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2009.06.20 20:14 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 2

優しい笑顔の写真

今宵は通夜に参列した。僕より一つ若い近所の男性、まだ40代だった。直前に時間外診療依頼の電話が入ったが、全くの初診患者で看護師も全部帰した後だったのでお断りした(フルネームを名乗らず携帯からだったのもあるが・・)。どうしても通夜に出たかったのである。

 

やはり、子に先立たれたご両親の姿を拝見するのは居た堪れない。母親も入院中の身体をいたわりつつ息子との最後の別れに気力を注いでおられたようだ。

幼馴染みの彼は彼の家族にとっても、僕らの近所にとっても期待の星だった。田舎の小さな集落に生まれ育った僕らにとって、東大10位以内の常連校に入学することは、それなりに期待をされる存在と云うことになり、彼の思春期はもしかすると大きなプレッシャーの影響を受けていたかもしれない。僕自身、一学年下の彼が僕が諦めた進学校に合格した時は少し嫉妬心を覚えたのも確かだ。

 

最後に会ったのは、僕が開業して数年後に彼が近所の高齢者を「身寄りがないので連れてきた。体調が悪そうだから良く診てやってほしい」と屈託のない態度で来院した時だった。腰の曲がった老女の腕を支える態度も かける声も その視線も 優しい彼だった。

しかし、その頃既に彼自身が病に侵され始めていたのであろう、その後は「病気がちである」との話を聞いてはいたが、まさかこれほど早く死んでしまうなんて・・・

 

人生というものは儚いものだ。学業優秀で家族にも地域にも大きな期待をされて、本人も将来に限りない夢を抱いていたに違いない。でも、やはり生きてこそ、喜びと果実を 周囲も家族も そして自分自身でも得られるのであるから、もっと長く生きて欲しかった。

祭壇の写真の彼は、やはり屈託のない優しい笑顔だったが、昨年も近所の幼馴染みを亡くした僕にとっては、冥福を祈りつつも、自分自身の今後の人生を考えずにはいられない気持ちとなった。

 

読んでくれてどうもありがとう

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