レポートを読ませていただきました。いままでの若い先生と同様に共通して言えることは、1つの文章を一息で読み終えないほど長い文があることです。今後に書かれるであろう科学論文では、途中で息継ぎを必要とする長さは適当ではないと思います。句読点をどこで打つかも、論文の評価になることを覚えておいてください。
今回のF先生の文章は殆どが感じたことであり、それに関してはコメントしません。それを読ませてもらって、私なりに考えて追加しました。それを付けて当センターでの研修を指示されたO院長先生に報告します。
在宅支援システムには多様なものがあることを、具体的に体験されたようですね。家族負担の多さを感じ取られた上で、社会保障制度の充実が求められると実感したのも良い経験であったと思います。
訪問診療の中で私と関わって、医療行為の基本である「話を聞く・見る・触る・音を聴く・考える・応える」の大切さに思いを馳せたことで私の指導は達成されました。また地域医療におけるチーム医療・チームケアの重要性を認識したことは、これから医師として歩んで行く中で大切なことと思います。
時間の制約がある中で、恐らく今後ないかも知れない在宅支援システムの体験をされた成果は形が有る無しに関わらず活きてくると思います。
オマケとして私がいつも思っている「普通の医師としてどうあるべきか」について、2、3述べてみたいと思います。
1;チーム医療・チームケアの中で
チームの中での医師は、真摯で僅かに高い目線でのリーダーシップが要求される。そのリーダーシップの目線は、けしてトップダウンであってはならない。
2;コスト意識を持つ
治療や検査をする中で、足し算しかできないのでは一人前とは言えない。医療行為は見方を変えれば加害行為であることを、常に認識すべきである。必要最小限必要なことは何か?を考える事は重要である。例えば投薬や検査に、いつも引き算を忘れていないか?を考える。言い換えれば無駄や無理なことを、患者さんやスタッフに強いていないか?の反省を忘れない。
3;医学だけでなく医療システムについての情報を集め、自身のスキルアップと世の中の流れの半歩先を読むことに努める。
4;趣味を広げることによって、患者さんとの関わりに深さを増すような気がするのは私だけかも知れないが勧めたいこと。
5;いつも「何故?どうすれば?」の精神を忘れず、その努力の成果を論文にして欲しい。
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そして個人的意見として、「後期高齢者を総合的に診る医師の研修」を受けた時の感想を述べたいと思います。
その研修会は、厚生労働省保険局からの通知(平成20年3月5日)が発端で。これを終了したことを届け出ることによって、取りあえず施設基準をパスする。研修内容は老年医学会専門医なら殆どが常識的なものであり、確認に近い内容であった。
厚生労働省保険局からの通知と今回の研修の関連を考えると、4,5年先の診療報酬体系の改正を解くキーワードは「P4P:Pay for performance-医療の質に対する支払い方式」かも知れない。医療に市場原理を持ち込んで失敗したアメリカは、それに代わる方法としてプロジェクトチームを作って検討してきたのが「P4P」である。我が国においてその進化過程を再現し、独自のものを作る余裕はない。従って、米英の「P4P」を焼き直したものを我が国の状況に当てはめる事を想像するのは容易である。
クオリティの高い施設として認められるのは、簡単に言えばPDCAサイクルを維持することである。その上で独自の努力の跡を残して、クライアントのQOLを高める行動を行っている証拠の積み重ねであろう。さらに言うならスタッフのモチベーションを高め、それを維持できる体制を作ることである。
現在の診療報酬体系では、増え続ける高齢者の医療体制を維持できない。一律の診療報酬に問題があり、米英・オランダに見られるように「P4P」の考えで「ボーナス」と「ペナルティ」が出てくることは想像に難くない。第三者機関により判定されたクオリティの高い施設は生き残り、低い施設は維持できなくなって自然に淘汰されて消えて行く。現在あるのは「病院機能評価」であり、「ISO」である。どちらも最終試験ではなく、更新も含めて永遠に「中間試験」で有り続けるから常に努力と工夫が要求される。
療養病床ベッド削減数を緩和し、そのままにするほど政治家は甘くない。自助努力が出来ない施設が減るのは自己責任という考えで、施設が減っても政治家に責任が問われることがないとするのであろう。「後期高齢者を総合的に診る医師の研修」の修了証で感じるのは、形を変えて新たな格差を生ませる方向で進んでおり。高齢者医療界のバトルは激しさを増していると言うことである。以上
来月に3人で反省会を持ちたいと思いますが、日時と場所は後日連絡します。S先生にもその旨をお伝え下さい。
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