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先日、当院の透析室でインフルエンザが突然発生しました。(普通は突然ですが・・) 朝から悪寒があり発熱していたようですが、その日が「透析日」だったので普通に入室してきました。しかし、一応はマスク着用指示にて透析開始です。今季は数回インフルエンザ疑い例が透析患者に見られましたが、判定キット陽性例は初めてでした。全例、インフルエンザ予防注射は受けてもらっていますが、毎年数名の患者が発生します。
これが「新型インフルエンザ」だったら・・・
発熱だけで透析患者に自宅待機を指示できません。確実に数日で死にますから・・・ インフルか否かを判定するにも来院が必要ですが、AかBかしかわからず、H5N1などというタイプ判断は院内で直ぐには出来ません。その間に透析患者は透析を開始しなければなりません。
残念ながら当院の透析室は大部屋で陰圧装置付きの透析ベッドなどは探しても付近にはありません。
患者がインフルであることは隣のベッドの患者には確実に感付かれます。職員達が一斉にマスクなどをしますし、会話のトーンが平静時とは雰囲気が違います。
窓を開けて室内の空気を入れ替えますが、当然患者からは「寒い寒い」と激しいクレームが来ます。しかし、院長指示で可能な限りの換気を支持します。この際、患者の快適さを犠牲にして安全対応を重視します。
当該患者に直ぐにタミフルを投与して「封じ込め」を開始します。
患者は(家に居てもだるいだけなので)入院を希望しましたが、こんな患者を紹介される先方も自院の透析室でインフルエンザ感染が拡がるのが恐いですから、僕が「この程度のインフルで入院は望ましくないよ。家で静かに・・」と諭します。
透析時刻が終了して食事の時間は通常患者が使用しない個室を専用食事室に変更して、一人だけで食事を取ってもらいます。その後も他の患者と接触しないように配慮して帰宅いただきます。
幸い、翌日には解熱し、翌々日には透析室に来院してきました。咳もなく、マスクをシッカリしてもらい、大部屋の中で一番換気がしやすいベッドでの透析を行ってもらいました。
その後も他の透析患者や職員にはインフル感染は見られないようです。僕も何とか無事のようです。
これが新型インフルエンザだったら・・・どうするの?という心構えで職員にも対策を考えてもらってますが、皆「五分ルール」が頭に来てしまっており、全く士気が上がりません。
新型インフル発生時には看護師の離職・転職率は30%を超えて医療機関が麻痺する・・というアンケートがありました。僕は50%は絶対超えると思いますが、透析室では看護師が20%も離職したら完璧に全体の透析が麻痺しますし、感染拡大が大部屋では容易です。
いつも悩んでますが、「透析室での新型インフルエンザ対策」が日本では完璧に遅れていますが、道路建設費で旅行に行かないで、何とか新型インフルエンザ対策に道路予算も回してください。
道路族の議員が率先して言い出してくれたら、きっとニッポンも復活するでしょう・・・英雄になってみませんか?
読んでくれてどうもありがとう
市立泉佐野病院の麻酔科医師の一斉退職に伴う新規採用者に、最高?年収3500万円が提示されたそうです。その後数日が経過し応募者が殺到したか否か知るよしもありませんが、この病院の名前を聞いてチョット思い出しました・・・
この病院は関空に近く、全国にたったの三箇所しかない感染症1類の初期対応病院のようですね。新型インフルエンザは今のところ1類指定では有りませんが、エボラなどの最強感染症を扱う病院でしょう。他には成田の病院と、首都東京の国際医療センターで、特殊な病床数は全部あわせても10床も無いそうです・・・驚きでしょう?
