「はーア。ナンで体重が減らんのやろ?」揺れる3段腹ナースQ。
「ムダ食いするからとちゃうか?手当たり次第、脇目も振らず」
「ですかねー。んでも、あたしって水を飲んでも太るタイプう(語尾上げで)」
「水飲んで太るんは、スポンジと自分で光合成するアメーバ(語尾上げで)」
「そんなアメーバって、居るんですか?」
「知らんけど、んじゃ地球外生物でもエエよ」
「ワケ分かりませんけど。んで、ナンで太るんやろ」
「簡単な計算やで、出るより入る方が多ければ余分なモンが残る」
「余分ねー。貯金が残れば、エエのにねー」
「背脂じゃ、金にもナランし」
「減らすのに金が要るのが体脂肪、みたいな。んでも、吸収が良いとか?」
「ウチの孫みたいな?」
「センセンとこのお孫さん、既にメタボ体型なんですウ」
「アホ言え、体型はバランスが良いって。検診のセンセが言うたらしい」
「んじゃ、ナンの吸収?」
「新しいことをどんどん覚えて、気イつけんと下手なこと言えんようになった。
脳みそが柔軟で、しかも吸収力が真新しいスポンジみたいに素晴らしい」
「その点センセは、30年使ったスポンジ」
「20歳過ぎるとフツーで1日に脳細胞が壊れる数が、10万とか20万とか。
ほろ酔いでも、その5倍とか10倍とか言う説がある。あんた、週3泥酔はヤバイで」
「既にスカスカかもオ。ど、どうしよ」
「あんたの脳みそは使い古した草履みたいに、水かけて搾ってもなーんも出ん」
「んまっ、失礼な」
「あんたのは、ホルマリン漬けした脳みそみたいなモンやね。高野豆腐並みイ」
「どうやったら、脳みそが柔らかくなりますかねー」
「外から揉んでも骨があるから、千枚通しで穴開けて。突っ込んで、かき混ぜる」
「なーるほど。んで、グジュグジュでドロドロ・・・で良いワケ無いでしょッ!」
突っ込みもボケも進歩が無くて新しいパターンを吸収しなきゃ!と思う、午後。
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「おろSさん元気イ?」
「元気なモンですか、還暦越えたら生きるんで必死」
「んでも、あと20年は寿命が」
「ワシら団塊の世代は、長生きできんでしょ」
「確かに、合成モンや農薬や洗剤に蝕まれてるモンなー。長生きできるはずが無い」
「そう言えば田んぼにドジョウが消えたでしょ。あれって、どうなんですウ」
「長生き出来んでも、天国ぐらい行きたいモンですねー」
「子供の頃に、ドジョウや蛙やトンボをどれだけ殺したか?
覚えてるでしょ。天国に行けるはずが無いでしょッ」
団塊同士の和やかな会話の余韻に浸る間もなく、会議室へ侵入。
「んじゃ、資料です」
<こんなに多くの!ナンで1週間前に配らんのや!舐めてんじゃねーぞ>
「いきなりこれじゃ・・・」
「読みますから」
<コラッ、目も脳みそもあるんじゃ。棒読み独演会かッ!>
「あのー、ポイントだけ押さえるんで充分です」
「んで3ページを」
<あんたと徹夜するほど、ヒマやないッ!>
「あのー、そこは関係無いんで次でエエでしょ」
「そうですかー、でも一応」
<おどりゃ、このドスが目に入らんか?ホンマは万年筆じゃけど>
「後で、ゆっくり読みますから」
「そうですかー、残念ですね-。んで、7ページ目。事務系に関わるんですけど」
<あっしには関わりのねーことで>
「そこは事務関係者だけで、読んだらエでしょ」
「んじゃ、仕方が無い。基本的に、今回の改訂は・・・」
<今更、総論かいッ!おうおう、親分の躾がなってねーぞ>
「総論は、事務長囲んでじっくり楽しんでくれますか」
「んじゃ、残りの30ページ。未だ十分に読み込んでないんですけど・・・」
<両方のメン玉、釘で突いたろかッ>
「んじゃ、じっくり読み込んでからにしたら?」
「色々予定が合って」
<あんたはナンボのモンじゃ!それほど偉いんか>
「中止じゃ無くて、少し延期で」
「連休がるから、その前に・・・」
<坊や、甘えてると泣きを見るぜ>
「緊急性は無いでしょ、これは」
「早く片付けたら楽でしょ」
<おいらの稼業も、楽じゃ無いんだぜ。シメられんとワカランか?>
「うーん、悩むな-」
「後はですね-・・・」
「んじゃ、この資料に書いてないことを喋ってくれますか?」
「大体この通りですけど」
<な、ナニい。ゼンブ書いて有るだけしか話すことが無いイ。
わりゃ、ワシに喧嘩売っとるんか。エエ根性しとるやないか。
血イ見んとワカランかッ!>
「んじゃ、これでお終いにしませんか」で撤収になったけど。
ナンで、こんなに本音と建て前のギャップがアブナイくらい大きいか?
