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年末ぎりぎりで、新型インフルエンザ疫学情報をアップしました。11月20日に公表した情報をその後の疫学的データを元に更新したもので、死亡例も前回の50例から100例と倍の症例情報を含んでいます。
新型インフルエンザの発生動向(厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部):クリックでリンクします
同時に、大阪府立公衆衛生研究所・大阪府健康医療部・国立感染症研究所感染症情報センターによる
の重要なレポートと、国立感染症研究所感染症情報センターによる
「パンデミックインフルエンザA(H1N1)2009の重症度の国際的な比較について」
の専門家による解説が公表されており、臨床医は必読です。流行の勢いが緩やかになり、全患者数に対する死亡数が少ない状況であり、ワクチン以外の部分ではすでに注意深く通常業務にもどっている、というのがこの年末ですが、WHO含め、どの国でも「まだ楽観しない」が対策の基調になっていることを留意いただけたらと思います。
昨年中は大変お世話になり有り難うございました。本年もよろしくお願い致します。
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まだ新型インフルエンザの流行がピークを過ぎたかも分からない時期に、才能ある作家によるパンデミックの顛末を描いた本が読めるなんて、正直興奮している。理系特有の詳細な記述でありながらなんだかあたたかく、今回のインフルエンザに関わり日々文字通り戦っている専門家たちを本当にいきいきと描いている。瀬名さん、素晴らしい(存じませんが、馴れ馴れしくすみません)。
他人の本なのに、私の手の汗で表紙をふにゃふにゃにしながら(ごめんなさい)一気に読んだ。たしかに出てくるのはスターばかりで、粛々と地域で患者を診ている医師たちにはスポットライトがあたってないけれど、そういう先生たちにも是非読んでいただきたい。自分たちの診療が登場人物たちに重なり、さあ次ぎにいくかと背中を押してくれる感じがあると思います。
以下、文藝春秋webより転載です(文春サイトで一部立ち読みできます。その部分だけでも面白い):
広く深く! 28名の専門家に徹底取材した決定版: 感染のしくみ、感染対策から情報処理、リスク管理まで、専門家28名の最新知見を盛り込み、ウイルスとの闘いの未来を見据える
内容紹介
新 型インフルエンザが猛威を振るっていますが、いずれ、さらに新たな「新型」が生まれ、それを抑え込んでも、やがてまた次の「新型」が生まれて……と、人類 とインフルエンザは常にイタチゴッコ。本書はそのイタチゴッコのありようを作家の瀬名秀明氏が、ウイルス学者や医療関係者、危機管理学者など、約30名の 広範な研究者らに徹底取材することで明らかにし、こうした疾病を蔓延させる現代人間社会のありようにまで深く筆を進めます。21世紀におけるインフルエン ザとの“賢い共生”を考察する1冊。(SH)
転載終了-----
最近の医療関係一般書は、不平不満や対立・暴露系が多く、全く手がでませんでしたよね。この本は、見たらびっくりの超厚新書でもあります。
では、よい週末を!
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厚生労働省 新型インフルエンザ対策推進本部での勤務も、一緒に働かせて頂いている高山さんのおかげで、ご迷惑をかけない程度になっています。慣れない環境というのは、自分の貢献可能性や能力を再定義しなおすよい機会になっています。
ところで、新型インフルエンザ関連ですが、タミフルの臨床効果に暗雲が?!
