our aim was to review published research into the e¡ectiveness of strategies for achieving this objective.-----
ここでは今までの論文をレビューする際に、医療提供システムを変える4つの”戦略”:1.移行:病院での診療内容を診療所医師に移行、2.再配置:病院医師を診療所で働かせることで診療内容を診療所へ移行、3.協同:一人の患者に対して病院医師・診療所医師が協同、4.診療所医師の行動変容:診療所医師の病院への紹介行動を変化させる、によって分類し分析を試みている。結果は上記1.移行は病院の外来患者を減らし急性期病院の負担を軽減、患者の専門ケアへのアクセスを向上するが、その結果ニーズの掘り起こしが起こり診療量増大の可能性や治療の質の低下の可能性はある。期待されたコストの低下も、この診療量の増大によるコスト増や給与差(病院では若手が外来をしていてベテランGPより結局安価?)により期待されていた効果はない可能性。2.再配置は専門ケアのアクセスを診療の質を下げず改善するが、病院の患者数を変えず、急性期病院の負担減には効果なし、3.協同に関しても2.再配置とほぼ同様の効果。4.診療所医師の行動変容は病院の外来患者を減らし急性期病院の負担を軽減できる可能性、とある。
結果を読んで、そうなんかあという感じ(漠然とです。目新しいものが特にないのもありますが…)。私は自分の家庭医としての経験から、トレーニングされた家庭医が医療システムの中で機能することが医療の質や医療経済上の利益を人々・地域・国にもたらすという仮説をもっているが、こういった海外のヘルスサービス研究を読むたびに(それが、私の仮説に対してポジティブであってもネガティブであっても:英国はさながら実験場で豊富にありますが…)日本には当てはめにくいなあ、と感じる。(この論文も対象は1980年以降の英文論文のみ)なんたって、科学に属する医療技術に関する研究と違って、社会学に属する(?)医療システム研究は今までの歴史や社会状況・利害関係?が複雑に絡み合った各国の状況に大きく左右されるからだ。本当に一般化しにくい。
こう考えて、この9月からの学習の際にどう学んだら良いか、自分の軸・エッジをハッキリさせるために鋭意準備学習中だ。先人たちはみなどうやって海外のこの種の研究に対峙し、日本で利用したのだろう?
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