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2008年8月8日、北京オリンピック開会式に隠れるように新商売の構想が発表された・・・ その名も、【厚衛省の医療機関向け通達を優しく解説して相談に応じるリスクマネージメント業】である。略して、【厚通リスク対応型コンサルタント業】である。
度重なる厚衛省の「通達」行政の陰で先頃全国で発覚した「通達事故」の数々。なかなか「通達」自体が自治体や医師会で止まって現場に届いていない悲惨な状況が2008年6月30日の「違反施設正直者晒し者事件」以来次々に明らかになっている。この件以降、医療現場と厚衛省との憎しみの溝が急速に深まり、もはや修復困難とも言われる中で、このままでは医療崩壊と厚衛省崩壊が同時進行してしまうという危機感が厚衛省内部や医師会でも芽生えている。
採血器具再使用など思わぬところに地雷が埋まる昨今の世の中では、医療界における最大のリスクは昨年までの「モンスター患者」を抜いて今年は「厚衛省通達」がトップに立ったとの調査結果が2008年7月30日に医師専用サイト「N3」で発表された。これまでに3系を除く各新聞は全く報道をしていないが、会員制のこの新商売には早くも問い合わせが殺到しているという。
セコイなどと共にオリックソが企画した新商売、実は厚衛省のキャリアの中で不祥事で退職した課長なども含まれているという噂がある。また、厚衛省改革の推進者の印象を持たれている元大臣もアドバイザりーボードに名を連ねてるという。
今回発表された「新商売」は全国各地の医療機関と年会費100万円(病院では、1ベッド当り1万円を追加)で契約し、過去から現在までの複雑怪奇な「厚衛省通達」の数々を現場のスタッフに分かりやすく解説したサイトへのパスワードが渡される。細かな疑問点に関しては、元厚衛省官僚が24時間のホットラインで答えるので、コンビニ診療所や救急現場でも意図せぬ「通達違反」によるリスクの回避が達成されるという。
ある田舎の診療所のM院長に聞いた・・・
『当院も以前は厚衛省からの通達がなかなか届きませんでしたし、問い合わせるとアホかと怒られるし、通達の前にまで遡って謝罪を要求されました。これでは地雷どころか北朝鮮のノドンミサイル並みに恐いので、オリックソと年間100万円で契約を結びました。平安時代のような難しい役人言葉も電話一本で解説してくれますし、今ではのびのびと診察に打ち込めます。五分間なんてあっと言う間です・・』
この院長の廻りでも契約を考慮中の医療機関が急速に増えているという。確かにオリックソは厚衛省元官僚を巻き込んで利益率の高い新商売を考え出したと思われます。
最後に元厚衛省官僚の原社長にお尋ねしました・・・
『素晴らしい企画だと経財連のお手洗い会長にも誉めて頂きました。なにしろ5年位前から熟慮して仕込んでいた計画ですから、まず今後もドンドン発展すると思います。でも、たった五分程度の電話説明で年会費100万円ですから・・・笑いが止まりません。難しい言葉といわれてますが、私達には扱いやすい言葉なんです。現職の後輩たちに居酒屋ハイヤーでも配車してあげないと・・・』
な~るほど~ そうでしたか・・・
【2008年9月15日 3系新聞 青木産科記者】
読んでくれてどうもありがとう
本日の西日本地方の某新聞に「通知違反なし」と題する小さな記事がのった。小さかったものの、友人の医師も非常に気になった様子で、あちこち内情を問い合わせて僕の方に、『どう思う?』と先ほど電話してきた。
その記事というのは、真空採血管用のホルダー再使用問題の件であり、記事には次に様に書かれている・・・
「通知違反なし」 @@県%%%学**
厚生労働省が所管する公益法人・@@県%%%学**が同省の通知に反し、採血管に針を固定させるホルダーを使い回ししていたとされる問題で、通知違反をいったんは認めていた同**は二十&日、「再調査の結果、違反はなかった」と説明した。同**によると、採血ホルダーには一回使用するごとに廃棄すべき「単回式」と、洗浄して使い回しができる「再使用式」があり、同省は二〇〇五年一月、単回式について使い回しをやめるよう通知。同**で使い回していたのは、再使用式だったという。