世界中のエビデンスをメタアナリシスするコクランレビューが、タミフルの臨床的効果に関するレビューを行いました。これは2008年以来のアップデートであり、前回重症化予防に効果があるとの結論に、追加の研究結果を加え検討するものです。しかし、今回のレビューでは、「タミフルには発症予防効果はあるものの、肺炎への重症化予防には効果が確認されてはいない」と結論されています。 (投与群のrisk ratio 0.55, 95% confidence interval 0.22 to 1.35)
関連する論文で解説されていますが、驚いたことに製造・販売元のロシュでは、「肺炎などの重症化や死亡率の低下には効果が確認されていません」と正直に記載されているのですね。うーん、これぐらい不確定のエビデンスであれば国や地方自治体による備蓄等はかなり微妙な政治的な判断となりますね。。以下の論文では、効果の証明がunpublished dataを根拠になされている時は、備蓄等を考える国は、製造販売元に対してそのデータの提示をもとめるくらいはするべきと述べていて、なんだか”エビデンス”や専門家に弱い医療政策的判断過程が推察されます。
ここでは結局、症状緩和のための薬剤としての役割しか認めず、アスピリン等解熱剤と比較されてしまう始末。臨床的クライテリアにあてはまる全例にタミフル処方をするとガイドラインにあるイギリスでは、どう反応するのでしょうか、注目です。
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新型インフルエンザのことが頭から離れない。
今朝久しぶりに見た夢は、ワクチンの問い合わせの電話に延々答えるというというもの。夢かうつつか。自治体の方に伺ったら、本当に皆ぎりぎりで持ちこたえている。ましてや最前線の医療機関は猛烈に大変だ。
ひとつ、気になっている政策内容がある。ワクチンの価格設定である。 薬剤料+手技料ほか込全て患者負担。1回3600円也。任意接種という接種様式だからでしょうが、結構な額。
一般にディマンドサイド・コストシェアリングという方法の主旨は、医療機関が直接患者からお金をもらうことで、即時かつ取りっぱぐれなくキャッシュが得られると共に保険者などの介在がなく事務コストがないことでしょうし、また同時に患者に手持ちのお金を払わせるという負担感で、”不要”な医療機関受診をなくすというもの。今回のケースでは、”不要”なワクチン接種を希望しなくなるということを意味しており、ちょっと意味深。結構価格弾力性もあるとおもいます(直感)けど。ほかの例を確認していませんが…。
いずれにせよ一層ワクチンによる新型インフルエンザ対策の目標が分かりにくくなっている。一定の割合で、副反応が出現するものですし、ベネフィットの見積もりが不確定なので、任意で自己責任、が落としどころ?なのでしょうか。うーん。
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土曜日に日本元気塾(米倉塾)で、「ビッグイシュー日本版」の販売サポート体験に参加してきました。ロンドン・エディンバラではスーパーの外・チューブ駅前で既に日常の風景のビッグイシューも、日本での認知度は発展段階。ちなみにビッグイシューとは…
・ビッグイシューネットワークで日本と世界をクロスする国際雑誌
・若い世代が時代のマイナス条件を踏み台にできる情報雑誌
・映画俳優からホームレスまで、多様な人生雑誌
・意外性を極めるポストエンターテインメント雑誌
な感じの読み応えのある「雑誌」なのですが、 書店では買えず、ホームレスの人が販売者として「道端」で販売しているのです。出版社として、ホームレスの方に仕事を提供し、収入を得て自立していける機会を提供する、チャリティではなく、仕事を提供し自立を応援する事業。販売者さんへのサポートも組織立って行なわれており、今回米倉塾では、実際の販売サポートとして「道端留学」させて頂き、「認知度を上げる」「売り上げを上げる」の2視点から提案をするという課題に取り組んでおります。
私は、外資系メーカーの方とペアを組み、その方がご主人とつくった「ビッグイシュー特製エプロン」をし、都心の駅前で販売者の方をサポート。いろいろな文句を口に出し試みましたが「雑誌の面白さ・特徴」の方が「社会貢献」よりも興味を引く反面、実際購入してくれるのはやっぱり「社会貢献」マインドをもった方々が大半。個人的にはイギリスでの経験からも…
売り上げ部数=雑誌の面白さ×社会貢献マインド×販売者さんとの関係×販売者数×販売場所(交通量)×認知度
でしょうか。米倉誠一郎先生もいっしょにエプロンをして販売サポートされましたが、販売サイトの道端のゴミは拾う・水はくんで下さる(ほか、チンドン屋と一緒に踊る♬)など、さりげない配慮も素晴らしく、たくさん学ばせて頂きました。
まずは知って頂くことが大切で、道でビッグイシューを掲げた販売員さんを見かけたら、ぜひ1冊購入してみて下さい。個人的にはイギリス版が購入できたら嬉しいのになあ。
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ひさしぶりの「臨床+α」の会に参加してきました。
本当に多彩なメンバーでかつ臨床という軸で繋がっている共通のカルチュア・言語があって、かつ各自の分野で行動を起こしている面々。日本の医療・医療環境をより良くしていくことにどう貢献できるか語りながら立食。私は飲み会にあまり参加しないのですが、2次会まで参加。代表、アレンジくださった皆さま、お疲れさまでした!