昼食アンド筋トレ後の読書が、原因だったようだ。
”ヤクザ式、ビジネスの「土壇場」で心理戦に負けない技術”だ。
本のまま行動に移していたら、職場で天国には行けそうも無いなと思い。
貰った資料を元に挑戦状(質問状)を叩きつけ(提示し)、期限を切れば。
「センセッ」と、にじり寄ってくるのは想定内で。
「この件に関しては、あんたはプロ。ワシ、アマ。ナンでワシらにプレッシャかけん?」
「ヘッ」
想定外の攻めで意表を突いて手打ちとなったヤクザ風医師の、午後。
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今まで同居していたお年寄りの入院期間と家へ帰る難易度は、比例する。
しかも年齢と地域の過疎の具合が、さらに複雑化するから油断できない。
お世話に手を取ることが無ければ良いのだが、微妙な状態はビミョーだ。
「ヘッ。9、98歳ッ。嬉しいじゃないですか!」と演技的に驚いて見せるのも私流。
「ハア」
「立って見せて。ホウホウ、つかまり立ちは充分ね。こんな98歳、見たこと無い」
「ハア、そうですか」
「ふぇ、心音も呼吸音も素晴らしい。足の血行も良いし、首の血管も雑音無し。
大正生まれでも明治に近いと、心臓も強いんですよね-。流石」
「ハア、そうなんですか」
「自分でご飯が食べられて、曲がりなりにもある程度介助か見守りでトイレ。
そう言う方は、家が一番ですよねー」
「そうなりますか」
「そらそう、そうだもの。んで、このままお家へ帰っても大丈夫でしょうけど」
「もう帰っちゃうんですか、このまま」
「んじゃ、仕上げで1ヶ月。んで帰っちゃいましょうねー。イヤ、素晴らしい」
「そ、そうですね」
「施設なんか考えんでエエでしょ、結構お高いし。イヤ、素晴らしいおばあちゃんじゃ」
施設入所を思案していた家族も、褒めちぎり施設ぶっ飛ばし作戦に打ちのめされて。
取りあえずバッチャンの自宅で場所確保ができ、バッチャン笑顔に嫁ちょいうなだれる。
隙あらばと狙っていたかも知れない孫にはゴメンねだけど、あと10年は・・・。
「イヤイヤ。センセの演技、凄いわー」
「ナニがじゃ。ナニが演技じゃ、ナニがキムタク似じゃ、ナニがブラピ似じゃ」
「ハイハイ、お好きになさいませ。ハセキョン似のあたくしが、許しますわ」
時には臭い演技も必要な、朝。あーあ、またやっちゃった。
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「ヘッ、ヘッ。ヘック」
「センセ、センセッ。Rさんの風邪薬、忘れてるッ!」
「ウッ、ウー。んもー許さん。何処にも持って行けない、この不満感。ウー・・・」
「ナニか?あたしじゃ無いですよね-」
「ここにはあんたしか居らんッ!止めるな、クシャミ。鬼、悪魔ッ」
「コラコラ。可愛いあたしにインネン付けて、どうするどうする」
「んじゃ、Pさあーん。どうぞオ」で始まった外来。
インネンも無関係に、つつがなく終わろうとしていた時。
「へ、へ。ひゃっくしょい、ヒャックションっと」
カーテンから覗いたナースD。
「センセ、主任さんがスイマセンって」
「逆にイ。耳が痒いじゃろって、言うとってね」
「それだけですかア」
「充分よ。さて昼飯前にプチラウンドね」で消える。
渡り廊下は春風と共に、色んなモンを流して行くワケで。
「うひゃ、ウッ。ヒャックショイ、ヒャヒヤっくしょいッと」
「あ、MIHIセンセじゃろ。いま忙しいで、あたしはとりこんどる」
黄色いカーテンがちょっと膨らみ、ちょい揺れて紙がクシャクシャ音を立てている。
「ヘ、ヒャック」
「センセ、花粉症?」ナースB。
「んにゃ、ナースアレルギー性鼻炎」
「クシュッで、そのままMIHIセンセにお返ししますわ。んで、Sさんおトイレ中ウ」
「あ、そう言う事ね。ヒャヒャックショイっと」
「センセも大変じゃの、花粉で。あたしはドクロで、大変じゃ」
「ハア?ドクロっちゃ、髑髏っつーか、頭蓋骨う?」
「どらどら、あらら回っとるな」
「頭蓋骨は目や耳が無いから、回らんじゃろ?」
「センセッ。ドクロじゃ無くて、巻いてるトグロッ!」背中から突っ込むナースB。
とぐろを巻いているのは、ポータブルトイレの底に鎮座する薫り高き放出物らしい。
