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Doctors Blog

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2008.07.10 23:39 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 4

ピンチ・・棚卸し

6月末が年度末の決算時期、当然ながら医療資材や院内医薬品の「棚卸し」時期でもある。院外処方の当院であるが、院内取り扱いの薬品が少々ある。例えば自由診療に処方する薬品などだ。で、実は今日これが問題を引き起こした・・・

 

注射製剤などは看護師長が、自由診療処方薬は事務E嬢が在庫数を調査する。自由診療処方薬は、院長自らが鍵の掛かる棚で厳重に保管している。だから、@@何錠、**何錠などと棚卸し時期だけカウントするのである。一応、月間・年間の処方量は自由診療カルテに記録が残るし、昨年までは大した問題ではなかったのだが、今年は事情が違った・・・

 

実は、発毛の「プロペシア」や禁煙の「ニコチン製剤」などは調剤薬局で処方してもらっている。院内取り扱いは、ED治療薬の「バイアグラ」だけだった・・・昨年までは。それが、今年から、同じED治療薬の「レビトラ」と長時間作動方ED薬の「シアリス」を処方メニューに加えたのである。ただし、予測に反してまだ患者さんから一度も要望が無くて「バイアグラ」以外の処方をしたことが皆無だったのだ。当然、20代のうら若き美しき事務E嬢は「レビトラ」と「シアリス」の今年度「処方例なし」の事実を知っている。で、念のために在庫チェックをしてみると・・・

 

あちゃ~ 顔が火照る~ 困った~ 美しき事務E嬢の顔も火照る~

 

不思議なことに、困ったことに、なんと「レビトラ」が4錠、「シアリス」が2錠、夫々行方不明である。鍵はM院長しか開けられない。誰かが盗んだとすれば、それは50歳マジカのM院長以外にはありえない。ヒドイ初老の院長だ~

『あの~、僕が持ち出したことは決して否定はしませんが、あの~、それを僕自身が実際に使用したという証拠はありませんし、もしかすると誰かにプレゼントしたかもしれませんし~、最近記憶力が落ちてしまって~、と、とにかく他のスタッフには秘密でお願いします~、あまり追求はしないでくださいね~』

情けない顔をしたM院長が事務E嬢にそう言ったところ、彼女は『判りました。一応秘密にしておきます。でも、先生、ホドホドに願いますね~』とニコヤカに返してきた。

棚卸しデータは院長夫人のところへは知らされない。しかし、職員に秘密を握られるのは何となくアソコがモゾモゾと気持ち悪いのである・・・

 

読んでくれてどうもありがとう

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先日の日曜日、ふらりと立ち寄った本屋で真っ先に僕の眼に留まった本が【老年の価値】だった。

  

その表紙には老いたヘッセの笑顔の写真があり、「ヘルマン・ヘッセ」に中学時代に深くのめり込んだ想い出も甦ってきた。

5月に「ゲーテとの再会」と題したシリーズを書いたが、200年前のゲーテと、100年前に「車輪の下」を著したヘッセとは思春期の僕の憧れの人でもあった。

今でも書棚には焼けた背表紙の数冊の文庫本が並んでいる。【車輪の下】 【クヌルプ】 【青春は美わし】 【デミアン】 【シッダールタ】 【知と愛】 【ガラス玉演戯】・・・ 

多くは内容を忘れてしまったが、確かにヘッセに人生の哀しい欠片を教わったと思う。

 

 

この【老年の価値】は正に今の僕のためにあるような本で、運命の出会いのような感じがする。思春期に出会ったヘッセ、50歳を前にして出合ったヘッセ・・・ ちょうどゲーテとの再会を再現しているかのようだ。

 

ここでヘッセが言う「老い」とは、どうやら50歳から80歳あたりを指した言葉のようである。ヒットラー政治を逃れるように南スイスのルガノ湖畔の丘の上に「カーサロッサ」という素敵な住いを得、二つの戦争の後にノーベル賞を受賞したヘルマン・ヘッセは、かつての日本人に最も愛されたヨーロッパの作家だという。

 

 