いろいろ話しがあったなかでも、ぐだぐだ議論するより、日々前線に立って執刀している心臓外科医が一番かっこよかったなあ、と感じました。診療の質や内容へのこだわりの話しはやっぱり面白いし魅力的。なにより患者さんをしっかり救っている。 臨床医って本当に素晴らしい仕事だなと思います。一方で臨床医あがりの政策研究者の自分が何を出来ているのかを考えると、いまひとつ。気合い入れ直しです。
あと幸運にも、先日家族と相談して加入した保険の医務の方と創業者のひとりの方とも話すことができました。この保険会社も従来の業界の常識を打ち破ることを次々と行なっている会社(なにより保険料が安い!)。おふたりともすてきな方でした(加入者としては安心しました…)。しっかり「お子さんが増えたら増額ですね」と薦めていただきました…。
お会いできました皆様、今後ともよろしくお願い致します。
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今回の選挙でのマニフェスト議論は本当に勉強になる。
特に今回は「政権選択選挙」として争われる選挙ですから、各政党が示すマニフェストの内容も、「その政党が政権を取ったら、最大4年の政権期間で、どういう政策を実施していくか」という具体的な内容を示すというものだからです。どのように各アジェンダが設定されたかも興味深いのですが、ひとつ気になっている・かつ勉強になっているのは「野党としての政策」と「政権党としての政策」は違う、ということです。政権党としての政策は、徹底したリアリズムでなければならない。ボケたことを言ったり、安易に楽観させたり、実現できない希望を述べたりするのは浮動票への集票対策であって政権党の政策内容ではない。
国会で野党として、政権党の政策に対して熟考・再考・見直しを迫る為に異をとなえることは野党の役割のひとつですが、その主張をそのまま政権党としての政策にひきづってはいけないのではないでしょうか。いくつか気になる中で、特に注目している政党のマニフェストのひとつが「後期高齢者医療制度の廃止と医療保険の一元化」という政策項目です。
各保険者での被保険者の人数・年齢構成比の違いからくる支払負担差や被保険者の保険料負担差を年齢区分と広域化で解消し、老人医療保険に財政均衡主義を導入し運用の責任の明確化も図ろう(同時に拠出金割合も明示しよう)という意図が後期高齢者医療制度の背景かと思いますが、さて野党としては「姥捨て山」などで批判し、実施方法の内容等に再考を迫った、ということだったと理解しています(確かに、同時に導入された”後期高齢者診療料”という診療報酬の導入には議論があるところかと思います。しかしこれは保険上の議論とはまた別の話しでしょう)。現実的に代替案のない中、さらなる法改正を伴う制度の変更のみを主張するのは、野党としての主張をひっこめられなくなったからではないか、でしょう。 少なくとも今回のマニフェストで主張している地域医療保険という枠組みで以前の老人保険の問題を解消しようとするならば、地方自治についての明確な方針決定が必要だと思いますが(道州制など)、そういった明示的方針のない中では空想と批判されても仕方ないかもしれません。
野党としての政策は、はっきりと振り返り再評価し、政権党としての政策に脱皮すべきでしょう、というのが私の考えです。そんなことは既に考えられているのでしょうね…、と思っていたのですが、先日「若者・ブロガーX政党」というイベントに参加して、あまりにフワフワした議論なので驚き、不安になったのでした。幹事長と記念撮影をする、というのんびりしたイベントでしたし。
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新しい職場で2ヶ月したところで、ひょっとしたことで指名を頂き、新型インフルエンザ対策推進本部で併任することになりました。私の役割は、併任チームのほかの方々が働く基盤作りのような始まりでしたが、すこしづつ地域の医療現場に役立てられる政策分析のアイディアを構想し、調査を始めています。個人研究でかつ馴染みのない分野・職場環境で、徒手空拳感ありありですが、貴重な機会を逃すまいと頑張っております。同じ班で働いていらっしゃる技官の方々も本当に優秀で仕事熱心、ものすごい勢いのアウトプットをしていらっしゃって、私は刺激を受けています。