一見、何のことはない「訂正記事」にも読めるが、少々奇妙なものを僕も確かに感じるのである。友人も随分とひっかるものを感じたらしく、「**」やホルダー大手メーカーのN社とT社の支社、医療機器納入業者各社、更には掲載した新聞社にも内容を問い合わせたらしい。そして『やはり奇妙だ・・どう思う?』と僕に電話して来たわけである。
友人が電話した理由は、「単回式」のディスポホルダーが全国的に品不足で入荷予定が立たずシリンジ採血をしているが職員の針刺し事故が心配で、そんな厚労省関連施設が認める「再使用式」があるなら購入したい、という気持ちからだったらしい。しかし、業者やメーカーからは「再使用式」製品販売の情報が得られず、仕方なく「**」に直接訊ねたそうだ。
「**」の電話の相手は、『今現在は単回式を使用してます。以前は再使用できるホルダー(再使用式のことか?)を使ってました。でも今は廃棄して実物は手元にありません。ですから、どこのメーカーかも判りません。新聞に載ったかもしれませんが、私は良く知りません。記事にした記者さんに聞いてください』と云う事だったらしい。
再使用式というのが思い浮かばない友人が更に詳しく聞くと、「単回式」と見た目がソックリでもっと硬い我々がこれまで普通に使用してきた「単回使用であるべき通常ホルダー」の事を言っているとの印象を得たようだが電話なのでハッキリしなかった。相手も医師ではなかった雰囲気だったそうだ。そこで友人は、「どこのメーカーの製品ですか?」と聞くと、『どこのメーカーでも出してたと思いますよ。例えばN社とかT社とか・・ そう、ベ@ジェ@*とか・・』
友人が、「最近マスコミで問題になっているのはその通常品の使い回しの件なんじゃないですか? あれとは別のものですか?」と重ねて聞くと、『あれは再使用してはいけないとは書いてないと思いますよ。それにここには通知は来てませんから・・』との返答だったそうです。
「通知が来てないって、そちらは厚労省の関連施設でしょ? 厚労省が認めてる再使用式ホルダー製品を当院も是非購入したいのでメーカーと製品名を教えてください」と重ねて訊ねたところ、『厚労省といってもここは労働省の方ですから・・』との事で、『あの通知は業者向けで、ここには来ないですよ・・』との見解だったそうです。
記事に疑問を抱いた友人からの又聞きですから、言葉のやり取りは少々不確か(でも相当正確)かもしれませんので匿名にしておきます。
そこで友人は名前の挙がったN社とT社に問い合わせると、「再使用式」と謳っているホルダーは当社にはありません、という予想どうりの答え・・・実に奇妙です。
一体全体どうなっているのでしょう?
僕はホルダーは、全国どこでも以前は通常品を使用していたハズですから何も全部を単回使用で廃棄する必要もないし、環境面でもマズイと思っています。ですから、他の施設(たとえ厚労省関連の同**)が通知違反をしていたとしても批判を受けなくても良いんじゃないかと思うんです。ですから、とりたてて調べる必要もないし、公表しなくても良いと思うし、通知自体を撤回して欲しいと思うんです。
ところが、この記事を読んで問い合わせると・・・
通常型を再使用式と混同しているのでは?と感じるし、厚労省の公益法人が「違反あり」から「違反無し」と訂正しながらも再調査してシロになったばかりの当該製品を示せないようだし、通達が厚労省内部でも適切に伝わっていないようだし、メーカーも再使用可能な普及品は販売してないというし・・・実に奇妙な感じなんですね。
今後、マスコミで沢山の違反施設が公表されるでしょうが、厚労省内部での正確な調査が行われているのか?そこが非常に危ういと感じさせる記事だと感じました。
僕の「お願い」ですが・・・・
どなたか再使用式とはどんなものか教えてください。
追記)本日、厚労省から「一律に禁止したものではない」という回答があったそうですね。つまり、そのために**は「違反なし」へと変更したのでしょうか? それならそれで、全国一律に公平な報道をお願いしたいものですね。
さっさと、「安全ですから今後も再使用OKです~」という明快な通達を厚労省に変更して出して欲しいですよね・・・
読んでくれてどうもありがとう
診療終了時刻を少し過ぎたところだった。僕は近くの街での勉強会へ向うため車に乗ろうとしていた。ふと携帯電話が鳴った。画面に表示された名前は、基幹病院に心不全コントロール目的で入院してもらっている透析患者のAさんの登録電話番号だった・・・
Aさんは透析歴20年、全身の動脈硬化も進行し慢性心不全で外来透析が相当困難になっていた。僕が循環器専門なので苦心惨憺してなんとか外来管理をしていたが、胸水が引かず低血圧で数年前からはペースメーカーも装着していた。
