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晒し者「吉兆」状態の中で、県から公表されたHPの【正直者しか載れないリスト】を徒然なるままに眺めていると、実に興味深いことが浮かんでくる。医者・研究者の性なのであろう、表やデータを見ると分析してみたくなる。
県HPデータの「目的外使用」ではあるが、厚労省の「五分ルール基礎データ」みたいに【捏造】などは企んでいない。あんな破廉恥な行為をして罷免もされない日本は実に平和で美しい国である。H課長もM課長補佐も日本の医師免許を持つ者の一人として「恥ずかしい」という気持ちなどご存じないのか?
今日は微量採血器具製造販売大手の某社が「使用上の注意」のパンフレットをご丁寧に男女二人で持参してくれた。ウソかホントか、器具メーカー各社は「納入先への説明とシール貼りが完了した」という報告を2006年6月に厚労省に対して行ったとの事なので、HPデータを見つつ質問してみた。
ハッキリさせておきたいのは、その某社の社員なる者が当院に当該事項の説明で来院したのは今回が初めてであり、2006年3月~6月に行われたとされる「説明とシール貼り」には絶対に来ていない。また、説明のパンフレットも2008年6月30日着が最初で最後である。
さて、我々の常識では、充分な説明がなされれば、相手に理解力がありさえすれば少なくとも50%、普通は80%位は効果や変化があると思う。それが、医療機器の「禁忌・禁止」を通達し、おまけにシールまで貼りに来れば90%の医療機関は適切な使用方法に切り替えると思う。そこまでされて変更しない医療機関が10%あるとしたら既に医療現場は終わっている・・・
もしも、その数字より遥かに低い場合には、「通達が現場へ充分に届いていない」ということであり、普通の感覚では「説明とシール貼り」が完了したとは言えないのではないか? 僕はそう思う。
各自治体のHPには詳しく載っているので皆さんの自治体も分析されたらいかがであろうか? 今回の「通達」がいかに通達されてないかが実に良くわかると思う。
では、当県の数字をご覧頂きたい・・・
500を超える医療機関が「不適切な使用」をしたとして先日から晒し者にされている。そのなかで、通達のあった【2006年3月3日よりずっと以前に使用を止めていた施設と使用期間が不明の施設を除いた400を超える施設 ③】にどう通達されたのであろうか?
島根県の保険医協会の独自アンケート調査では8割の施設が「禁忌・禁止」を最近まで知らなかったと回答しているという。当県でのHP上での分析も実は似通った数字を示している。ただ、こちらはアンケートではなく、県のHP上の正確な?数字である・・・
この中で、当院の様に【2006年2月~6月に使用を中止した施設 ①】は「通達」を守った、説明を聞いたと判断できるかもしれないが、メーカーが説明を完了したと厚労省に報告した【2006年6月までに使用中断しなかった施設 ②】は「禁止通達を知らなかった」と云う事になると思う。
つまり「通達を知っていた施設」は、①/③となろう。勿論、③は①+②である。だが、この「通達率」はなんと、たったの 16.8%しかないのである・・・・・
どんな事情があっても、厚労省通達の「通達率」がたったの16.8%というのは悲惨な数字じゃないでしょうか?
メーカーが納入先に「説明とシール貼り」を完了したと厚労省に報告したそうですが、それで16.8%しか効果が出ていないとは摩訶不思議とは思われませんか?
これではメーカーの営業担当の説明能力が幼稚園児並か、厚労省に「虚偽報告」でもしたかどちらかだろうと思われても当然でしょう?
勿論、たった16.8%しか通達されない通達を紙切れ一枚でして「責任を果したつもり」の本省の高級官僚や県庁の役人は、普通の「通達能力」があるのかどうか疑われてしまいそうですね。子供のお使いでも30%くらいは伝達されるでしょう。高校生なら80%はいけるでしょう。なんですか、この16.8%というのは?
産経新聞さん、毎日新聞さん、どう思いますか? 実に低い「通達率」だと思いませんか? これが、厚労省の「通達行政」の実態とすれば日本の医療が確かに崩壊するはずです。
そんなことはないでしょうが、もしも「メーカーから厚労省への虚偽報告」だとしたら恐ろしいですよね。でもそんな虚偽報告を一流メーカーがするはずないですよね。そんなことしたら、牛肉偽装どころの問題じゃないでしょう。
今日は診察室で某社の営業担当の若い社員と話しました。
「君達はまだ若いけど、この16.8%という低い通達率をどう思いますか? 厚労省への報告は正しく行われたと君達は思いますか? 君達は一流企業の企業倫理や社会的責任というものをどう思いますか? 君達は社内の内部調査をして、2006年3月~6月における医療機関への説明が適切になされていないのではなかという疑いを晴らす気持ちがありますか?」
『・・・・・・・・ ・・・・・・』
「無言じゃ困るよ。一流企業の社員として、16.8%という数字をどう感じるかを僕は聞きたいんだよ。虚偽報告の疑いを晴らせないようだと君達もそんな会社で働きたくはないだろ? 上司に言えないのなら、秘かに内部調査をやってごらん、まだ若いんだろ・・」
『・・・・・・・ ・・・・・・・』
「何とか言ったらどうですか? 日本中で10,000ヶ所を超える医療機関が今回のことで理不尽に使い回し犯人扱いをされているんだよ。夫々には数人~数千人の職員が働いていて、彼ら彼女らも不名誉な批判を浴びている。そして夫々には数人のご家族もおられて心を痛めてあるのだよ。つまり、たった一枚の通達されなかった通達が、日本中で数十万人~数百万人の医療関係者と患者さんに非常な心痛をもたらしているんだ。君達や厚労省の官僚は現場の医師だけが悪いと本当に思っているのか? もしそう思っているのなら君達の会社も君達自身も終わってるね。勿論、霞ヶ関の官僚も終わってる。もう一度聞くけど、君達はどう感じるね? この16.8%を? 医者がバカだと片付けるつもりなの?」
『・・・・・ 先生のお言葉をしっかり胸に受け止め、会社の中でしっかりと検討して参りたいと思います。貴重なご助言、ありがとうございました。全国の医療関係者さん全ての声なき声と聞かせていただきます・・』
そうハッキリと僕を見据えて言ったのは、まだ若い賢そうな女性社員だった。男性社員の方はアタフタと声に成らなかったようだったが、正直そうな彼の眼は光るものを浮かべ素直に理解してくれたようだった。
君達みたいに意欲のある真面目な若者が社会をより良き物に変えて行ってくれると僕は感じて少々嬉しくなったよ・・・
医療現場も保健所などの地域行政官も各メーカー社員も協力して日本の医療を良くしていかねば成らない。
厚労省の「通達」の内容がおかしな内容であれば、それも現場が指摘していく柔軟な仕組みが出来ないといけない。そうしないと、極めて低い「通達率」に医療現場が再び振り回されてしまうことは明らかだ。
極めて低い「通達率」は、通達手段もたしかに問題ではあるが、最大の問題は「通達の中身が不適切」だったことだと、そのうちマスコミも理解する日が来ると思う。
読んでくれてどうもありがとう
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