「あたし、もう疲れたわ。昨日」
「深夜じゃったん?」
「それなんか、楽勝。がっこのセンセと面談よ、最悪ウ」
「んで?」
「授業中。後を向いたり、横突っついたり。ゼンゼン落ち着きが無いって」
<ビクッ>
「んで、走るのは遅いわ。給食食べるの、早すぎるわ。5分よー、5分」
<ビクッ>
「しかも、ちょっと何かさせても汗グッチョ。どうなんやろ」
<ビクッ>
「なかなか可愛い、末は博士か医者か。素敵な、お坊ちゃまじゃ。あ、お嬢ね!」
「先が思い遣られるわア、はアー。ほら、なんたら言うでしょ。あたし燃えカス・・・」
「あんた焼いても、脂身がとろけて。なーんも残らんやろ、ジュウジュウ音はあるけど」
「それは、確かにそうですけど・・・んじゃなくてエ」
「ワシなんか。6年生まで、授業中バックとサイド専門。んでも、この通り。医学博士」
「意味分かりませんけどオ。あれだけ塾へ通わせて、宿題は付きっきりで。疲れます」
「んで、カスって?」
「なんじゃったかなー、燃えカス・・・症候群(語尾上げで)」
「んだから、カスは残らんっちゃ。あ、それって燃えつき症候群か?」
「あ、それ。その症候群」
噂のお嬢の生態はまさに小学時代のMIHIセンセだった、午後。
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「ちょ、ちょっとな」
「コラッ!まだまだ、撤収は早いッ」
「あの、シッ・・・」
「んだから、新しいカルテが」
「んで、シッ・・・」
「ナンで、聞き分けが無いかなー」
両手を開いて仁王立ち、逆さ「太」字のナースY。
「あのさ、漏らしてエエ?」
「ナニを漏らす・・・あ、そうならそうと」
「んだからア、遠慮がちに言ってんじゃん」
「んもー、お早くお帰りを」
すっきりして帰れば、外科外来から聞こえる「ンアー」。
「あれ、ナニ?」
「熱出して、シッコが赤いって。受診」
「センセ、これって肺炎無いですよね。レントゲン」
「無いんじゃないですか、やっぱ。んでも胸の音聞いてもエエですウ?」
「あ、よろしく」
「んでセンセ。皮膚つまんで、先ず脱水症・・と。んで聴診と腹部はOKと。
やっぱ、脱水症と出血性膀胱炎とちゃいますかア」
「脱水ねー、ボクと変わらん皮膚ツマミ心地」
「あー、つまんだら。センセも、脱水症みたいな」
「飲んでますよー、水分」
「ジジイになって、水を蓄える細胞が減ったんじゃ?細胞内液減少も老化現象」
「ヤなこと言いますねー。センセより、2つ上だけでしょ」
「ボクなんか。水は弾いて、つまめばプリンプリン」
「ただの脂性と肥満じゃ?ジジイでもそれなら・・・」
2歳の違いが出たと思った、午後。
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「センセ、Pさん急変ですッ!」の電話に、「ラジャッ」ですっ飛んで行く。
20分前に「飯食うてリハビリして、早く家へ帰ろうや」に「そうやの」が過ぎる。
ほっぺたを叩こうが胸を捻ろうが、耳元で「Pさん起きんと」の叫びにも無反応。
「あららー、脳梗塞再発作じゃないのー。点滴いッ!バイタルッ」
「血圧と脈はいつもと同じですッ、110の70。脈65」
「ちょっと速めに、点滴」
「Pさーん。妹さん、呼んだよー」のナースにも無反応。
「Pさーん」と言いつつほっぺ叩くやら、胸を捻り上げる私。
30分後に「ふーん」と声が出て、「分かる?」に「当たり前じゃ」。
「何があったんじゃ?」
「さっきのこと、ワカランじゃった?」
「さっきっちゃ、ナンの?」
「イヤ、エエ。Pさんはワシと同じ歳じゃから、簡単に死んでもろうちゃイカン」
「ヘッ、ワシが死にかけた?」
「瞳孔は4.5mm、懐中電気の光りに反応無しじゃったんよ。どらどら」
「ま、眩しいがね」
「今はフツー」
「フツーやないで、胸のこことここが痛いが。あ、ここも」
