「キャー、痛いんじゃろ?」
「痛いけど、大したことはないで。今日は、ボクで31人目や。こっちへおいで」
「そうよ、このセンセは自分で注射するんだから」
「ヘッ。自分で打って、痛くないん?」
「そら多少は痛いけど、痛くても自分のせいやから。諦めがつくやろ?」
「うっそー、ゼッタイうそやー。証拠は?」
「ホレここに。小学2年生でも、証拠なんて言葉知っとるんか。しかし、凄いな」
「ゼンゼン、母ちゃんのへそくりの隠し場所も知ってるし。お父ちゃんの秘密だって」
「ちょっ、ちょっと。その秘密って、ナニッ!」参入する付き添いの母はスタッフ。
「ケータイに、女の人の名前が付いたメルアドが7つあったけど。あれはナニ?」
「でもこの間ケータイを見ようと思ったら、どうやっても中が見られんかったけど」
「あんなん楽勝オ、パスワードなんて直ぐ分かるモン。お父ちゃんは単純じゃから」
「Wちゃん、帰りにナンでも好きなモン買ってあげるから。教えなさいッ」
「一応、お父ちゃんと検討してからにするわ」
「ハイハイ、そこまで。じゃあ、注射行くで」
「痛くないようにね」
「注射が痛くなかったら、オカシイやろ。このくらいは痛いで」
太もも摘んで「イテッ」と言った瞬間に、ナースが摘んだところへブチュ。
「アッ」の一声と、「ハイ終了うッ」は2秒差。
「おー、イテえー」
「ごじゃごじゃ言ってないで、帰ってエエよ」で、静寂が戻る午後の外来。
「ナンか、もの足りんなー。病棟に電話したろ。ハイもっしー。
インフルする人はいねがー、ワシが主治医じゃなくてもエエから」
「センセ、なんか燃えてますねー」
「ボーボー燃えてるみたいで、ケツから煙が」
「それは煙じゃなくて、オナラじゃ?」
「インフルさせて貰える患者さんはいねがー。インフルまだの患者さんはいねがアー。
ヘッ、マルハゲみたいって?そらあんたイヤミやで、ズルハゲ・・じゃなくて。
・・・ナマハゲやッ。5分で参上うッ」
「まいど、出張インフルでござい。ヘッヘ」
揉み手スリスリで、ステーション侵入するMIHIセンセ。
「センセ、ホントヒマなんですね」
「お馬鹿言わない、奉仕精神が溢れまくりと言ってね。スタッフうのインフルもエエで」
「何処に打つんですう、センセは?」
「何処って言われれば、ケツとか脳天と答える返しの速さ」
「やっぱ、Lセンセの外来でして貰おうっと」
インフルでも信用のない、MIHIセンセじゃった。
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