| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
最初に、最後まで読み終わってガッカリしたことが一つだけある・・・
3月20日に書き下ろし出版されたと信じて先程「推薦記事」を書いたのだが、実のところは「小説新潮」に昨年後半に連載されていたらしい。既にお読みでブログ等に書評を書かれている医師の方々も多かったと思うので少々恥ずかしい思いをした。ま、ご愛嬌ということでお許しを・・・
先程、前半を読んでの感想を書いてまだ4時間もたっていないが、歓喜しながら読了した。別に遊んでいたわけではない。レセプト改定業者さんが21時位まで仕事をしていて説明を受けたし、通常の夜間透析の合間に尿管結石発作の患者を22時まで診ていた・・ 待機の空き時間が多かったので読めたわけだが、一気に読ませる大傑作であることは間違いない。【バチスタ】より上等、僕の中では最高ランクの海堂作品である。
代理出産のカラクリに関する僕の「想像」は90点くらい当たっていたが、少々複雑なカラクリで感心する。
でも、とにかく痛快だ・・・曾根崎理恵なる「冷徹な魔女」と上司に評される産婦人科女医の 官僚と東大を敵に回した痛快活劇に拍手喝采を捧げないm3医師はいないのではあるまいか?
産科医であるm3トップの「なな」さんや、「春野ことり」さんら女医さん達の忌憚無き感想も拝聴したい。ついでに、マスゾエ大臣や八代委員の意見も聞いてみたい。
マスコミを巻き込んでの現場医師の徹底した反撃開始には、読みながら息が荒くなるような興奮を覚えた。凄いですね・・・海堂さん。「医学のたまご」の天才中学生「曾根崎薫」君がここに登場するなんて・・・海堂ワールドは益々完成の域に達してきているようだ。
ただ、ここまで厚労省と東大を真っ向から正論で批判できる海堂先生って素敵です。きゃーっです。僕が女性なら惚れちゃいます。海堂先生のスペルマを極秘裏に採取して・・・この先はお読み下さい、ネタバレです。
読んでくれてどうもありがとう
我らが海堂尊先生の手になる新刊、【ジーン・ワルツ】・・・まだ「半分」しか読んでませんが、m3の皆さんに強烈に奨めたくなりまして早速記事にしています。
ちょうど半分、141ページまで読んだところですが、最後に待ち受けるであろう強烈な内容が、海堂ファンの僕には現時点でなんとか見えてきました。その想像通りとすれば、今回の作品は凄いです、そこまで想像するか?という感じもしますが、帚木先生の【エンブリオ】ともまた異なる生殖医療の戦慄のシチュエーションです。
ただ、子供に読ませられない内容を初めて含んだ海堂作品であることもまた確かで、いかに素晴らしい作品であっても、医師を目指す子供(娘)たちには残念ながら奨められません。この点は、【ノーフォールト】でも感じましたが、やや主人公の女医さんの奔放な性のせい・・というのが海堂作品としては珍しく「PG-18」のようです。まあ、奔放な性に餓えた枯れつつある中年医師には、適度なスパイスとして嬉しいのも確かですが・・・
この作品は、とにかく素晴らしいです。半分読んだだけですが、計算されつくしたメッセージ性では確実に【バチスタの栄光】を凌駕しています。発行日が何と 3月20日で、翌日の福島大野の論告求刑「禁固1年、罰金10万円」の前日であることが単なる偶然とは僕には思えません。
新臨床研修制度による医療崩壊
福島大野での前置胎盤での逮捕劇
地方の医療 対 東京の医療
東京大学医学部と官僚制度の関連と歪
生殖医療と借り腹・代理母出産問題
産科医が当事者になった場合の生殖本能
医局内での医師の行動様式の変化
などなど、前半だけで圧倒的な問題提起です。
勿論、医師以外にどの程度のメッセージが伝わるのか少々不安な面もありますが、少なくともm3参加者の皆さんにはビシビシ伝わり、恐らくは感情が昂ぶる瞬間を経験されるのではないでしょうか?
