電話嫌いのMIHIセンセは、出来ることなら電波をシールド出来る網をかぶりたい気分。
「センセ、ケータイの電源入ってますウ?」
「当たり前やないか、電池が勿体ないから。しょっちゅうエコしてる、素敵なあたし」
「エコしてると言うことは、電源は入れてない?」
「電源を入れて無いとも言うけど、それが分かればマル虫の脳並みイ」
「せめてブタかカバでオネガイします。んで、スイッチ入れるッ!」
「ふぁーい、嫌やなー」
秋も真っ盛りだというのに、半袖シャツにブレザー白衣を羽織れば汗グッチョ。
回診が終わってカルテを書き始めるときには、「ふぃー、あぢぢじゃねー」脱いでポイッ。
ポッケの中から色んなものが転がり落ちて、慌てて拾い回るとまた汗をかく。
「センセ、さっきケータイ鳴らしたけど。電波が届かないところって、やっぱトイレ?」
「おろ?ここに入れていたケータイ、あんた知らん?」
「センセのケータイの見張り番じゃありませんッ!」
「ラッキー。どっかへ行ってしもうたで、ワシのケータイ」
「困るじゃないですか、ケータイが繋がらないと」
「ワシは困らんけど、ゼンゼン」
「探して下さいよ、さっさと」
「試しに、ケータイにかけてみよっか?誰かが見つけて、捨ててくれるかもオ」
「あたしがかけますッ!ハイ、あとはオネガイしますね」
「あのさ。呼び出しが鳴った後、この電話は持ち主が出たくないって。
そのように申しておりますが、よろしかったでしょうかア」
「そんなバカなことは・・・。あ、ピーッと鳴ったら伝言を!って言ってます」
「ハイッ、こちら警視庁うッ」
「違うでしょッ!ボケ、カス、穀潰しッ!早よう出んかいッ」
「なんか、側にいるワシに応えるなー。それって」
「そういうつもりで言いましたッ!」
「MIHIセンセー、Pセンセからお電話ですウ」
「あ、センセ。センセのケータイが、ゴミ箱の中で鳴ってましたよ」
「あー、そこに置いたの忘れてたですウ。スイマセーン。残念やなー、見つかって」
「ホントに、ゴミ箱の中に置いたんですか?」
「何処にあったんです、センセのケータイ」
「屋根裏を歩幅前進中にゴキに発見されたらしい、ワシのケータイ」
「持ち主がヘンなら、ケータイもヘンッ!」
「逆じゃッ!ケータイのヘンが、ワシに伝染したんじゃッ」
壊れるのを期待して、時々蹴りを入れる私のケータイ。
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