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最近の日本の医療行政・公衆行政は全てがバラバラな感じがしてならない。平和ボケの暮らしを享受しつつ経済優先の議論しかしてこなかった大きなツケだと思う。首相・厚労省大臣・厚労省官僚・県知事・環境保険事務所(保健所)・医師会・基幹病院・開業医・勤務医・マスコミ・住民・看護協会・・・・ とことんバラバラで信頼関係は次々に崩壊していく。
『ワクチン製造技術の向上があり、ひょっとしたらパンデミックにも間に合うかもしれない・・』という淡すぎる期待を僕も少しばかりは持つようになっているが、それにしても一部を除いて誰もが全てが今も非常に暢気な感じがする。勿論、病院をはじめ、そんな不確実でお金を産まない「未来の感染症対策」に情熱を注ぐ時間も金もない・・・という意見も承知はしているが、何と言っても強毒性の「H5N1」が本当に国内に流行しだしたら・・・
ずっとこれまで啓蒙活動の先頭を走り続けて来られている尊敬する小樽保健所長のTさんが、最近のモヤモヤとした心情を度々吐露されている。以下は23日と28日の日記の抜粋だが、現在の僕の心境と偶然にも似ているので(無断だが)紹介したい・・・ (Tさん、無断で大変申し訳ないです)
新型インフルエンザ対策は如何にあるべきか?
問題は医療機関だ。医局制度に封じ込められた若い医師達が日本の医療を担ってきた長い時代は去った。個々の抱く医の倫理に従って医療を選択してゆく時代だ。
病院でBCPなるものを作成しても、医師達は従わないだろうというのが大方の意見のようだ。社会全体に対する責任意識なんてないからだ。現在の自分の業務だけで手一杯だからだ。
そうした医療現場に向かって新型インフルエンザ対策としてのBCPを作成せよ、と誰が声をかけるのか?言うのは簡単だ。頭さえ良ければ全てを洞察出来る。問題はどうしたなら、社会の変容と医師達の変容を促すことが出来るのかということだ。
追記:要するに公立病院や救急医療が崩壊しつつある中での新型対策は、地域の行政機関だけでは無理で、社会が総ぐるみになって行わなければ無理だということだ。考えれば考えるほど疲れてきて、自分自身一般の医師へ戻りたくなっている。
http://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/2008/DIARY/index.html
多くの企業はある程度の知識を持っている。しかし、多くの医師達は関心を示さない。医師達は、論理的に展開された論文、または学会報告での研究結果でしか動かない。一般論や感情論で語りかけても反応は小さいのだ。
医療機関を動かすには、マスコミの力も必要だ。しかしマスコミは、起きた事件には興味を持つが、事件が起きる前の対策には興味を持たない傾向がある。それは一般社会(読者層)の影響もある。
日本社会は成熟していない。建築技術、医療技術は世界のトップになった。しかし、市民の精神構造は徳川時代のままだ。マスコミは”瓦版”のままだ。全ては”お上”の言いなりだ。
過去の活動を追ってきている人には判るだろうが、これだけ必死に国民の事を思い頑張っている医師でもある保険所長のこの悲鳴は、我々現場の医師もマスコミも看護師も政治家も須らく真摯に捉えるべきと思う。
先日、地元の保健所と医師会の動き(講演会?)を書いたが、「発熱外来」のコンセプトや治療方針などなど、多くの医師が実際に則した検討をして素人の国民全てに総がかりで啓蒙活動をして闘っていく覚悟がないと強毒性の「H5N1」に勝てるはずは無い。あの日、僕が保健所長に「もっと危機感をもってきっちりやりませんか?」という趣旨のことを言ったのも同じタイプの感情だと自分では思っている。
日本人の4人に一人が感染し、64万人が死亡するということは、医師を含め、国民全員が当事者になりうるということである。
なお、政府やマスコミや世間は、これまでの様に医療問題の議論の場から医師を排除する態度を改めて、こんな本当の危機のときこそ医師を中心に据えて新型インフルエンザと闘うべきだろう・・・・と僕は思う。今のバラバラな状況では日本人は新型インフルには勝てそうもない・・・
読んでくれてどうもありがとう
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