「あ、そことそこは気にしないでエエんよ。こっちの都合で」
訴える痛みの場所と、捻られて出来た軽い皮下出血とがゼンブ一致。
「エエ方の手エも動くな、んで足も。前から有る麻痺は、変わらんし。んじゃ、またな」
再発した心筋梗塞?に脳梗塞を併発(心脳梗塞)?と、心電図を診ているステーション。
「センセ、結局ナニ?」
「TIA(一過性脳虚血発作)もどき?それか、一旦詰まった血栓が末梢へ飛んだ?」
「今は、腹減ったって」に冷や汗引いて、渡り廊下の前を行く2人をのんびり追う。
「あんたア、Dさん。知っとろうが?」
「ナニ言うとるんね。Dさんちゃ、死んだがね」
「んじゃ、Sさんは元気よな?」
「ナニ言うとるんね、Sさんも死んだがね。3年前」
「そうやったかいの、年賀状もろうたような。んじゃ、Kさんくらい生きとろう?」
「先月入院して、死にかけちょるけど。ま、来月くらいじゃろ」
「ナンであたしら、こんなに長生きするんじゃろ。あんたもう89じゃろ?」
「バカ言いなさんな、あんたと同級じゃから93いね」
「ナニをバカなこと、あたしゃ79じゃ」
たやすく友達を殺す人生の先輩2ババは長生きしそうな、午後。
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「センセ、Pさんの抗生剤。前回、大丈夫だったから・・・今回も」
「アホ言え、2度目が恐い抗生剤。深夜がチョー恐い、スッピンのあんた」
「な、なんてことを言っちゃってくれちゃって。しかも、アホなんて」
「そこで、キレないコツを伝授しようじゃないの」
「キレ過ぎのセンセにだけは、教わりたくないコツですけど。んで?」
「美貌に文句を付けられて、ムカッとした時。ムカッとしたに、”と思った”を付ける」
「それだけですかア、ホントにイ。と、不審に思った・・・。あら!ホント」
「そうなんよ、それを付け加えただけで肩から力がふぬけて。ポヤーンと」
「アホクサ・・・”と思った”。あら!ホント。これって、センセがあみ出した?」
「情報番組で、どっかのセンセが言うとった。くよくよしたり、腹が立ったり。
はけ口が何処にもなくて、どうしようもない時にしなさいって」
「んで、最近ちょっとだけキレなくなったMIHIセンセなんですね」
「おうよ。ムカーッ、おどりゃアホかッ!千枚通しを鼻の穴に突っ込むド!と思ったとか。
あんたの目はイボ蛙のイボかッ!ニッパーでこじ開けたろかッ!と思った、みたいな」
「おうおう、やれるモンならやってみんかいッ!と思った、でエエんですね?」
「3段腹隠したって隠し切れんぞッ!諦めて、お縄を頂戴しなさいッ!と思ったとか?」
「バカ言っちゃイケナイわ、5段だわさ。センセにだけは言われたくないッ!と思った」
「ナンか、だんだんムカムカしてきたけど。後に引けないなと思った」
「あたしも、青筋3本だわさッ。命がけよ、ムカッ!と思った」
「ナンか疲れん?と思った」
「夜勤の疲れがどっと出て、帰って酒飲んで充電しなくちゃと思った」
”と思った”は効果はあるけど、かなり疲れるらしいことが分かった午前。
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「センセ、ちょっとエエですか?悩んでるんですけど」
<金と女の悩みじゃ無ければ・・・>風の目つき。
「あの、昨日の会議。クライアントの数が減った言い訳、あれでエエんですか?」
「エエって?」
「各部署のトップが、言い訳だけで。聞く方も、ああそうなんだなんて。アホくさ」
「アホはちょっと・・・」
「それで済むなら警察は要らん・・・。あ、トップは要らんでした。
んで、こう言う戦略で、こうしたらこうなった。それがトップの言い方でしょ?」
「確かに」
「最近は誉めて伸ばすって言いますけど、ボクなんか体育会系ノリで鍛えられてるから。