この本の素晴らしさは手に取ればたちまちに判る、貴方に語りかけてくる。何と言っても写真家の息子、マルティ-ン・ヘッセの見事な写真の数々が、年老いた父親をモノクローム写真の中に美しく描ききり、貴方をヘッセの人生に誘い入れてくれるであろう。

 

ヘッセの詩や散文や手紙などを集大成した作品だが、岡田朝雄氏の翻訳も実に見事である。これは、岡田氏がドイツ文学者であるだけでなく、「昆虫博士」だから成し得た自然と人生の名翻訳だろうと思う。氏もまた、70歳を過ぎてこの本を訳されたようだ。

 

色々言うまい・・・と思う。でも、ヘッセは50歳過ぎまで悩める人生を送ったようだ。心が落ち着いて「老い」を素敵に生きたのは50代半ばからかもしれない。美しい写真を眺めているだけで、第二次世界大戦前後の時代とは思えぬような平和な人生が想像される。チャップリンと重なる部分もあるかもしれないが、もっと穏やかな「老い」を85歳まで楽しんだようだ。

 

 

ヘッセの心の中にはゲーテがいたことは間違いなかろう。ノーベル賞とゲーテ賞を同時受賞しているが、ルガノ湖畔に居を構えたのは、他のドイツ人作家同様に、ゲーテの「イタリア紀行」の影響もあったのであろう。

僕は、そろそろ50歳に近づいた・・・ もう「老い」も身近になったし、「老いた」患者さんと日々接して暮している。その時期に、実に素敵な素晴らしい本に出合えたと感謝している。

 

少し、偏見で選んだ「好みの言葉」を紹介したい・・・

 

『年をとることは、ゲーテが孤独について言っているのと同じような状態です。つまり孤独に身をゆだねる者はまもなく孤独になるということです。そして年をとることに屈服する者はすぐに年寄りになります。(略) けれども私は、その前にもう数回暴れまわって、数発の花火を打ち上げるつもりです。』

 

『40歳から50歳までの10年間は、情熱ある人びとにとって、常に危機的な10年であり、生活と自分自身とに折り合いをつけることが往々にして困難な不安の時期であり、度重なる不満が生じてくる時期なのだ。しかし、それから落ち着いた時期がやってくる。(略) 興奮と闘いの時期であった青春時代が美しいと同じように、老いること、成熟することも、その美しさと幸せをもっているのだ。』

 

『人は耄碌し 張りがなくなり だらしなくなり 粗野になる  いまいましいが髪も抜け 歯も抜けて息がもれる  若い乙女を恍惚として 抱きしめるかわりに ゲーテの本を読むわけだ  しかし臨終の前にもう一度 ひとりの乙女をつかまえたい  眼の澄んだ 縮れた巻き毛の娘を  その娘を大事に手にとって 口に 胸に 頬に口づけし スカートを パンティーを脱がせる  そのあとは 神の名において 死よ 私を連れて行け  アーメン』 

 

あ~ なんと人間的なヘルマン・ヘッセがそこに居た・・・ これも恋多き文豪ゲーテの影響か?

これから先、僕もこんな風に艶やかに年をとって、素敵な「老い」の人生を楽しんで生きたい・・・

 

読んでくれてどうもありがとう

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2008.07.10 19:10 |  開業 / 病院経営  |  新型インフルエンザ  |  murajun  | 推薦数 : 3

官僚や議員を優先して

久しぶりに【新型インフルエンザ】の話題で~す。

 

最近は、何となく「ワクチン開発」がもしかしたら間に合うかも・・という淡い期待もあって、厚労省の「通達ミス問題」ばかりに熱心になってました。

しかしながら、【ロシュ社のランセットドラム】という特殊な機種だけが(英国でも島根でも)交差感染の原因であるという疑いが次第に認知されつつある現状では、やはり遥かに命の危険の大きな【新型インフルエンザ】の事を時々は書いていきましょう。

 

 

この装置、新鮮なウイルス除去エアーを背中のポンプでマスク内に送れるそうです。少々お高いですが、患者さんから感染して死ぬよりいいですから買おうかな?と悩んでるところです・・・ 税金払うよりスッキリしますから・・・