そんな凄い病院ですから、麻酔科も新型インフルエンザ上陸時には先頭に立って管理をしていくのでありましょう。いわば、最前線の中の最前線・・・先陣として命をかける職場です。3500万円でも安いかもしれません。5000万円でもどうでしょうか? でも、こんな風に給与を公表しちゃダメですね・・・
中国では今年二人目の犠牲者です。12月以来3人目で、これまで19人の死亡が中国政府から公表されてますが、広範な地域からの発症で、限定的な地域ではありませんね。ちょっと広すぎます、中国は・・・
今日、医学雑誌を読んでたら驚いたことがあります。日本はタミフルの使用量世界一・・と皆が馬鹿にするほど大量に使用してますから、備蓄量も間違いなく世界一だろうと勝手に想像していましたが、通常使用量に換算して、人口の20%分・・・なんと昨年四月現在では世界で第25位らしいです。フランス・オーストラリア・スイスなどでは40~55%の備蓄量らしく寂しい限りです・・・ 大丈夫なんでしょうか? お金は道路用に余ってるはずですが・・・
先日は県の担当者方から、「あんたの地区には呼吸器何台あるの?」なんていう暢気な問い合わせが医師会に来ていたようです。難題です・・何台も無いでしょう。精々5~6台・・でも怒田舎では新型には対応不可能ですから~~
ま、命を張って戦う戦士には・・3500万円は決して高くは無いと思いますが、成田と関空の他に、中部と福岡空港が限定されましたね・・・ 名古屋と福岡の病院は何処が最前線になるんでしょう?
でも、SARS時の【トロントの悲劇】は以下の様にして起こったようです・・・皆さんにも同様に危険はあるのでしょう。
【流行地からの帰国者で呼吸器症状のある患者は、サーベイランスシステムか自己申告で即座に探知されて病院に移送されて、即座に対応されるはずだった。しかし、実際には、カナダの第一号患者は医療機関にて診断されることなく自宅で死亡した。その患者に接触して感染した家族は、何の前触れも無く病院の救急外来へと受診した。渡航歴は当然なく、SARSを疑いようもなかったその患者には通常の取り扱いがなされ、医療従事者へとSARSは伝播し、救急室の隣に寝ていた患者にも感染し、かくして、トロントの悲劇は起こったのである】
なんだか、福岡の検疫所をすり抜けて市内の病院に突然運ばれた小説「H5N1」と同じシナリオですね・・・
読んでくれてどうもありがとう
暇じゃないんだ(今夜も時間外で8時まで診た)けど、ブログ記事が16ヶ月で<720>にも達し、書きすぎて自分でも何を今まで書いたか忘れてしまうようになった。
似たような記事を既に書いてダブらないか? 前言翻しの自己矛盾が有りはしないか? 自分の思考過程が時系列的に確認できないか? などなど・・・
本当は、自分のブログ内の検索機能が充実していると心配無用なのだろうが、m3にはタダだから多くは望めない。感謝しながら使用している貧乏人だ。
しかし、どうも最近の僕は【新型インフルエンザ】に対する国家(厚労省)の対策に非常な不満と不安を抱きながら診療している、と自己判断している。僕は正直なところ、「再診料」が下がろうが上がろうが関係ないと今は感じている。
【新型インフル】で医療関係者が「無駄な死」を迎えたり、【トンデモ裁判】で医療関係者が「精神の死」を迎えなければ、お馬鹿な高給官僚の国家破壊を最後まで見届けて、いつかは自由な「コスモポリタン」として傷つけられた魂を再生させようと秘かな願いを胸に抱いている・・・なんて言うと、既に精神を病んでしまったかのようだが、いたって僕は健康だ。
さて、僕は今宵、ついに<禁を破った>
当ブログの自己ルール、既にお気付きだと思うが、僕は<単一カテゴリー制>を最初からずっと通してきた。殆どの方が複数のカテゴリーにラベリングしてあるが、自分で見直すのに便利かな~と思って<単一>にして来た。しかし、書いているうちに、あまりにも書きすぎたのか、先述したように自分でも判んなくなってきた。