苦手なんですよ、誉めてのばすの。コーモンが痒くなって」
「黒い腹の中に、虫でも飼ってるんじゃ・・・」
「んで、思いっきり突っ込んでもエエんですか。ああ言う場合」
「いかようにでも、突っ込んじゃって下さい。ぐいぐい」
「突っ込んだ途端に泣かれたら、ボクが凄い悪者じゃないですか。
イヤですよ。闇夜の帰り道で、ブスブスッと刺されるとかは」
「そこまでする訳は無いけど、タブン。ボクは、正義の味方の方が好きですから」
「ボクだって、月光仮面の方が・・・。んじゃ、突っつき廻してもエエですね?」
「お平らに、オネガイします」
「んでも、やっぱ正義の味方の方がタイプなんですけどオ」
「イヤ、お似合いですよ」
「あっちの施設の会議は、突っ込みすぎて外されました」
「外されたってですか?」
「ボクが出られそうに無い時間帯に、会議が始まるんですよ」
「そう言う作戦もエエですね、センセの場合は」
また火中の栗を拾って嫌われモンになりそうな、午後。
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「センセ、この心電図」
「あららー、脈が38とは。トホホですねー、意識有ります?あ、ボーッとしてる。
直ちに参ります」
97歳女性、脳梗塞で寝たきりのPさんは大あくび。
「分かるウ、ワシ」
「ふぁ?あ、隣のRさんのセンセ」
「そこまで分かれば十分じゃ、んで点滴するし。この薬も飲んでね」
30分後の筋電図が消えた心電図は、完全房室ブロック。
「電気で動いてる心臓の電流が具合悪いんですわ。フツーは電池入れるんですけど」
「単3とかの?」
息子さんの脳みそは?が3つ4つ。
「イヤ、ペースメーカーって言うんですけど。運がよければ、この飲み薬が効くかも?」
「そっちで行っちゃって下さい、あと何年生きられるかワカランし。もうエエです」
「んじゃ、ジワーッと薬使ってみますね」
「ばあちゃん、あんまり運がエエ方じゃ無いけど・・・」
その3時間後に脈は42-43で固定して、「ご飯おくれ、喉渇いた」で落ち着いた。
「センセ、外来から電話」
「そう言う不幸の電話には居留守やで。居らんって」
「コラあーって、言ってますけど」
「電話線が切れるくらい、もっと言わせてね」
「ナンか焦ってるみたい。ヘッ、脈が170ウですって」
「そらイカン、ぶっ飛びで参上じゃっ」で外来。
「センセ、死ぬんじゃ?」
青ざめた女性が、車いすに座って見上げている。
「ナンで車いす?」
「動悸うって、心電図をとったら脈が169。重症でしょ?んで、車いす」ナースS。
「甘えちゃイカン。無駄なことセンと、この椅子に座りなさい」
「む、ムダってですか?んでも、検査の方が歩いちゃイケンて。あたし死ぬんじゃ?」
「あ、この心電図ね。悪りいけど、これじゃ死ねん。看護婦さーん、氷水う。
網膜剥離するぐらい、面玉グリグリ押さえるんもあるけど。あ、止めて。んじゃ氷水」
「な、ナンで氷水?」
胸を指さして「パットや」。
「キャッ、ナンで分かるかナー。パットって」
「そら心電図とか、話を聞けば。ワシって、一応は循環器崩れ」
「そーとー、崩れてません。ハイ、氷水」
「んじゃ、これを一気に飲んで。その後、思いっきり息を吸い込んで止めるウ。力むウ」
「ウウグウグ。クーッ・・・・プハッ」
「どうや、止まった?」
「んーまだ、走った後みたいな」
「仕事は?あ、真っ最中。んじゃ、仕事して。2時間後に治らなかったらおいでよ。

ちょっと減って147じゃね、脈。ヘンな薬飲まんでも、アカンかったら注射で止める」
その2時間後、覗き込む外来。
「ナンですか、あたしのストーカーしてんじゃ?」
「それほど悪趣味じゃ無いけど、パットの」
「んだからア。偽物に見えるけど、多少は本物が詰まってんの。ヤダ、もー」
「あんたのパットの話じゃ無くて、パットの女性(ひと)なんか連絡あった?