電話が鳴った時、僕は『もうじき退院になりますよ先生・・また来週からよろしく・・』という優しい上品なAさんの言葉を想像した。しかし、予想に反して電話の相手は涙声の娘さんからだった。
『先生、先ほど母が亡くなりました。大分元気になっていたので近く退院出来ると喜んでいたんですが、本当に突然のことで・・・ 先生の顔が思い浮かんだので・・・』と泣きじゃくる娘さんの言葉は途切れ途切れです。
僕は予想外の報せに驚いて最初は言葉が出ませんでしたが、『先生の顔が思い浮かんだので・・』という言葉を聞いて、つい貰い泣きをしてしまい、お悔やみをキチンと伝えられなかった。Aさんには沢山の思い出があったから・・・
以前も書いたが、透析患者さんと医師・看護師・事務を含めて全スタッフは深く関わっている。週三回、4~5時間、盆正月祝日も無し・・ 体外循環という危険な医療行為を強い信頼関係のもと行っている。妻子や両親と過ごす時間より遥かに長く関係していく・・・
今年に入って心不全が増悪していった時期、Aさんの胸中には何かがあったのかもしれない。寒さが厳しいころ、Aさんから頼まれた。笑顔だった・・・
『先生、娘の結婚式が3月下旬にあるんです。その時は是非とも元気な姿で出たいんですよ。その後はどうなっても仕方ないですが・・』
実際、Aさんの透析は難しいものだった。中2日がどうしても持たない。時間を調節して丸2日空かないようにしたり、時々週4回にしたり工夫していた。特に、結婚式を控えた3月には、保険点数を度外視して週4回の透析をしながら体調を維持した。その甲斐あってAさんは子供さんの結婚式を無事に乗り切った。何度も感謝され、実に嬉しそうだった・・・
その後、週3回の通常透析に戻すとやはり心不全コントロールがつき難くなり、『もう家では無理かもしれません・・』というAさんの言葉で入院を勧めることになった。
『子供の結婚式にもちゃんと出れたし、ちょっと入院して体調を整えてきますね、先生・・ それと、この室内履きは先生へプレゼントです・・』というのがAさんとの最後の会話になってしまった・・・
Aさんがペースメーカーを入れる切っ掛けは忘れようとしても忘れられない。数年前、Aさんは深夜に自宅で失神・痙攣を繰り返した。前日に強い動悸があったのでホルター心電図をちょうど着けていた。翌朝、娘さんの運転する車で当院の玄関前に到着した直後、恐怖に怯える娘さんの声がし、僕を含めて数名が車に駆け寄ると、座席に坐ったままAさんが失神し激しい痙攣が起こっていた。
僕も長いこと循環器科医をやっているが、あれほど激しいアダムス ストークス失神・痙攣を診たことはない。波状的に数回繰り返して数分後やっとAさんは意識を回復したが、その一部始終がホルター心電図に記録され、今でも大事に僕の手元に保存されている。それは、どんな教科書にも無いような激しい心電図所見だった・・・
VPCの散発の最中、VTが生じ、明らかなVFへと移行した。そして・・・どう見ても、一直線となり心停止の状態が20秒ほど続き、かろうじてSRへと復帰しているのである。ちょうど痙攣中に心臓マッサージを車内の座席上で行っていた時に戻ったようである。
緊急処置中に到着していた救急車に移し変え基幹病院へ急いだ。Aさんの意識は車内では混濁・混迷しており、清明になるには20分を要した。
これまでVTからVFで除細動後にSRへは幾度も経験したが、長い心停止を経由しての完全回復は数回しか経験が無い。そして当然ながら全ての心電図経過を記録したのはAさんの例だけだった。僕にとって貴重な経験だったし大変感謝されたが、「稀有な例を記録したことを内心喜んでいる」ようで循環器科専門医として少々恥ずかしく、Aさんに大変申し訳なく感じたことを今も覚えている。
その時以来、何度も危機を乗り越えて来ていたAさんを僕は不死身だと何故か感じていた。きっと元気に退院して再び当院の透析室に明るい上品な姿を見せてくれると思っていた。だから、余計に悲しい・・・
確かに限界が近かったかもしれない。ペースメーカーがICD仕様でなかったことも不運だったかもしれない。
念願の結婚式には出席されたが、もっともっと長生きして欲しかったと胸を詰らせながらスタッフ皆で話をした。患者さん仲間も僕らスタッフも、誰もがAさんを好きだった・・・
読んでくれてどうもありがとう