どうやら僕は医師としては異端のようで、異様に【新型インフル】の記事を書いてきたようだ。m3内で検索したら<新型インフル>あるいは<H5N1>でヒットする約100記事のうち、僕の記事が約半分を占めた。m3内の医師ブロガーは400人程度いるらしいが、半分とは我ながら「少々おかしいんじゃない?」と驚いている。
そこで、どうせなら、「僕が いつ頃から どんな風に どの程度 心配し 政府に警告を発し 日本の将来を憂いた」かを、(自分のために)新カテゴリーにまとめてみることにした。もちろん、読者で興味がある方は読んで欲しいが、<単語だけ>の記事は一応外して、現時点で<45>になった。中にはチラリと触れただけの記事もあるし、似たような感想しか書いてないのもある。写真が重複するのはメモリー対策なので許して欲しい。
他のテーマ、例えば「医療崩壊」とか「思い出話」もテーマ毎にまとめたかったが、いまさら検索不可能で諦めた。
自分で読み返すと、既に一年以上いろんな言葉で警告や不安を表現してきたようだが、何も世間は変わらず 「みんな、マスコミも政府も暢気なもんだな~」と感じてしまう。
まあ、僕の不安が当たらないと良いですが、 『そう言えば、新型インフルに感染死した あのmurajun先生、昔からブログに心配だと書いてたな・・ 借金残して可哀想に 』と言われる日が、将来本当に来るかもしれません。
しっかり対策をお願いしますよ、高給官僚さん、政治家さん、マスコミさん・・・
どうぞ覚えていてください
今日、時々当院におみえになる「耳が全く聴こえない女性」がインフルエンザ様の症状で来院されました。キチンと読唇術が出来て発語は問題なく聞き取れますので、通常の診療には何の差支えもありません。
ところが、本日の症状は感冒というよりインフルエンザを疑わせるものでした。僕も看護師もこの時期はインフルエンザの患者さんが多く、自己防御目的でマスクを一日中してたりします。先のNHKのドラマでも、マスクやゴーグルは感染防御には必需品です。マスクをせずにインフルエンザの患者さんの診察をしますと、突発的な咳で飛沫感染が容易に起こりえるでしょう。ましてや新型だと数日後に死んじゃうかもしれません、医師が・・
で、診察自体は良いのですが、詳細な問診や説明などの際に筆談はどうしても時間がかかって難しく、結局はマスクを外して読唇術でのコミュニケーションとなります。もしも夕方、発熱して感染が疑われればタミフルを僕は服用して翌日の診療に望むのですが、今夜の体調が変化しなければいいと思います。
しかし、新型インフルエンザのパンデミック時には、容易な読唇術より、時間はかかっても筆談となるのでしょうね。
読んでくれてどうもありがとう。
医療機関の倒産件数が昨年の1.5倍になったという。小泉不況で病院の経営状態が悪いことは悪徳金融機関には周知の事実であり、変な金融機関が「病院再生金くれファンド」を作ったり、PFI病院なる「不良債権累積システム」を澄ました顔して構築している。
どこで聞きつけたか、当院にも毎週毎週「融資します。来店不要・・」などという高利の金融業者からのFAXが舞い込んでくる。中には野球チームを持ってイメージロンダリングを行っている金貸し業もあるようだが、そんな高利貸し会社がパチンコ・スロット業界と組んで日本を破壊しようとしている。
パチンコ業界は医療業界に匹敵する年収30兆円。ギャンブルではなく「遊技」らしいが、換金するのはギャンブルでしょう?と警察に言っても無駄な社会、ニッポン。情けない・・・
平安時代に「双六」が禁止されて以来、鎌倉・室町・江戸・明治と政府は賭博の恐ろしさに毅然たる態度で臨んできたものの、戦後の日本には「公営ギャンブル」が雨後の筍の様に蔓延り、宝くじやトトなる巻き上げ賭博や、サッカーくじなるギャンブルが庶民を貧民に貶めている。