さまざまなデータや情報が集計・分析され、対策の検討・意思決定が行なわれていますが、さてそれを使用して分析・研究・調査を行おうとすると様々な障害があります。私が現在直面しているのは、非公開・目的外利用をしないことを前提に集められている情報の扱いですが、現在の職場では、対策立案に使用する為に回答率を上げ、信頼できる情報を集める為には必要な前提かもしれません。しかし、目を省内のさまざまな統計情報などに移すと、匿名化し個別情報を除いて、研究目的の使用に対して公開・提供し、国民のために役立てることができるものが(やはり)多くあります。
前回のエントリを書いた後で、改めて行政の中で働く機会がありの今回です。…しかし、都心への通勤1時間30分はツライ…、徒歩5分のエディンバラ生活後なので特に。
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これは本当に画期的な出来事ですね。
総務省統計局が学術研究の発展や高等教育の発展に資するため、匿名データの提供サービスを開始するようです。
「大竹文雄のブログ」からの情報です。以下引用。
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総務省が行っている政府統計のうち、全国消費実態調査(平成元年、平成6年、平成11年、平成16年)、社会生活基本調査(平成3年、平成8年、平成13 年)、就業構造基本調査(平成4年、平成9年、平成14年)、住宅・土地統計調査(平成5年、平成10年、平成15年)が、匿名の個票データで研究者に利 用可能になるそうだ。
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いつもイギリスのEconomic and Social Data ServiceやUK Data Archiveを使っていたので、大規模データで、質の高いサーベイからのデータを入手できるメリット・デメリットは想像できますが、これで日本の社会科学的知見がぐっと飛躍するに違いありません。ああ、早くデータがみたい。加えて、今後、他のサーベイデータの質も政府統計を参照として、随分と問われてくるのではないでしょうか。いい方にも悪い方にも。とにかく素晴らしいと思います。ここに関わった方々、ご苦労様でした。
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イギリスでの医療政策学習に区切りをつけ、4月より日本で医療政策に関する研究と教育に従事することになりました。
働いていらっしゃる研究者の方々の政策への深い知見に加え、その人柄と研究への姿勢に魅かれ、私もそこで働きたいと考え決めました。地方や地域で実際に政策作成や実施に関わる方々の研修に関わることができることも魅力でした。なかなかない機会に、現在の所属には無理をいってお願いさせて頂いていますが、みんな「いってこい、頑張ってこい」と背中を押してくれました。
直前ですが、資源配分や医療供給推定の参考になるニーズアセスメントの相談について、GPの教授にアポイントを入れて、それが最後のイベントとなります。帰国直前には、英国GPの友人が(たまたまですが)うちに来てくれますので、素敵な日になりそうです。彼は先日、日本でも講演して来たようで、そのお土産話を楽しみにしています。思えば、この留学も、私が働いていた北海道の診療所に彼が来た時に、医局でじっくり私の話しを聞いてもらったのが大きなきっかけになっています。渡英して間もない頃に、ハイドパークを見下ろす彼のオフィスで、不安にちぢこまっていた私と家族を温かく迎えてくれたことを思い出します。
さあ、これから始まりです。精一杯頑張りたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。
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