tarogo
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/03 >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

「ロンドン医療関係者親睦会」に参加してきました。看護師、医師のみならず、前世療法、リフレクソロジー、コンプレメンタリーメディシン、アートセラピーなどの施術者等、多彩な顔ぶれ。地域で家庭医としてやっているとホントに、原因不明や現状の医療では解決できない問題を抱えて生きている多くの方と継続的に関わることになりますが、こういう制度に乗らない「もうひとつの医療」との共同でみなさんの支えになるのもいいなあ、とふと考えました。まずは私のオーラから診てもらおっ。

 今回はアメリカ版「医師の上手なかかり方」をTIMEから。
Where Doctors Go Wrong
TIME, Thursday, Mar. 15, 2007 By CHRISTINE GORMAN

The patient was an 8-year-old California girl with severe headaches. Her parents, who were both struggling to adjust to new high-pressure jobs, took her to top neurologists and pediatricians. The child's symptoms, the doctors concluded, were a response to stress at home, along with perhaps a sinus condition. But four or five months later, it became clear that she had a brain tumor and needed surgery. When her doctors looked back at early scans of her brain, they were aghast to see the shadow of a tumor they had previously overlooked.
For Harvard hematologist Jerome Groopman, who is a friend of the child's parents, the missed diagnosis was more than just a cautionary tale. It was the start of an investigative journey. "People talk about technical errors in medicine, but no one talks about thinking errors," he explains in an interview. "I realized I had no framework for understanding these kinds of problems."

これは『How Doctors Think』という上記のGroopman医師の本の紹介記事ですが、医師が陥りやすい”精神的気分的わな”や”認知的わな”を知ることで、患者が”医師がそのワナに陥って、正確な判断をできなくなっている”ことに気づき、それを医師に”効果的に気づかせる”ことで、そのエラーを避けよう、と提唱しています。
そう、医師も感情や日常をもった人間。精神的肉体的コンディションが悪ければ、医師としてのパフォーマンスが落ちるのは、ほかのプロフェッショナルスキルドワーカーの例を考えても、当然です。

またこの記事で印象的だったのは、いくら医療が発達して、治療や意思決定等の情報技術が発達しても、それと患者をつなぐのは延々生身の”医師”でこれは過去から未来へ変えようがない、よって医師を良く理解することがよりよい医療を受ける鍵となるという”ボトルネック”を意識させてくれたこと。
最も蔓延しているバイアスかもしれませんが、患者は医師が製薬会社からごちそうしてもらってたり、資金提供を受けていたりを容易に知ることはできませんね…。

「医師が国政を目指す。」リーディングリストへ

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

ロンドンでもすっかり花粉症にやられています。

この季節になるといつも、私の友人の父がエコロジー耳鼻科医だったのを思い出します。患者が減ってこないように、せっせと裏山に杉を植樹していた…。ホントだったら怖いですが…。 

以前のエントリーでも紹介しましたが、英国では医療情報の国家的IT化を推進しており、それに伴って「誰が医療情報を持つのか」という議論が盛んです。今週のBMJの記事です。

BMJ  2007;334:510 (10 March)
My illness, my record
Tessa Richards, assistant editor, BMJ
 Full access to personal health records should be a right, not a privilege
Few doctors would disagree that continuity of care matters, or that recent changes in medical training and practice have reduced it. Those who have escaped the frustration of dealing with a patient who has run the gauntlet of professional opinion and whose notes are "missing" lead a charmed existence.
 ここで、「医療情報は患者のものである」はよいとして、さてっ、”医療情報のすべてを患者が持つ”としたとき、そこには必要とされる情報とともに、事実としての 

”不愉快な真実 an uncomfortable truth”

が多く含まれています。生命予後に関わる病気の進行はもちろん、ちょっとした検査値の増減やグレーゾーンの検査解釈などに、疫学的医学的知識が不足する患者が右往左往するのは必死。
国が”情報公開”として、医療情報の患者公開を義務化したとして(得意の”丸投げ”で。公開するから責任は皆さんがとりなさいよ、と)、現場ではかなり腹の据わった対応が必要となりますよね…。”後悔”にならないように、一律公開ではなく、ガンの告知作法よろしく、原則公開で患者に選択してもらうのが筋でしょう。
このBMJの記事では「利益が害を上回ると考えるのでよしっ」と一言で片付けていますが…。

 

 これは「不都合な真実」です。

 「医師が国政を目指す。」リーディングリストへ

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

 

今日は早朝にテムズ川までジョギング。
走ることが思考を広げ、考察を深めてくれると感じるのは、先日腎臓癌で亡くなった池田晶子さんや村上春樹さんが書いていることに同感。道々の桜が散り始める一方で、公園に群生しているクロッカスの鮮やかさに、雪解けの北海道を思い出しました。その後おかわりはありませんか?

さて、英国では「医療者に対する暴力」が以前より問題になっています。
先日BBCのPanoramaという英国内の社会問題を取り上げる番組でも特集され、病院内防犯カメラで撮られた暴力の現場を何度も放送していました。暴力の報告件数は年間7万5千件、その対策に国は年間1億ポンド(約230億円)支出していると報告されています。
Violent patients 'attack 75,000 NHS workers'
Monday, 26 Feb 2007 12:43

Violence against NHS staff is costing the government £100 million a year, an investigation has revealed.A report by the BBC programme Panorama found that about 75,000 staff were attacked last year by patients, many of whom were under the influence of alcohol or drugs.
These attacks led to extra costs in absenteeism, extra security, legal bills and training of staff.