新興成金は成金で「株取引」なる嗜好性ギャンブルで浅き夢見て破産し塀の向こうに暮らす羽目になる。その兜町賭博場の胴元や委員会のゴロツキが「医療費が高すぎる。医者は儲けすぎ。混合診療を・・・俺らに分け前を・・」とヌカす品も徳も無い「美しい国ニッポン」には、約250万人の「ギャンブル依存症患者」すなはち、「病的賭博」の患者が居るという。そしてその4~5倍の家族がギャンブル依存症に苦しんでいる事がなかなか規制されない事は、社会の病理が理解されていない証左であり、役人と政治家と政商と暴力組織が支配しているという非文明国家の真の闇かもしれない。
前置きが長くなりました・・・以上はヤブ医者の戯言です、聞き流してください。
さて、僕は小説家であり精神科医の【帚木蓬生】先生の大フアンであり、小説全作品を読んできた。期待を裏切られたことは一度も無く、先生に戴いたサインに涙を流し、年に一度の新作を七夕の日の様に待ち望みながら暮している。当然、当ブログに感想を何度も書き連ねている。
そんな帚木先生の著書の中で、ただ一作だけ読んだことのなかった本が今日ご紹介する【ギャンブル依存とたたかう】という新潮選書である。これは、ギャンブル依存症に悩む患者とその家族、その支援者だけでなく、「病的賭博」の治療法に馴染みの無い我々医師にも本当に役立つ「医学書」であり「啓蒙書」である。
恐らく帚木先生にしか書けない素晴らしい「プロローグ」と「エピローグ」・・恐ろしいことに自分にも思い当たる岐路が何度もあった。僕の父も僕も・・・日本に暮らす限り国民皆が「ギャンブル依存症」に簡単に陥る危険性を抱いているようだ。子供らも例外でなく、「ゲームセンター」や「各種ゲーム」が子供たちの「依存症へのレール」を引いていることに我々大人たちはもっと慎重にならなければいけないようだ。
恐らく、当ブログの読者の夫々が何らかの徴候を示しているのではないかとさえ思う。少なくとも僕は、「一歩手前」までは行ったかもしれない。でも、この素晴らしい本に出合えて僕には明るい将来が戻ってきたと感じる。
帚木先生には大変失礼な話であるが、僕は先生が小説家として偉大過ぎる存在であるために、先生の精神科医としての仕事に敢えて眼を閉ざそうとしていたかもしれない。「恋人の日常生活を知りたくない」という複雑な片思いの心境かも知れない。それも医師なるが故か?
しかしながら、僕にとって「最後」のこの本は、先生の評価を一段と高く登らせたものとなったようだ。
全ての日本人にお奨めしたい「現代日本人の必読書」だと僕は思う。
読んでくれてどうもありがとう。
今週の土日の夜九時に、NHKが二夜連続で【新型インフルエンザ】の特集番組を放映するらしい。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080112.html
僕が何度も繰り返してm3ブログで「新型インフルエンザを患者にうつされて家族を残して死にたくないよ~」と叫んでも影響力はゼロなんですが、NHKがスペシャル番組を放映するとチョッとしたパニックになるんじゃないかと思いますね。
N95マスクなんて売り切れちゃいそうですし、タミフルが登場するか分かりませんが、医療関係者は観るべきじゃないでしょうか?
今日のNHKお昼の番組に主役の麻生祐未が登場して、一部が予告的に放送されたので観たが面白?そうだった。あまり、非科学的に騒動して知識の乏しい世間を混乱させるのはよくないが、「アレは嘘でデマで信じるやつは馬鹿じゃネ?」とかいう野郎のほうがよっぽど世間を惑わしていると思う。あんたは感染して勝手に死んでなさい。
僕のお願いは・・・【新型が流行したらパニックになることなく、しばらく家でジッと安静にして、医療機関でやたらと感染を蔓延させないように・・】という一点である。それと、政府や自治体には【具体的な現実的な対応策を事前に策定して、各マスコミを利用して、住民のパニック受診を極力控えさせて欲しい】ということだ。それが叶えばNHK番組の価値はあったと思う。
