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2009.07.04 18:50 |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  趣味  |  その他(一般)  |  毒とるMIHI  | 推薦数 : 0

入院と退院

 入院と来れば、その形は色々あるがいつかは退院しなくてはならない。
お年寄りの場合は入院日より、退院日の決定権は殆どないと言って良い。

「センセ。Pさんなんですけどオ、帰りたいって」
「ワシの担当じゃないしイ、今日はお休みで。主治医のセンセもいないし」
「顔だけでも見てあげてもらえませんか?」

「顔をじっと見つめて帰っちゃイヤーん、なんて言えばエエわけ?」
「センセがそれ言ったら、みんな帰っちゃでしょッ!」
「ものは言いよう、アホは使いようって。ご先祖さんだって、言ってるでしょッ!」

「あんたのご先祖って、オラウータンの?」
「私の場合は、卑弥呼でしょ。美白、ほっそり面長の」
「どっか途中で、突然変異したか?無い物ねだりの妄想か?」

「まんまですッ!そんなことどっちでも良いから、Pさん、Pさん」
「ラジャッ!」で病棟へ行けば、何やら話し声が聞こえる。
ステーションの椅子に座ってるPさんを、取り囲んだスタッフは腕組み。

「もうこんな所にゃ居れん、帰るッ!」
「んでも、息子さん東京やろ?今から来て貰っても、真夜中じゃけど」
「ワシ一人で帰るッ、タクシー呼んでおくれ」

 住み慣れた環境から隔離されて始める入院生活は、お年寄りにとって異国生活に近い。
骨折して手術を受けやっと歩ける程度でも、自分一人で何とか出来ると思いたいようで。
リハビリの意味が理解出来ない(実感として感じたくない?)ことが多い。

 家族が近くにいて毎日お見舞いがあり、そのうち退院の可能性があっても。
ちょと油断するとお見舞いの回数が減って、3ヶ月もすると帰る場所が無くなってしまう。
その頃には患者さんは帰る気が失せ始め、入院生活の中で楽しみを見出す努力が始まる。

 女性患者さんだと、それぞれがお気に入りのイケメン若者を決めて。
写真を飾るやら、そのスタッフが休みだとミョーな言い訳してリハビリを休んだり。
いつまで経っても女性というのは色気があるんだなと思いつつ、つい参加したくなって。

「ワシは?」
「センセはどうでもエエ、関係ない」

 そんなことを言われると、イケメンスタッフにムラムラと競争心が湧いてくる私。
言っておきますが、それは色気とは全く関係ない次元の問題ですから。念のため。

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