医療は、「適切な検査・治療を適切な時に適切な質で提供することが原則」かと思いますが(適切の決め方が難しいですが…)、”サービス業”であると強調した時に、医療者側の態度教育や医療機関の戦略としてはいいのですが、受ける側(患者さん・家族・広く国民)が”サービス業だろっ”とホテルのコンシシェルジュよろしく(これを唱っている医療機関もありますが…)過剰な”サービス”を期待するのは、さまざまな面で無茶な話です。傲慢や強欲が評価?された、アノミックな時代の雰囲気では、この流れは必然か…。いかんいかん、ポジティブポジティブ。

税金で暴力対策までまかなっている英国と異なり、日本は診療報酬のみで成り立っている個人(または法人)がその対策をしなければならないので、困難さはさらにアップ。英国では2001年に"zero tolerance" policyをうって、「暴力患者を法に訴えよう!」とやりましたが、医療者の訴えが少なく、暴力減少に効果を見せていませんでした(想像できますよね…)
羽田空港で「俺はコンピューターが使えないんだっ」と大声を張り上げて怒鳴り、ANAの総合案内で格安チケットを予約させていた50代のブランドで着飾ったおじさまを見て、ああこの姿をみて子供が育っていくのか…とイヤな気分を感じた思い出しました。いかんいかん、ポジティブポジティブ。

【追記】日本での「医療機関に於ける暴力」について、週刊医学界新聞に記事がありました。(以下、引用 第2684号 2006年5月29日)北里大学病院での調査では、看護師(1205人が回答)の67.6%が過去1年間に患者から暴力を受けたことがあると回答。それに対して飯田英男氏(関東学院大)が過剰な消費者意識の危険をしてきた上で、(ここでは看護師は)対患者において“受容の対象”から“権利義務の尊重”の関係になるべきであると提言。また奧野善彦氏(北里大名誉教授,奧野総合法律事務所所長)。民法1条(2)「権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行われなければならない」を紐解き,暴力は患者の信義則違反に当たることを指摘した。また,同法の精神は,医療法1条の2(1)にある「医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき」という文言にも反映されていることを紹介。(以上、引用)
組織として我慢を強いない、各々が自虐的にならない(こっちのせいだと過剰に思わない。オープンに)、そして組織的に暴力へ対応することが重要ですね。

こんな本もあります。医療職のための包括的暴力防止プログラム

「医師が国政を目指す。」リーディングリストへ

 

 

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

すっかり暖かくなり、桜もちらほら咲いているロンドンです。 ごぶさたしております。

イギリスでは大規模な列車脱線事故(あのヴァージングループの列車でまた話題に)があったり、英国軍のイラクからの部分的撤退の決定があったり(一方でまだハリー王子はイラク従軍の予定のようですが…。ボディーガード付きで…)と大きなニュースがありましたが、そんなこととはおかまいなしに自分の身の回りにも、様々なことが起こり、考えられさせられました。特に”病気”はいつどのていどで起こるか分からず、だからその費用は保険でまかなわれるのだということを。 

 

さて、いつも通学中にpodcastでなにか聞いてるのですが、The New England Journal of Medicineの”NEJMAudio interview”を聞いていたら、こんな記事がありました。ちなみにインタビュイーは家庭医でハーバードビジネススクールの教授です。(今回は米国の話題です)

The Rise of In-Store Clinics — Threat or Opportunity? Richard Bohmer, M.B., Ch.B., M.P.H.

The recent acquisition by the pharmacy chain CVS of MinuteClinic, a chain of in-store clinics founded in Minnesota, has put this model of primary care delivery back in the spotlight. Although still not widespread, the model is increasing in prevalence (see table) and appeals to several stakeholders: payers note that primary care is less expensive when delivered at in-store clinics than when provided in a doctor's office or emergency room, patients value the convenience and low price, entrepreneurs see a profitable business model, and proponents of consumer-driven health care see services that can be paid for out of health savings accounts. Physicians, however, express concern about the quality of care and the potential impact on their businesses. 

 

私が特に興味を引いたのは、このクリニックは先日も話題にした”家庭医がスーパー薬局で外来”するのではなく、”看護師”の開業クリニックであることです。ある範囲の診断と処方を許された資格看護師が常駐し(医師よりコストが安い)、提供するケアの種類を限定し患者に選択してもらう(マクドナルドスタイル)ことで、いわゆる”選択と集中”コスト減と質の向上を狙ったニッチ戦略。かなり洗練されています。このように”医師の仕事と考えられているところに他の職種が進出する提案など…”は日本ではあるのでしょうか?コスト減、人員増のひとつの回答ですが…。

”そんなことしたら質がねえ…”なんていうと、個々の医師の質を図ることが難しい日本の現状では比較するものが全くありませんが…。

「医師が国政を目指す。」リーディングリストへ

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)