あ、無い。んじゃ、治ったんだ。パット」
「どうしようも無いですねー、あたしのパット」
パットとは発作性上室性頻脈の略だった、午後。
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「んでさ、今日のデスカンファを元に看護研究しかないで。即ち、来年の研究大会やね」
「だ、誰が?センセがでしょー。ウッソー」
「ワシは医者、あんたは看護師。看護研究っちゃ、看護師が中心やッ!」
「えー、誰が。何処で、何時、ナンであたしが」
「うっせい、黙って聞くんじゃッ。脳みそ使え、筋肉鍛えろ、脂を燃やせッ!」
「ええい。そっくりそのまま、ご返杯ッ!」
「あんたらがヤランかったら、ワシがやるで。早いモン勝ちや」
「遅くて嬉しい、発表外せばなお嬉しい。みたいな」
「あーあー、そう言う事ね。よー分かりました、1等賞貰っても分けてあげないかんね。
んじゃ、デスカンファお終いッ」
その足で、研究大会担当に直行。
「あのさ、来年の研究大会。ワシ演題出すから、1ヶ空けとってね」
「こないだ終わったバッカで、もう来年とは。ブタも高笑い」
「今から練って2ヶ月もあれば完成じゃ、楽勝やで。既に、テーマは決めてあって。
我々のケアで、高齢末期患者の”まほろばになれるか?”やで。
エエなー、ナンかコーフンせん?」
「あ、ゼンゼン」
「鈍いんちゃう?んで、副題が”高齢者末期患者の緩和ケアパスの試み”や」
「そっちは、結構フツー」
「んーもー。ボーボー、燃えるね。ファイヤッ!」
既に幾つかの文献を読破して、脳みその中でプロットが出来つつあったし。
追加文献を読むのにはちょうど良い”尻叩き”だから、更にかき集める文献。
つい自らすすんで病院の火中の栗をつまみ上げた、午後。
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「Iさん、これでエエ?NSTの検査オーダー用紙」
「・・・」
「あんた、Iさんじゃったよな?マリリンじゃったっけ?」
「はア?あ、あたしに?」
「そう、あんた」
「センセは、あたしの名前を知ってたんですね」
「うろ覚えで。まさか、コメニチコフスキーじゃないよな?」
「何処の国ですか、その名前の人は」
「もしかして、歳をさば読んで。ちゃん付けじゃないと、返事せんみたいな」
「あたし、センセから名前で呼ばれたの初めてかも。すっごい新鮮」
「すっごい緊張ウ」
「んじゃ、みんなの名前知ってんだ」
「そらそ、当たり前だのクラッカー」
「んじゃ、あたしの名前は?」いきなり突っ込むナースD。
「Kさんじゃろ、んであっちがヌリカベじゃから・・・Mさん」
「凄いじゃないですか、んじゃ、いま入ってきたのは?」
「ウッ、んーと。ヒラメ・・・じゃなくてエ。平安朝じゃから、Vさん」
「何か、名前を言う前にミョーなこと言いませんでした?」
「べつに、気にしないでね。ゼンゼン、皆目」
「んじゃ、出ていったのは?」
「んーと、んーと。モアイじゃから・・・Bさん」
「いちいち。何とかじゃからって言うのは、何で?」
「同姓同名なら、一本松のKさんって。昔はそう呼んでた」
「明治ですか、大正ですか?」
「んだから、あんたならさしずめ3段腹のPさんか?」
「ナンか納得行かないワ、パターンを変えて呼んで頂ければ」
「んじゃ、153・75ってのは?」
「ナンで、あたしのボディの秘密を?」
「ただの番号じゃって、身長体重じゃ無いっての。名前を呼ばずに」
「そう言えば最近、病院じゃ患者さんを様付けで呼ばなくなりましたね」
「個人情報保護と国民背番号。屁の39873番さんとか。みんな番号で呼び合ったりして」
