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< 再チャレンジへの勇気 | メイン | 大変でした・・・ >

拝啓 鴨下 前環境大臣殿 

2008年の福田首相の最後の花道となった洞爺湖サミットでは、【エコ問題】が大ブームのようでしたね。業界や政治家の利権を漁る構造が臭いのですが、それは今日はまあ良いでしょう・・・ それにしても、サミット終了翌日に辞任を表明されたことは少しサプライズでした。

しかしながら 一人、医療界だけがエコから取り残された気がしています。

「安全対策 と ゴミ問題 と 医療費削減政策」・・・政府には総合的に配慮願いたいのですが、夫々が別々に高い要求基準を示してきます。現政府の高官の中で、総合的にこれらの問題と向き合える大臣は医師である鴨下前環境大臣だけなのではないでしょうか? 財務大臣も厚労大臣も首相も全体を判断できないようです。

 

昨今、2008年に生じた高級料亭「吉兆」の「食材使い回し事件」に触発されたのか、医療現場の器具の再使用が問題とされきています。確かに、少なからず問題を含んだものもありそうです。今日も保健所からしつこく調査依頼の紙が郵送されてきて、忙しいのに一日中、2008年頃の古いカルテを調べることに神経を使わされました。その結果は伏せときますが、いちいち命が縮む思いで神経が磨り減ります。

 

なかには世界中で過去に一度も問題が生じたことのない安全なはずの医療器具にまで「一回ごとの使い捨て」が要求され、それに従おうにも全国的な品切れ状態が今後数ヶ月も続くという酷い状況・・・いったい医療機関はどうすればいいのですか?という悲鳴がアチコチから聞こえてきます。

しょせん便もオナラも居眠りもする人間が作るもの、有り難きお上の「通達」にも恐らくは正しいものと正しくないものがありそうですが、「通達してるぞ、知らんのか?」の一言で簡単に片付けられる問題ではなさそうです。

 

さらには、本省からの「通達」が玉石混交、隙間に埋まって自治体で止まり、肝心の医療機関には伝わらない・・ こんな事もしばしば生じています。 

よく医療裁判で医師が敗訴する理由の一つである「充分な説明義務」が、役所には全く必要ないような印象ですね。医療裁判などでは、(一方的な通達ではなく)「対面しての説明でも相手が理解してない場合には説明不充分」と裁判所は医師側を非難します。承諾書だって反故にされちゃいます。これなど、全く「通達行政」と解離しちゃってます。

 

ああ、随分と無駄話をして今日の本論からずれてしまいました。

 

エコの世界では「レジ袋」や「割り箸」、「風呂の残り湯」まで色々と再利用やマイバックなどが推奨されています。洗って再利用・・・食品までバイオ燃料化・・・。家電リサイクル、自動車リサイクル、天下り官僚リサイクル・・・

 

医療現場を振り返りますと、年々「使い捨て義務」が急速に増えてきています。何でもかんでも「患者さんに触れたものは感染の危険が否定できず」に使い捨て義務が「通達」されています。

この傾向は肝炎訴訟の頃から特に増えたようですし、ナースキャップが消滅した頃までは問題も少なかったのですが、2008年には相当表面化してきています。多くの医療機関が記者会見で謝罪させられ、極悪人の様に殺人鬼扱いされてバタバタと廃業していきました。あの頃は狂気が渦巻いていたようです。しかし、喜劇のような「通達」は続きましたね・・・

 

2009年には、聴診器までが「使い捨て」の対象になりました。一本数万円の聴診器は日本から姿を消し、初診時に患者さんに「マイ聴診器」を購入してもらい診察時に持参してもらう制度になりました。当然、安いのでは聴こえません。

2010年には、消化管内視鏡も消毒しての再使用は危険だからと、患者一人ひとりが「マイ内視鏡」を100万円ほどで購入する制度になりました。お陰で庶民は内視鏡検査が不可能になりました。また、検査室は一日一人に使用が限定され、部屋の消毒後まで入室が出来なくなりました。

2011年には、肝炎やエイズや水虫、さらにはインキンタムシなどの感染性疾患の疑いのある人は看護師や医師になれなくなり、突然の解雇が相次ぎました。医師が滅菌手袋をして使い捨て聴診器で患者に触るように義務付けられたのもこの年で、「触診」や「聴診」という伝統的な医療技術が消失しました。

2012年になりますと、医療機関の待合室から椅子が撤去され、患者が手にする雑誌や新聞も「感染の危険がある」との理由で撤去されました。個室の待合室も検討されましたが難しく、自動車内の待合が一般化しました。折りたたみ「マイ椅子」を持ち込むことまでは禁止されませんでした。

2013年には下痢・排便時の便座での感染が危険とされ、病院からトイレが次々に消えていきました。排便希望の方は「マイトイレ」を持参する制度となりました。職員用のトイレがある病院も、扉が全て自動ドアになり、また汚染の危険を減らすためのモニタリングが義務化され、トイレ内の監視カメラ設置が普通になり、それを嫌う女性職員の雇用が困難になりました。

 

2014年になりますと、診察室で患者が咳をしたら、同室した医師や看護師は数日間の観察期間を設けるために自宅待機が義務付けられ、医師不足・看護師不足が凄いレベルに達しました。医師用の隔離室を各病院が設置して、TVモニター越しの診察が普通になり、大手家電メーカーはこぞって家庭用遠隔診療装置を富裕層相手に開発しだしたのもこの年でした。

 

2015年には白衣も患者診察ごとに使い捨てが義務化されました。レントゲン撮影も撮影ごとに室内の消毒の義務化が通達され、心電図も一回ごとに廃棄処分が義務化され、心電図の検査代は一回70万円になりました。ホルター心電図も一回の使用ごとに廃棄か「マイホルター」を100万円ほどで患者に購入してもらう義務が通達されました。

2016年には咳や発熱の患者が来院されるごとに建物の建て替えが義務化され「通達」されました。

2017年には感染症を診察した可能性のある医師や看護師も診察一回ごとに解雇処分にすべき義務化が「通達」されました。

 

そして、2018年・・・厚労省が有り難き「通達」を繰り返しだしても、それを受け取る医療機関が日本国内からとうとう消滅してしまいました・・・

医師でもある鴨下前環境大臣、これら医療現場での「使い捨て問題」は環境破壊とどう関連して考えるべきでしょうか? 注射器は仕方ないとしても、感染の危険性が極めて低い真空採血管の使い捨てホルダー一個でレジ袋が100枚出来るという噂があるとかないとか・・・ ちょっと、医療現場から「医療廃棄物」という名の大量の石油資源ゴミが出過ぎて、環境面で大きな問題じゃないでしょうか? それに、これだけ「感染の可能性」に配慮して使い捨て義務を果しますと、医療費は相当上げないと採算が合わなくなりますよ。

 

読んでくれてどうもありがとう

 

(未来の話なので少々ウソ・間違いが混ざってます。真面目に反論しないでくださいね)

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コメント

コメント一覧

内容もさることながら、タイトルが秀逸です。

P.S. 10周年、おめでとうございます

@@便乗コメント失礼します  by murajun@@
ありがとうございます。でも睨まれ摘発されないか 少し戦々恐々でもあります。
うちも「下毛」咲いてますよ。去年記事にしました。大好きな花の一つです。

written by 地方眼科医 / 2008.06.13 00:51

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