岡田さんの著書【H5N1】を基にしたようだが、「日本海沿岸の集落で子供が第一号患者になる」という設定は非常に変だ。これじゃ、「鳥と遊んでて感染した」という非衛生的な諸外国と同じ「フェーズ3」だから、恐れている「パンデミック」にはつながらないだろう。やはり、外国での「フェーズ4」状態から航空機によって運ばれて、空港を経由して国内に入ってくるのが最もかんがえられるケースと思う。従って、東京などの大都市から急速に拡がり行くと思われるので、より恐ろしいと思う。
重ねて言っておくが、「自治体のHPに見られる対策」は全く具体的でなく、もっと実際に則して感染防御対策を見直さない限り、医療機関のみならず全国各地でパニックが必ず起こると思う。医療崩壊、経済崩壊、日本崩壊・・・簡単に起こりうる。
失敗して行動開始する福田首相に期待は出来ないが、もっと日本政府は本腰を入れて「具体的な」対策を考え、お金をつぎ込んで欲しい。船舶燃料をインド洋で配ってあげるより国内の死者数を最小限に抑えるようにしないと、国は滅びる。
NHK以外のマスコミさん、よろしくお願いします。マスコミだけが頼りです。
マスコミさん、読んでくれてどうもありがとう。
忙しい診療ですが、患者さんとのコミュニケーションは大切にしています。
年の瀬も押し迫り、 5年以上診ている男性患者さんが、『先生、今年は年取ったと思いますよ』と言われるので、カルテの年齢を確認して、「まだ70歳くらいにしか見えませんよ。とても80歳とは信じられません。でも、80歳になると平均寿命ですし色々つらくなるでしょうね・・」と答えた。患者さんは実際に若く見えるが、自分でも自覚しているらしく嬉しそうにこう話し出した・・・
『これでも去年までは月に2回は出来ましたよ、若い女性ならば・・』
「えっ? ほ、本当ですか? あ、アレをですか? な、何も使わないで、ですか?」
『ええ、月に二回なら。でも今年はチョット・・』
診察室は患者と僕だけだが、隣のスペースに看護師が2名と受付嬢も2名居たので全部会話は筒抜け状態で、彼女達が会話の内容にヒキツッテ驚いている様子が手に取るように分かる。ちなみに、20代、30代、40代・・・でした。
「で、でしたら 手助けする薬も出せますが・・ 自費ですからカルテも変えますが、どうされますか?」
『カルテに書かれてもねぇ。副作用はどうですか?』
「貴方には併用禁止薬剤は処方してません。でも、顔がほてりますし、少し血圧が下がる人も居ます。本当は75歳以上は出しにくいのですが、日頃お元気ならば良いでしょう」
『そうですか。人生の最後にもう少し頑張ってみたいですが、何とか自力でやってみます』
こう患者さんはニコニコしながら仰った。
実に素晴らしい。戦争を戦い、子供たちを育て上げ、会社経営の仕事も現役、今も多額の納税をして、男の人生を謳歌して、キチンと健康管理をして・・・感心するし、尊敬もする。是非、僕も見習いたいものだ。
患者さんが帰って、会話を全部聞いていた看護師達が、『お元気ですよね、あの歳で月に二回・・。先生、完璧に負けてるじゃないですか。でも若い女性って、何歳までを言うんでしょう?』と聞いてくる。
「そりゃ、精々30代まででしょう。貴方達は年齢オーバー、対象外ですよ~」と日頃の鬱憤を晴らしてあげた。
『何言ってんですか? 私らだって80歳が相手だと感じませんし出来ません。でも何処で探すんでしょう、そんな若い子を?』
「ま、50歳までは80歳から見れば若い女性でしょう。どうぞ自信を持ってお暮らし下さい。でも、素人かなぁ? そんな訳ないよなぁ。僕も身体を鍛えてお金をタメトカニャ・・」
その日一日、僕はニコニコ張り切って仕事をこなしていたらしい・・・と職員達が言っていた。大きなお世話だ・・・
読んでくれてどうもありがとう。
院内での患者やその家族や取り巻きによる医療関係者への威嚇や脅迫は間違いなく医療崩壊への引き金になる。武器を携行している場合はなおのことだが、昨今の日本人はナイフを隠し持っている若者が大手を振って学校や巷を闊歩しているのが野放し状態なので、今日のアカガマ先生の記事から飛ぶ記事のような院内恐喝事件が簡単に起こる。なんとも現代日本のモラル低下はおぞましい・・・
「引き金」でちょっと思い出したので「昔話」を書いておきたい・・・