屁の39873番とだけは呼ばれたくない、午後。
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「こ、コラッ。ナンであたしと目が合って、後ずさりするウ」
「あ、見えた?」
「メタボ体があんだけ動いたら、見たくなくても見えるでしょッ」
「んで、Zさん。ご飯食べた?」
「お粥1匙で、腹一杯って」
「あんたと、変わって貰ったらエエのに」
「そうなんですよ、あたしなんか丼3杯で腹八分目・・・大きなお世話ッ」
「んで、Zさんに」
「あららー、コラーゲンゼリー。しかもチョコ味なんて、豪華なあたし好み」
「メーカーさんが来たから、頼んであったんよ。んで、今日」
「んじゃ、スプーンお持ちしますわね」
「食べてくれるやろか?」
「あたしなら、喜んで味見」
「あんた以外で、オネガイします」
「んじゃ、Zさあーん。MIHIセンセが美味しいゼリーを貰ったんですって」
「要らん」
「ま、そう言わず。一口だけでも、オネガイします」
「んじゃ、一口」
「ハイハイ、そう来なくっちゃね。今が半口ね」
「もうエエ、要らん」
「あと半口残ってるやん、後生だから。オネガイッ」
「んじゃ・・・」
「ホレ、美味しいやろー。すんごく。で、やっと半口」
「も、もう要らん」
「残りの半口行っちゃったら、ワシ消えるから。消える前に、半口」
「消えるんじゃったら、ウグウググ」
「あららー、5分の1残っちゃった。これで最後かな、それとも・・・」
「し、死ぬウー。ワシを殺す気かー」
「センセが食介(食事介助)すると、1口が4口になるんですね-」
「ワシって、隠れカリスマ食介医師って。知ってた?」
「あたしも、隠れファンなんですけどオ。ベンピョンジュンの」
「死ぬまで、隠れていなさいネ。ワシはあんたの、隠れふあん」
「ファンなんて、ヤダ」
「不安で、ヤダ」
往年の隠れカリスマ食介医師もなすすべが無く隠れる、病棟の午後。
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「か、還付金?ナンの?そう言う話は、信用しませんッ!」
「ナンですか、いつも温厚な・・・<でもないか>」
「イヤ、還付金の手続きに費用が発生するって」
「メチャメチャ怪しいじゃ無いですか、んで?」
「んで、思わずああ言うことに」
「もうちょっと詳しく聞いて、騙された風を装ってからかうってのは?」
「しかしあれだけ世間を騒がせてんのに、未だ騙される人、居るんですかねー」
「ウチは、架空請求葉書3枚しか来んじゃった。電話は、飲み屋の間違い電話1回だけで」
「ウチは、娘婿の・・・」
「結構あるモンですねー、苦労してるんだ。ヤツらも」
「そう言う意味じゃ、MIHIセンセみたいな内科医は素質があるような」
「聞き捨てなりませんけど、案外当たっているような」
「でしょ。この間の、Wさんのムンテラ。横で聞いてたら、だんだんそうかもオと」
「真実を積み重ねて、時々はしょって。家族には、カットした部分を中心に」
「それを、二枚舌って言うんじゃ?」
「それは誤解でしょ。本人に35%、家族に65%。足したら100パー。ウソ偽りなく」
「既にそこでやっちゃってるモンなー、天然の詐欺師」
「んでも、98歳にもなって。あんたは癌で、転移しまくり何て言えるかなー」
「だからって、慢性腫瘍は無いでしょッ」
「経過は慢性で、悪性かどうかは触れずに腫瘍。何処か間違いとか、ウソ有りますウ」
「で、慢性腫瘍詐欺ですか」
どうしても私を詐欺師にしたい、午後。
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