特に福島県大野は、北海道の極北市と名前は変えてますが、ほぼ完全に大野の逮捕劇をなぞっています。その他の列記した問題点も、今や完全にスター作家に登り上がった海堂氏にだけは許されるようなギリギリの表現ではないかと感じます。逆に言えば、スター作家が良くここまで現実を表現したな・・ということも感じます。
「産科医療のこれから」のブログで最近紹介されてあった海堂氏の問題意識の表現が単なるサービスでなかったことに敬意を表します。全部読まずに敬意を表するとは・・と言われるかもしれませんが、半分読んだだけでも「今や海堂氏は本物だ・・」と感じます。確か僕と同世代でしょうから、羨ましい限りです。
どうぞ早く手にとってお読み下さい。内容的は、非常に素晴らしいです。
余談(本論?)を少々・・・
以前、小説と映像の関係に関して記事を書いたことがあります。【バチスタ】は映画化ではなく、ドラマ化すべきだった・・という批判でした。
僕が好きな(最近の)医師作家の双璧は、「帚木蓬生」と「海堂尊」の二人です。しかしながら、両者の作品を読む際には非常な感覚の違いを自覚します。何となく感じる作風の違いは・・・
<帚木作品は映画化が似合い、海堂作品はドラマ化が似合う>ということです。<拡がりと俯瞰の映像が浮かぶ帚木作品に対して、アップの表情や建物中の風景が浮かぶ海堂作品>という言い方も出来るかもしれません・・・ どちらも大好きです、内容が素晴らしいので。
読んでくれてどうもありがとう
【たかが五分 されど五分】シリーズの第4弾・・・
今回のテーマは【職員のリストラ】に関して・・・です。ちょっとラッシュしてますが、まだまだ続くと思います。
実は当院の看護師さんたちから、『先生、私達をリストラしないでくださいね。この歳になると、再就職も辛いのよ。まだ、家のローンもあるし』とかなんとか、本気とも冗談とも取れるような発言が相次いでいます。
厚労省のカリスマ、医療の神様であらせられる原課長の「天下の名案」により、当院の外来看護師たちがリストラに怯えています。勿論、優しい院長である僕には簡単に可愛い看護師達の首を切るなどという冷酷な仕打ちなどできっこありません。
しかしながら、「五分ルール」では看護師さんたちの貢献度など全く考慮されておらず、とにかく医師が診療室内で患者と対面する時間のみがお金に換算されるという前代未聞の素晴らしい天下の名案なんです。さすがは医療の神様の考えられることは大胆で素敵です。独創的というのか、僕の様な平民には、医療の神様の考えが理解できません。
一時間に12人までしか診ない、診れないとなりますと、看護師さんが外来に「二人」いる必要は全くなさそうです。この案は、「外来看護師一人、受付事務一人、医師一人」を前提に考えてあるようですね。
当院は、「外来看護師は二名、受付二名、医師一名」が基本ですが、患者が急増した際には看護師も事務も各一名を応援として呼び出します。医師以外に出来る仕事は彼女らに任せ、医師が医師の仕事に専念して患者に最大の時間を割けるようにするためです。ですから、一時間20名でも何とかこなせることも有ります。
今回の「天下の名案」で外来収入が事実上の上限設定されたわけです。五分ペースで診ても、三分ペースで診ても収入は大差なく、とすれば五分ペースで診た方が患者も医師も良いわけです。スローライフ、ユックリズム、エコ診療・・・素晴らしい制度ですね。
となると、外来では看護師も事務も各一名で充分となりますから、普通に考えて「人件費削減のリストラ」を断行するのが経営者としては普通でしょう。正に「医は算術」ですね・・・恥ずかしいですが。
これまでは、例えば小倉~博多間を新幹線で快適に安全にスピーディーに19分で結ぶような診療を心掛けてきました。しかし、これからは45分かけて在来線をユックリ走ることが必要になりました。同じ料金ならお客さんは新幹線を選ぶはずだと僕は考えるんですが、原課長は在来線のファンのようですね。
進化・進歩の時計を逆回しして、昔ながらの鈍行の旅・・・それもまた楽しいかもしれませんね。
世間と時間の進み方が違って、医師の世界は何と言う不思議なファンタジーの世界。技術革新、設備投資による新幹線のスピードアップは悪なのか?
原課長曰く? 『博多から小倉まで丁寧な運転をすれば45分は最低かかります。それを19分で到着しようなんて・・・そんなに短いのは単なる基本的な運転です。ですから、新幹線の特急券なんて無料です。在来線だと鈍行券加算が520円つきます。』
こんな事言われますと、新幹線は半額運賃となり採算が取れず、営業停止を余儀なくされます。かくして昭和30年代へと逆戻りです。
世は昭和三十年代ブーム。医療の世界も素敵なレトロブームのようですね・・・さすがに厚労省ですね。
読んでくれてどうもありがとう