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< MR. BRAIN | メイン | もうすぐ田植え・・・ >
2009.06.18 00:39 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 1

【 運命の人 】

安倍、福田、そして間も無く麻生総理の退陣記者会見があるだろうが、「総理退陣記者会見」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは何といっても佐藤栄作首相のそれ(昭和47年)である。

 

沖縄復帰という偉業を成し遂げ、後(昭和49年)にノーベル平和賞を受賞した我が国で最も安定した長期政権を異様な形の記者会見で終えた佐藤総理・・・まだ、中学生になったばかりの僕にはその理由が理解できていなかった。しかし、実に鮮やかに記者会見の佐藤総理の剣幕を覚えている。なぜ、ああも大声で「新聞記者は出ていけ」と怒鳴り、そして素直に記者が会見場を出て行ったのか、あの頃の僕には全く理解できていなかった。

 

考えてみると、あの後から角福戦争とか三角大福中と言われるような田中派(今の経世会)と福田派(今の清和会)との確執が本格化してきたわけで、今の民主党(小沢)と自民党(森、小泉)の争いも生まれてきたわけである。まあ、そんなことは今回はどうでもいいが・・・

 

思えば、沖縄本土復帰は中学生の僕にも大事件だった。中学の同級生がアメリカのパスポートを持って入学してきたけど、すぐ復帰してアメリカ人から日本人になって・・・身近な出来事だった。もちろん、中学生にも米軍基地の多さは不思議だったが、そこに関して外務省で凄まじい外交駆け引きが行われていたことまでは思いが及ばなかった。

 

外交といってもアメリカの押し付けに過ぎなかったようだが・・・ちょうど、今も郵政偽装改革などで垣間見える問題と同じ構図だろう。

 

その陰で、今の「米軍基地 思いやり予算」へ繋がる「日米の密約」が存在し、その密約を秘密裏に入手し報道しようとして少々勇み足をしてしまった毎日新聞社の西山記者が、時の権力・佐藤総理に睨まれて逮捕され、「公務員への報道」の問題が大問題になっていたことなどは全く当時知らなかった。

 

実は恥ずかしながら、山崎豊子の【運命の人】を読んで初めてそんな事件が実際にあったことを知った。【西山事件】である。

 

まだ、全四巻のうちの三巻しか刊行されていないので読了してはいないが、なんだか最近流行の「国策捜査・政治介入」など不自然な司法と政府の関係を思わせる内容で、その密約の存在が時を経たアメリカの情報開示によって明らかになっても「知らぬ存ぜぬ」の日本政府という存在が実に恐ろしいと感じる。アメリカでは起こり得ない隠蔽体質の様である。

 

政権交代がない超長期自民党政治がもたらす「司法と政治のコラボレーション」には、アメリカの様な健全な政権交代が必要と思われる。日本はイラン並の警察国家の様である。

また、これは一人の優秀な新聞記者の「長い人生を国家が意図的に奪い取った」という意味では足利事件で冤罪となった菅家氏と似た司法問題かもしれない。

更には、障害者郵便制度問題で厚労省の村木課長や下村係長が霞が関や永田町の住人達に翻弄され犠牲者となったような問題とも深層では気脈を通じる問題かと思われる。

 

【運命の人】の第四巻は史実を少々離れて山崎豊子の想いが存分に描かれるのであろうが、もうすぐ刊行されたら、あの昭和47年当時に坊主頭の中学生が抱いた疑問が氷解して行くのであろうか? 

山崎豊子の衰えぬ筆力・構想力にはただただ脱帽である。

 

読んでくれてどうもありがとう

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