その昔、僕が秘かに教授を目指して研究生活に重点をおいていた30代前半のある日、僕は研究用に必要な血液を採取するために、当時の教授を受診していた50代後半の患者さんに採血の協力を仰いだ。
400mlと少々多目の採血量で、平身低頭の若き前途有望なハンサムな心優しい医師(つまり僕ですが)、冷静に採血を終えました。患者さんも特段嫌な顔をせず、マッタリと世間話をしておりました。ところが・・・・
根っからの僕の親切な心が要らぬお節介をしてしまいました。採血は診察室で二人っきり(男性患者ですが)で行ったわけですが、診察ベッドに無造作に脱ぎ置かれていたジャケットを僕は綺麗に畳んで患者さんにお渡ししようと手に取りました。
そうしたら・・・やけに「重いもの」がジャケットのポケットに入っておりまして、とっさに支え持ったのですが、そこには黒光りする銃口が僕に向って飛び出していました・・・
当然ながら先程まで気軽な会話をしていた患者も僕も、急に気まずい雰囲気になりました。患者は僕にキツイ目を向けてきましたが、ユックリと手を伸ばして僕からジャケットと拳銃を受け取りました。僕の手は震えたりはしてませんでしたが、何を話していいか判らなくなって思わず危険な会話を口走ってしまいました・・・
『これが拳銃ですか? 僕は猟銃が家にあったので何度も持ったことがありますが、本物の拳銃を持ったのは初めてです。本物でしょ?コレ・・』
患者の鋭い目で見据えられ、どんな答えが帰ってきたかハッキリは聞き取れませんでしたが、直ぐに会話も途切れて患者はそそくさと診察室を出て帰っていきました。決して危害を加えそうな患者にも見えず、採血を協力してもらった直後でしたので僕の対応も曖昧でした。
採血道具などを片付けて診察室を出てこのことを同僚達に話すと、全員が血相を変えて僕を批判します。当然といえば当然です。
『お前は馬鹿か? 何てことしたり話したりしたんだ? 拳銃を隠して携行して院内に受診に来るなんて完璧に違法だ。どんな患者だった? さっさと警備員に通報しろ、ボケ・・』 といった強烈な批判でした。当然ですね、拳銃をポケットに入れて受診した患者をそのまま帰したのですから・・・
ま、僕自身が患者に拳銃を向けられたわけではないので恐怖感は全然無かったのですが、当時の僕は暢気なものでした。
昨今の医療現場の崩壊状況、モンスター患者や医療訴訟の嵐を見るにつけ、こんな事が将来の病院内で日常茶飯事に成るんでしょうか? 日本流のネチネチした影の脅迫も恐いですが、拳銃でズドン・・・というのも恐いですよね。
こんな美女なら殺されてもいいですが・・・
ただ、この話はアメリカ留学中の話ですので、実話ですがテキトーに聞き流してください。
読んでくれてどうもありがとう。
勤務医と開業医が争ってる場合ではない・・・という前置きをした上で今日も恐い「H5N1」の続きです。
新型インフルエンザ「H5N1」が強毒性ウイルスであるという仮定で国や自治体の対策マニュアルや行動計画は策定されています。そこで今回は「H5N1」の本の内容ともリンクさせながら各論に関して考えてみたいと思いが、まずは今年1月にまとまった厚労省の対策を示してます。
実際に、その後にまとめられている各自治体の対応計画や本書のシュミレーションもこの流れに大筋で沿っています。 (以下、コピペ)
新型インフルエンザ対策指針案のポイント
1.第1号患者など国内発生初期には、その家族や職場などの全員に抗ウイルス薬タミフルを集中投与する。
2.感染防止には、不要不急の外出をしないという原則をもとに、家庭も流行に備え、2週間程度の食料、水、日用品の備蓄をする。
3.企業は、事業の一時縮小や従業員の自宅待機も検討する。
4.タミフルは、患者周辺への予防投与(1)を拡大防止策の柱とするが、拡大を押さえ込めなければ予防投与をやめ、入院が必要な重症患者に優先投与する。外来患者への投与にも①医療従事者、社会的機能維持の関係者②重症化のリスクが高い人③小児・高齢者④成人-と優先順位をつけた。