濁点の位置がずれると大違いの、午後。
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「そうですねー、今のままなら1ヶ月後が想像できますねー」
「んで、食事が入らないからって。胃瘻までは・・・」
「確かに、高齢で認知症がある方に胃瘻は生命予後を悪くするって」
「あ、そうなんですか」
「ハイ。そう言う文献、英語も日本語も。ご覧になります?あ、ご不要」
「すると、うちのばあちゃんは?」
「取りあえず、口腔ケアと嚥下のトレーニングに励み。運がよければ・・・」
「運ですか」
「んじゃ、生命力でも良いんですけど。パワーが残っていたら、栄養を口から」
「ダメなら?」
「口から入るだけで様子を見ると言うか、穏やかに看取るので宜しいですか?」
「うーん・・・」
「んじゃ、ご自分だったらどうして欲しいですか?その辺りで、考えられれば?
浮腫んで来ると、何度も点滴刺し変えたりして」
「そんな事されたら、イヤですねー。ナンもしないでエエ」
「自分にされたくないことを、大事なお母さんにされるんですか?」
「それは・・・。そうですねー。センセの方針で、オネガイします」
「ボクがされたくないことを、大切な患者さんにしたくないだけで」
いつもの入院時の覚悟と決断を迫り、一息ついてみれば30分経過。
あーあ、またやっちゃったなー。こんな辛い話を何時まで続けるんだろ?と思いつつ。
浮腫んだら利尿剤で水分減って点滴増やす悪行前に、若いセンセからジジイ医紹介に安堵。
昼食前にプチラウンドすれば、押されながら前を横切る車いす1台。
「あー、Kさんじゃ。こんな所でナニしとるんね?」そのまま手を握る。
「キャー、MIHIセンセじゃ。キャー」
「ナニって、ディケアで。病棟でおトイレ」
「嬉しい、手エを繋いでディルームまで」
「エエよしかしKさん、若くなった?」
「ヤですよ、この婆さんつかまえて。若いだなんて。で、幾つ若返ったワケ?」
「んまー、30くらい」
「んじゃ、63に見えるんでしょうか?やだもう、センセったら」
あーあ、またやっちゃったな-。こう言う台詞が脳みそ使わずに出るからなー。
「ウンッっとこ」
「おろ?お女中、手助けいたそう」
「あー、センセ。優しいイー」
「なんのこれしき、ホイホイっと。なんせ、Gさんがフアンなんで」
「ヤダー、ファンなんて。この、正直者オ。んでも、センセ。日本語ヘン」
「が、ファンじゃのーて。の、ファンでしょ?ファンの発音ヘンだし」
「カリフォルニア訛りがきつかったか、1週間滞在経験ありじゃから」
「それに、あたしはGじゃありませんけどオ」
あーあ、またやっちゃったな。あだ名じゃったら直ぐ出るのに、ホントの名前がなー。
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「命をかけて、政治声明をかけて取り組む所存であります」なんて、何度聞いたことか。
それも同じ政治kがしょっちゅう言うんだから、スペアの命をどれだけ持っているんだか。
どうも、「命」という言葉を軽く扱いすぎていないか?と不愉快に思う。
「イノチッ!」なんてポーズする漫才師が居たけど、最近見ませんねー。
定番の「人間1回は死ななきゃナランから、あとはどう死ぬかが大問題で」の台詞。
還暦を過ぎるとこれを言いながら、自分に跳ね返ってきて内心穏やかでは居られない。
私がお相手させて貰ってる患者さんの平均年齢は、恐らく70歳を超えているはずで。
今抱えている「終末期の緩和ケアというか、穏やかな看取り」問題に、日々思いを巡らせ。
「人間の終末期って何時?」を、はっきりくっきり定義しなければならないのだが。
文献的には日常生活動作が、一般的な言葉で言えば。
「ベッド上で、自分独りで寝返りが打てない状況になって。
リハビリをしても、介助で車いすに移動で着るまでに回復でいない時」
業界的に言えば、「日常生活動作(ADL)が、Cになりリハビリを行って。
Bレベルまで回復できない時」という見方があるらしい。
意識レベルや基礎疾患もあるので、これだけでOKと言う訳には行かないが。
例えば奥の手みたいな、想定も出来ない「奥の命」も有るんじゃないの?