 

さて、少々「気になる記事」を見つけました・・・例の毎日新聞です。 

 

新型インフルエンザ発生に備えたプレパンデミック(大流行前)ワクチンの臨床試験について、厚生労働省は4日、医師や検疫所職員などを対象に6400人分の接種を8月から実施すると公表した。鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)から製造したワクチン2種類の安全性と有効性を確認することが目的。確認できれば来年度にも医師や警察などの「社会機能維持者」1000万人に事前接種する方針。【5日 毎日新聞】

 

厚労省は、「微量採血器具」や「真空採血ホルダー」による肝炎感染の可能性が完全にゼロとは言えない、と全国津々浦々の禁止通達が届かなかった医療機関を魔女狩りしてマスコミも吉兆報道していますが、今回の【ワクチン】の危険性は「完全にゼロ」だから・・・医師に8月から接種開始するのでしょうね。もっとも、本当に「安全性」が100%なら再確認する必要はないのでしょうが、多分、「あれはあれ、これはこれ」で、「医療に危険は付き物」と承知している医師なら副作用で死んでも文句は言わないだろう・・と感じているのでしょうかね?

そんな事しないで、もっともっと遥かに大切な仕事をしているであろう霞ヶ関の官僚や国会議員に真っ先にしてあげてはいかがでしょう?

 

次の外国記事は、小樽保健所長のHPから拝借しました・・・ 

 

ポーランドの医療スタッフが、昨年無認可の高病原性インフルエンザワクチンの臨床試験を、350人のホームレスや貧しい人々に行っていた疑いで、取り調べを受けている。

当局の発表によると被害者達は1から2ポンドの謝礼金で、鳥インフルエンザ用ワクチンを、季節性インフルエンザのワクチンと虚偽の説明を受け、その臨床試験を受けたが、調査官達によると、それは(開発中の)鳥インフルエンザ用ワクチンであった。
ホームレスセンターの所長によると、昨年同センターでは21人が死亡しているが、その数は例年の平均死亡数が8人であることからすると、異常に多いという。
当局の調査は、ホームレスとワクチン接種の因果関係をいまだ確認してはいないが、ポーランド保健省のエバ・コパクズ大臣は、ワクチン接種に関係した医師と看護師から免許を剥奪すべきであると語った。容疑者とされる医療スタッフ達によると、関係者は臨床試験は抗H5N1鳥インフルウイルス・ワクチンであることを知っていて、快くそれを受け入れたとされる。

 

世界ではこんな事が時々あるんでしょうね。

まさか日本の厚労省が同じ事をするとは思いませんが、ワクチンを優先的にするのは厚労省の役人と政府・与党関係者がよろしいかと思います。とにかく大切なお仕事ですから・・・

福田首相や伊吹幹事長や原課長(部長)や森光課長補佐など・・・お先にどうぞ・・・ 

 

読んでくれてどうもありがとう

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いよいよ今日が厚労省に集まった「正直者じゃないと載れない使い回し悪徳施設」の公表日らしいですね。最初は6月20日締め切りと言ってましたが、あまりの多さに6月30日に延期されました。当院は正直に申告しましたが、7月1日に新聞紙上で訳も判らないマスコミと責任放棄の自治体に屈辱的な晒し者「吉兆の刑」に処せられたのでした・・・と言うところまでは何度か書いています。

 

やっと首都東京都が出ました。少ないですね、大阪の半分です、本当ですか?

10日を前に随分と報道が無いと思っていたら、愛知県の一部の「名古屋市」が8日に市内全施設の調査結果を発表しました。過半数の自治体が6月30日までにHP上に意義不明の調査結果を晒していましたので、名古屋は相当慎重に完璧な調査結果を出すと思っていましたら、8日の時点の回答率は対象となった2140施設のなんと86.8%しかないそうです。

しかも、その「使い回し」施設は僅か51しかなくて、実に素晴らしい名古屋市です。これだと、市内の「使い回し率」は人口10万人当り2.3施設と云う事になり、恐らく全国の最低でしょう。信頼性も最低かもしれませんが・・・・。