5.国が準備中のワクチン接種対象は、医療従事者とライフライン(電気、水道、ガス、食料供給、交通などの関係者)、警察など社会機能維持関係者に限る。
6.流行後製造するワクチンの摂取対象は、死者を最小限に抑えるために病人らを優先する案や、将来を考えて子供を優先する案など複数の考え方が示された。
7.流行拡大で死者が多数に上り、火葬場の能力を超えた場合は、土葬も検討する。
さて、いかがでしょう? 多くの医師の皆さんは既にご存知のはずですが、当院のスタッフや家族などもまだまだ認識は不十分なようです。

今日は(1)に関しての話を少しだけしましょう。
小説の中では2007年11月に日本人第一号患者が東南アジアから福岡空港へ帰国してきます。空港検疫官らはPCR検査のトレーニングを受けていましたが、発症前の帰国で空港検疫は素通りして、彼は夜になって自宅で発症します。そのまま翌日に職場へ行き、商談で九州各地から集まった人々に感染させて、その人たちが数日後に各県で感染源となります・・・・・。
現在の空港検疫は「発熱や咳」など既に発症している人をウイルス検査の対象としているようですが、重点空港である成田・関空・名古屋・福岡だけでは絶対に防ぎきれない程に諸外国との国際線が増えています。衛生面に関して言えば船も可能性がありますが、潜伏期の関係で発症後となるでしょうから何とか水際で検疫可能かもしれません。
最初の患者は発症後に救急車で救急病院に運ばれた。渡航先情報から疑われ、保健所へ通告し、福岡市で唯一の感染症指定病院へ転送・入院、H5N1感染が確定した。実際にはその間にも数名に感染してしまっており、ここから更に感染が拡大していく。
100万都市の福岡市にも感染症指定病院は「こども病院」たった一ヶ所しかない。何ベッドあるのだろうか? 診断確定後の搬送・入院の場合には他の患者などとの隔離が可能であろうが、即時確定診断が不可能である以上、接触は不可避であり感染は当然広がる。上の写真はある自治体の搬送訓練の模様だが、パンデミック初期段階ではこのような厳重な防護服を着て診察も搬送も不可能である。
例え病院に搬送しても、治療としてはタミフル投与しか現時点ではなさそうだが、昨今の様に「タミフル悪人説」をとる日本人の多さを思うとガタガタ煩く騒ぐ人々の姿が浮かんでくる。そもそも(4)にあるように、感染拡大した場合にはタミフルは医療現場から姿を消してしまう事が確実かと思われるが、備蓄タミフルの「適切な配給」を誰がどう仕切るのか・・・どう考えても命がけであるだけに大混乱となろう。
可哀想だが、(効かないかもしれないが)ワクチンを接種していなければ、最初の救急病院の医師と看護師は死んでしまう・・・・
次回は(2)以降を続けて書きたい。
読んでくれてどうもありがとう。
新型インフルエンザ(H5N1)のパンデミック時における被害予想の深刻さに関して各自の印象の違いは、ひとえに「高病原性あるいは強毒性」の解釈にかかっているように思う。つまりこれまで報道されている「致死率の高さ」をどう解釈するかである。
現在国内で異様な早期に流行中の(新型)Aソ連型インフルエンザなどの様に、たとえ新型であっても致死率の低い「低病原性あるいは弱毒性」の呼吸器感染症であれば特に日本人が恐れるには及ばないと思うが、近い将来にパンデミックが予想される「H5N1」は呼吸器以外に全身の臓器を標的にする高病原性だという。こうなると「インフルエンザ」のネーミングすら怪しくなる。

アジアで既に100名を越える鳥インフルエンザ患者の致死率はなんと60%以上で、本当かいな?と疑いたくもなる。上の写真はベトナムのものらしい。呼吸器以外にも全身からの出血も見られるとなると症状は「エボラ出血熱」に類似し同じ致死率となるが、これは発展途上国ゆえの致死率かもしれない・・・と安心しているムキもあろう。同様の患者数の段階では日本国内発生の場合には死亡率はどうだろうか?正直なところ、感染症指定病院で治療が受けられさえすれば恐らく半分以下ではなかろうか?