そう思うと軽く考えてはいけないネ!と身を引き締める、午後。
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新聞報道によれば、医局のセンセが裁判員になった裁判は検察より1年多い懲役とか。
人が人を裁くと言うことはどれだけ大変で、他人の人生を変えてしまう難しさ。
沖縄問題が絡んだ裁判を巡るTVドラマが終わって、何かしら考えさせられるモノがあった。
身近な人が沖縄に住んでいる関係上、他人事とは思えず。
尖閣列島で赤い船長が体当たりしてきたり、調査船がウロチョロしたり。
それでも笑顔で大して文句も言えず、何事も無かったように押し切る政治家。
赤い国は「自分が良ければ、全て良し」だから、言わなきゃワカラン。
黙ってりゃつけあげって言いたい放題したい放題で、エエのん?
赤い国に舐められない為に原潜5台で回遊させればOKって、ホント?
じゃったら、原発の代わりに原潜を物作り大国で作れば産業の活性化に繋がるし。
赤い国の侵略もはね除けられて、米軍が出ていっても不安が少ない。
そのためになら消費税を上げても、ボク的に許しちゃうけど。
ワシが後ろから見てるから、ジャングルの中をパンツ一丁で歩けって言われても。
猛獣に襲われたら間に合わんでしょ、守るのは自分でしょ。
確かにそれが突き進みすぎると、将軍様の国になるかも知れんけど。
赤い国にも星だらけの国にも舐められんためにはどうすれば?と悩む、午後。
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「な、な、なんですかッ!」
「モーニン、今日は宜しくお付き合いを」
「お早うございます。んで、ナニしてるんですか?夜店のシミュレーション?」
「ハイハイ。ご用とお急ぎでない方は、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
そこの古手のお嬢さん、エエのんがありまっせ」
「古手だけ余計ですッ!確かにお嬢だけど。んで、これ?」
「あ、これね。論文の考案プロット用に、並べてる文献ちゃん達。
ハイ、整列ッと」
「ホウホウ。やっぱ、日本語が多いですわね」
「そらあんた、終末期高齢日本人の緩和ケアパスじゃから。当然でしょッ」
「そらセンセ。日本語しか書けないし、なによりコテコテ日本人じゃから」
「まあ、そう言う見方もある」
「それしか無いでしょッ。んでメンテのおばちゃん達が、怖がって」
「んじゃから、スッピンは止しなさいって」
「コラコラ、この音。医局から、男女取り混ぜて悲鳴みたいなんが聞こえて怖いって」
「歌詞がイタリア語じゃから、凄味があってエエんよねー。ゾクゾクしてくるわ」
「犯人は、センセって分かってましたけど。んで、これはナンのお祈りの歌?」
「グレイテスト・オペラCD5枚組み、\7980でよろしかったでしょうかア」
「センセに似合わんオペラ(語尾上げで)」
「怖さ100倍にキャーで、似合う婦長さん(語尾上げで)」
「意味不明ですけど。ラウンドして参りますわ、ここに居たらオカシくなりそうで」
「ナニを今更、既にオカシイッ」を聞く前に姿は無く、医局はオペラホールと化す。
構想7ヶ月、脳みその中でプロット3ヶ月、集まった文献をプロットに合わせて重ねる。
モデル症例も1例を残すだけになり、これが定年まで残すところ3年で仕上げる卒業試験?
