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久しぶりに大興奮の作品に巡り合いました。本国ドイツでは2004年に刊行され、日本では昨年度の海外ミステリー第5位とランクされていたらしい総1500ページを超える大作です。先週まで存在を知りませんでしたが、この本にいま出会えて嬉しく思います。
一言で感想を述べるとすれば、『マイケル クライトンの社会派傑作を2~3冊ほどまとめて、連続TVドラマ「24」風の展開で、アメリカ人以外が地球を憂いて描いた海洋科学近未来小説』という感じでしょうか。ですから、大学でコミュニケーション学を専攻した著者フランク・シェッツィング氏は「ドイツのマイクル・クライトン」と評されているのもうなずけます。

とにかく幅広い内容で、ほとんどの方の知的好奇心をグイグイ惹きつけて睡眠不足に陥らせるのではないでしょうか? 少々文系の方には難しそうな内容も書かれてはいますが、社会的に関心の大きいテーマが繰り返し次々に登場しますので是非展開に圧倒されながら読んで欲しいと思います。

いつもは内容を書きまくりの僕のブログですが、今回は大作過ぎるのもあって多くは書かずにおこうかと思います。第5位にランクされてますが、1500ページで第5位と云うのは「凄い」証拠でしょう。普通なら読了する人はそれほど多くないでしょうから。
ただ、日本人はあまり良くは書かれていませんね。メタンハイドレート開発が地球を危機に陥れたことは なんとなく理解できます。特に、南海トラフ付近が主要な埋蔵地域だというのが不気味ですね。メタンが放出され大陸棚辺縁の地底が変化し、東南海地震と相まって巨大津波を誘発して日本や太平洋沿岸諸国を壊滅させる・・・なんてシナリオはご遠慮願いたいものですね。
それと、アメリカ・・・どうもブッシュ前大統領やライス国務長官、そしてCIAを念頭に置いて、国連を見下して世界の唯一の覇者であり続けたいアメリカを「地球を破壊しそうな陰謀国家」として超悪役として描いています。また、生物兵器としての「イルカの日」を彷彿させる場面もあります。「アメリカならやりかねん・・・」と思わせるのが怖いですね。

ただ、そんなアメリカのハリウッドが映画化しているとか・・・すごい皮肉ですが、内容が豊富すぎるので恐らく映画では深い所や宗教的背景などを伝えきれないような心配をしています。是非、「24」の様な連続TVドラマとしてきちんと全体像を描ききってほしいものです。

特に重要な位置づけのカナダのイヌイットを短い映画の中でどのように扱うのかも心配です。かれらもまた、政府から現在の居留区に強制移住させられていたんですね。狩猟に不適当な場所への封じ込めは文化の破壊と同義でもありますよね。

メタンハイドレート問題から地球温暖化問題、そしてそのためにメキシコ湾流や海流の大循環が止まって温暖化どころか氷河期到来・・・というシナリオは近年よく耳にしてきましたが、地球規模の生態系に関する理解と対応方法に科学者と政治家(やアメリカ軍人)がかくも違った態度をとるのか・・・これがやはり一番面白い点でした。
この点は、現在の世界的大不況におけるアメリカ政治の矛盾とも似ていて、いかにもアメリカ風で・・・大丈夫かいな?という気持ちになります。
Neural Networks に関しての内容やフェロモンをコミュニケーション・ツールにした点などは無条件に受け入れにくい気もしますが、未知なる深海では確かに何が起こるか人類の知識では判りかねるのでしょうから著者の想像力には敬服します。
とにかく、非常に面白い大傑作だと思います。医学系の皆さんには特におすすめです。
読んでくれてどうもありがとう
コメント
コメント一覧
@@便乗コメント失礼します by murajun@@
この本、もう少し短かったならば第一位間違いないと思います。少々ファンタジックな設定もありますが、なかなかの内容で、これを文系?の著者が書いたとは・・・ もっと評判が上がってもよさそうな印象ですよね。
@@便乗コメント失礼します by murajun@@
コメントありがとうございます。凄い本ですね、これから実際にありそうで怖いです。
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