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医療事故調査委員会に関する第三次の厚労省案が今国会にかけられようとしている。形式的に「パブリックコメント」を例によって募集している様だが、不都合な意見は隠蔽して採用しないのが権力者の通例だということが明らかなので・・・一般人の目に晒されるように書き残しておく。
医師法21条というのは、当初は「犯罪に絡んだ疑いのある異状死体を検視した際に、犯罪が闇に葬られ悪人が逃げ切らない様に、速やかに医師が捜査機関に協力する」様に求められて設けられた法律だと思う。
自然死(病死)か、事故死か、殺人か・・・この判断が一見して困難な場合に、医師が捜査機関に届け出るのが法律の趣旨だった・・・と思う。つまり、医療機関内での難しい手技や危険を伴う治療や、予後の極めて悪い状態での死亡や救急現場、周産期での死亡事故というのは当初想定されていたとは思えない。
つまり、医師の眼の届かぬところの犯罪を暴くのが医師法21条だろう。それが何故か今では、「医師が犯した医療事故に責任が問えるか否か?」のみに視点が移動してしまっている。これは全くおかしな流れだと思う。どこの医師が故意に犯罪を起こして患者を殺すのだろうか?
皆さんも検死は幾度もされたことがあろうと思うが、長年検死をしたり通院患者の自宅での死亡事例を見ていると、死亡原因に不自然な事に時おり遭遇する。家族関係が険悪な場合の自宅での自然死(病死)の際には特に悩ましいケースがあると思われないだろうか? そんな時に検死官と現場で何を皆さんは考えられますか? 少しでも怪しいケースを全例司法解剖に回されますか? 家族の顔を見て、少し躊躇して自然死とする場合もあるのではないでしょうか? 僕は遠慮しますが、本来なら全例「家族犯罪」を疑うべきなのでしょうか?
話を戻します・・・
僕は、どんな案が出ようとも、医師個人に責任を擦り付けるような案である限り、医療崩壊は加速すると思います。勿論、故意の殺人は別でしょう。
医療システムをそのままに放置していて、罰だけを強化してどうなるか? 小学生でも予想がつきます。
労働基準法を無視せざるを得ない環境で労働を強いておきながら、過労でミスをして激しく罰する・・・
医師不足はそのままにしておきながら、多忙でミスをして激しく罰する・・・
診療報酬を極端に下げておきながら、超高度な医療を提供できないと激しく罰する・・・
給与報酬を全く考慮せずに、極度に重い賠償額を課する・・・
警察捜査の独自性を知りながら、事故調で事足りると厚労省が「脇を見ずに」勝手に隙だらけの権力強化を画策する・・・
罰する前に、医師や医療従事者の職場環境の改善・正常化をまずやって頂きたい。厚労省が率先してするべき環境改善を全くしないままに、激しく罰する法律だけを作れば、誰がマトモにリスクのある高度な治療行為を低報酬でやりますかいな?
僕は、今回の第三次厚労省案に関わらず、前提条件を整えないままに結果要求だけするような法律を作ろうとする官僚や議員の態度そのものに反対します。内容の議論などまだまだ10年早いのではないかと反吐が出る思いで厚労省の連中を眺めています。
医療崩壊・・・イヤですけど、速度を速めて進行中のようですね。日本が崩れていくのは悲しいのですが、僕の周りの人々の幸福だけは何とか手助けしていきたいと思う今日この頃です・・・
読んでくれてどうもありがとう