CDに呼応して叫ぶ「マンマ・ソルタント・ペリーチェえー」の、朝。
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「センセ、この患者さん。2段脈なんで心電図をとったけど、診てくれん?
んでこの心電図、患者さんに説明して貰ってエエですか」
「エエっすヨー。じゃ、どうぞオー」
「心配だわア、困ったわア、不安だわア。センセ、あたし死ぬんですか?」
「これでどうやって死ぬワケ、死ねんナーこんなんじゃ」
「んでも心電図。どうなんでしょ、あたしって」
「しかし流石やねー、院長センセ」
「あ、やっぱ死ぬんだ」
「ちょいちょい、これはVさんの心臓がせっかちで。スイッチが、早すぎイ」
「心電図で、性格まで分かっちゃうんですウ。あら、ヤダ」
「一応診断は、多発性上室性期外収縮じゃけど。んで、今は落ち着いてるやん」
「MIHIセンセの前じゃ、落ち着くんだ」ナーWス突っ込む。
「やっぱ、イケメンの院長センセの前じゃ緊張(語尾上げで)」追い打ちナースD。
「そらそうですよ、院長センセだもの」
「んじゃワシは、どうしてくれるんよ?」
「MIHIセンセの前で、緊張するワケ無いでしょッ」
「緊張はせんでもエエけど、イケメンの評価はどうしてくれるんよ」
「カッカッ、あたし笑っちゃうわ。MIHIセンセの前じゃ」
「笑うほど、ワシってキムタク似とか?」
「悪いご冗談は、お止し遊ばせ」
「んで、脈は・・・。飛んでないなー、飛び跳ねもスキップも無いしイ。
んでもVさんは、院長センセの前で心臓が飛び跳ねたんだ」
「ま、そう言う事ですわね。センセの前なら、足が飛び跳ねてスキップ(語尾上げで)」
トイレの消臭剤みたいな臭いを振りまいてスキップしそうなVさんの、午後。
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「ヘッ、指先から糸オ。ワシ、ゼッタイみたい。太さと色は?臭いは?何m?」
「んで、こう両手を挟んで・・・手のひらが温くなってきません?」
「じんわり冷えては来たけど、温くはゼンゼン。鈍いんじゃろか」
「両手で挟んで移動させると、体の中で悪いところが分かる」
「ちょ、ちょっと。んじゃ、Qさんの頭のCT撮らんでもエエやんか。
被爆はせんのやろ、手エだけじゃモンな。安上がりで、楽で」
「イヤ、イヤ。私のCTは、オネガイします」
「んでも。自分の手で頭を挟んで、あっちゃこっちゃ移動させればエエんじゃろ?
紹介状を書く手間が省けたで」
「イエ、私の紹介状だけはオネガイします。んじゃ、センセの手を出してみてください」
「こんな手でエかったら、ホレ。奥の手っちゅーのも有るけど。あ、それは使えん!」
「だんだん熱くなって、ナンか感じません?」
「貴方の指が手のひらに当たって、ミョーな感じはありますけどネ」
「それです、それッ」
「んでも、それならワシの太い指でも出来まっせ」
「センセ、気功を勉強された?」
「キコウでも、怪しい動きの奇行なら得意ですけど」
「ちょッと違うような・・・」
「お天気も気候、亀の背中は亀甲で似てるけど・・・」
「私、頭がヘンになりそうな」
「んじゃ、ワシのよーく揉んだ気でなんとかしましょうか?」
「気は、揉むんじゃ無いんですけど・・・」
「オヤジが宴会でやる、揉み手みたいな」
「ツマミと汗で、手のひらがネチョネチョしてるんですね。それで揉む」
「時々、食べた納豆が付いて糸を引いたりして。もしかして、Qさんって納豆好き?」
「それは、あたしの指から出る気とは・・・」
「揉めば揉むほど、糸を引く。まるで貴方は納豆、みたいな」
尖閣付近を彷徨く赤い国の調査船を気功でぶっ飛ばしたら信じるかもオの、午後。
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