また、数年前のSARSで経験済だから・・と安心される方もひょっとしたら居られるかもしれない。しかし、SARSの時に患者はほぼ出なかったにもかかわらず、大変な心配があったのは事実であるし、疾病の質が異なると思う。SARSに関しても以前から記事にしたが興味があれば検索して欲しい。
もしも本当に「強毒性」で、死亡率が本当に「エボラ並み」であるとすれば、その感染伝播パターンから言って日本での死亡者数64万以上というのは決して間違いとはいえないだろう。その辺の解釈の違いで、①の人は「風説の流布はいけないよ」と感じたのであろう。しかし、警鐘は鳴らし続ける必要があろうと僕は思う。なにしろ日本人はパニック症候群に陥りやすいので、早い段階での情報開示と具体的な対策を各論としてシュミレートしていく作業は行政と現場医師が共同で進めなくてはならないと思う。

この「H5N1」という小説の中に【鳥インフルエンザ直近情報】という北海道のサイトが登場するが、恐らく小樽保健所の方の実在のサイトではなかろうか? それによると、中国で最近「人から人へ」の感染経路が強く疑われる感染者がとうとう出たとか・・・・。これは危険なサインかと思う。

しかし、現実の医療現場を見てみよう。
例えば、新型の「診断」はどうするのであろうか? 患者の咽頭ぬぐい液などからウイルスを採取し、まず「A型かどうか」を現在存在する簡易キット法で見つけ、H5N1の表面抗原を近隣の特定の施設に(送って)PCR法で疑って、さらに東京など感染症専門機関へ(送って)確定させるらしい。つまり、大抵の医療機関では初診で診断を確定は出来ないのではなかろうか?
しかし、(この本によると)発症時には既にウイルスを排出しているという。著者は専門家なので「ある程度本当」だとして話を進めるが、これじゃ普段診ている風邪症状の多くの患者とは区別出来ないし、院内で空気感染(飛沫感染も空気感染もするらしい)すれば医療機関や患者同士が感染源に簡単になってしまう。
そもそも現在ある「インフルエンザ診断キット」さえ流行時に安定供給されるハズはなく、確定診断する前に相当数が混在する「新型」に感染して死んでしまうだろう。それは診療所であっても拠点となる大病院であっても恐らく同じだろう。当院にも「発熱患者」は今日も昨日も明日も沢山来院しているが、その中に混在する「新型H5N1」患者を通常のインフルエンザや風邪と区別可能なはずはなかろう。

そこで各自治体が策定した「対策マニュアル」によると、流行時に大病院の駐車場などの(寒風吹きすさぶ)野外に開設される「発熱センター」での行列の出来る「トリアージ」などへ向わない患者が病院や診療所に押し寄せるのをどう防ぐ事が可能であるのか?がまずは大問題である。
この点に関して、僕は非常に心配している。昨今の日本人の受診行動を見ていると、「待てない」し「過剰に心配」して「自分だけは・・」という意識が強く、要するに「ジッと家でねてなさい」と言われても現代の日本人としては恐らく不可能であろう。そういう「発熱患者」が「発熱センター」以外にもお構いなしに来院されると思われる。来るなとお願いしても来るのではないか?
感染症指定病院のリストアップを見たが、私の県では100万人に一ヶ所程度で、パンデミック時には恐らく全く役には立たないだろう。本書の中で、大阪の大病院の副院長はパンデミック時の過労で死んでしまったし、多くの勤務医と看護師も死んでしまった。みんな特別にプレ・パンデミックワクチン接種はしていたのだが・・・
皆さんのお住まいの自治体の「新型インフルエンザ 感染対策マニュアル」をご覧になったことがありますか? 以前から報道を注意深く追われてると判りますが、凄いです。しかし、総論は凄いですが各論は全く闇の中で全てが「どうするの?」の世界だと心配しています。
勤務医と開業医と看護師が対立している場合じゃないんですが・・・
各論をこの後も少し続けてみます。
読んでくれてどうもありがとう。