@* 2140-1858+51=333  これを名古屋市人口で割りますと 人口10万人当り「15」という数字が出ます。一応、後で比較しましょう *@

 

採血器具の使い回しを巡る問題で名古屋市は8日、市内の全医療機関を調査した結果、51医療機関で採血器具の針のキャップを複数回使っていたと発表した。うち21機関は06年に厚生労働省が禁止通知を出した後も使用を続けていた。調査は市内の2140医療機関が対象で、うち1858機関から回答があった。【9日 毎日新聞】

血糖値を測る器具の使い回し問題で、名古屋市は4日、総合リハビリテーションセンター付属病院(瑞穂区)など市立の医療機関の全7施設で、器具のキャップ部分を使い回していたと発表した。【5日 中日新聞】

 

明日になれば判るでしょうが、マスコミの皆さんには「調査の意義や信頼性」などを充分に把握・理解した上での公平・正確な結果報道を重ねてお願いします。些細なことですが、正直者がバカを見るような不正確で申告だけの調査報道は、霞ヶ関の「居酒屋タクシー」と同じで、ノンキャリア弱小開業医だけを苦しめます。

 

では、厚労省調査結果の報道前夜にこの問題に熱心な「毎日新聞」の7月1日~9日までの「報道」を見てみましょう。数字は、左から「人口10万人当りの施設数」、「2005年の人口(万人)」 回答率は不正確なので一部しか出しませんが、いずれも6月30日の締め切り後です。

 

 東京都    6.4施設/10万   1257万人

 大阪府   11.4            882

 千葉県    5.0           606 (回答率 ?)

 福岡県   10.1           504

 静岡県   11.0           380

 横浜市    6.3           358 (回答率 85%)

 名古屋    2.3           222 (回答率 87%)

 長野県    8.6           220

 岐阜県    8.1           211

 群馬県   10.5           203

 栃木県    8.3           202

 鹿児島   11.9           175

 山口県   16.4           149

 長崎県   17.3           148

 福岡市    8.6           141

 岩手県   17.6           138

 沖縄県    9.3           136

 川崎市    4.1           133 (回答率 76%)

 宮崎県   13.5           115

 富山県   15.8           111

 香川県   17.2           101

 北九州   12.4           100

 佐賀県   27.2            87

 徳島県   15.9            81

 島根県   19.6            74  

 

まだ公表されているところはあるでしょうが、一応この程度が毎日新聞で簡単に見つかります。

この数字の大きな差は一体どうなんでしょうか? 県民性でしょうか? 医学レベルの差でしょうか? 医療機関のサイズの差でしょうか? 自治体の通達能力の差でしょうか?

それとも正直度の表れでしょうか?

 

名古屋市では仮に無回答の施設を全部クロとすれば、上に示したように「人口10万人当り 15施設」となります。なにやら似てますね。

ですから、これは推測ですが・・・・ この「数字の低さ」は厚労省や自治体の「通達ミス」への名古屋市医療関係者の「抗議の意」をあらわしているのではないか?と感じます。そういえば、愛知県は当初調査に協力しないと宣言していましたよね。

 

こんな不公平で不正確な調査報告には実際には何の意味もありません。正直者がバカを見るだけで、将来的にはこの田舎の正直者までが減ると思います。国民の信頼性も更に低下します。厚労省は正直に宣言すべきです・・・【通達が不適切でした】と・・・

 

健康被害が全く?無く、通達ミスも明らかで、器具の機能のバラつきも大きく、教育現場でも不適切に使用され、厚労省や自治体の関連施設でも使用され、メーカーも虚偽報告をしてきたと疑われる・・・・そんな申告調査に、正直に回答を寄せた施設が全国で1万箇所以上もあり、そのほとんどが厚労省との信頼関係を完全に失ってしまった今回の問題、マスコミも適切に報道して頂きたいし、厚労省も大いに反省をして頂きたいと感じます。

 

それにしても、東京は異様に少ないですね。 

 

一度崩壊した信頼関係の修復は容易ではないでしょう・・・・

 

読んでくれてどうもありがとう 

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