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昨日の午後、僕は「透析現場における新型インフルエンザ対応」への深い懸念を「地元の透析医会」の会長あてにメールした。パンデミック期においてさえ「患者の自宅待機」が絶対に不可能な透析現場での対応は恐らく「不可能」に近いと透析専門医の多くが感じていると思うが、会長は日本透析医学会の理事会に近く問題提起をしてくださるそうだ。素早い対応はありがたい・・・
また、昨夜は「新型インフルエンザ」の講演会をはるばる遠方へ聴きに行った。演者は、ある超重要な病院の超重要なポストの先生で、新型インフルエンザ対策に当たるべき日本の要の様な有名な先生だった。
先生は努めて「医療現場でパニックが生じないように」と配慮されながら講演を淡々と行われたように感じられた。
基本的には、H5N1からはGenetic Reasortment すなはち、強毒性の遺伝子と人への易感染性の遺伝子の組み換えが直ぐに起こるとは思えない・・という考えだったようだ。また、エボラ出血熱並みの60%という高い死亡率それ自体がパンデミックには不向きであるとも言われる。確かに表面的にはそう思うのが普通の医師の感覚かもしれない。
しかし、インドネシアの三世代感染の母系遺伝子背景は強調しすぎては危険だと思うし、治療に当った看護師がAソ連型に感染していた事実を過小評価してもならない。単にラッキーなだけかもしれないのである。
この有名かつ重要な先生は「パニックを防ぐ」という重要な命題を抱えて全国を行脚しておられるのかもしれないし、その役割は充分に理解も出来るが、やけに危機感を感じなかったのも事実である。もしかして本当に危機感を持っていないのでは?と感じる場面も正直なところ多々あった。もしかすると、最も装備が完備されている病院ゆえの安心感からか?
しかし、更に驚いたことには、講演後の質問時間に、会場の呼吸器専門家が暢気な質問を繰り返したことである。僕は著明な重要人物がわざわざ田舎に見えたので「新型対応の具体策」を質問しようと出かけたのであるが、フロアから続いたガッカリ質問に、インポの男性みたいに気持が急速に萎えてしまった。ここで何言っても無駄みたい・・・
同じ頃、東京では「日本記者クラブ」主催の講演会が行われていた。演者は、小樽保健所から「鳥インフルエンザ直近情報」というサイトを立ち上げておられる尊敬すべき外岡立人 保健所長である。そのサイトをご紹介しておきたい。
http://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/index2.html
外岡所長も医師だと思うが、その活動はすごく価値あるものだと思うし、それを「日本記者クラブ」が評価しての講演会だと思う。今日のサイトの訪問者数は急増しているようだ。医師はチェックすべきだと感じる。厚労省の生ぬるい情報操作に惑わされてはいけないのではないか?
2008年 {January}
北部ベトナムで32歳男性が死亡(23日)
西ベンガル州で、鳥インフル様症状を呈した5人が隔離(22日)
インド西ベンガル州、家きんの鳥インフル制御不能に(22日)
インドネシアで32歳男性が発病(22日)
インド、西ベンガル州で鳥インフルさらなる拡大の様相、人への感染が懸念(22日)
ウクライナ、イランでもH5N1鳥インフルが家きんで発生(19日)
インドネシア、8歳少年が死亡(18日)最新発症事例
インド、西ベンガルで発生している鶏のH5N1鳥インフル、さらに拡大の様相(17日)
インドネシアの治療中であった16歳少女が死亡(15日)
インド、家きんの間でH5N1鳥インフル発生が確認(15日)
米国ACLU、パンデミック行動計画の市民権利侵害の可能性を懸念(14日)
インドネシア女性が鳥インフルで死亡(14日)
インドネシアで16歳少女が発病(11日)
英国で野生の白鳥がH5N1鳥インフルで死亡(11日)
中国、父息子事例(12月初旬事例)で、人人感染があったことが想定されると発表(10日)
富山化学、抗インフルエンザウイルス薬「T-705」の日本国内での臨床第II相試験を開始(8日)
MITの研究チーム、H5N1鳥インフルが容易に人に感染しない新たな理由を解明(7日)
英国Acambis社、万能型インフルエンザワクチン(ACAM-FLU-A)の開発に成功(4日)
イスラエルで鶏がH5N1鳥インフル発症(4日)
上に、今年に入ってからの「世界の動向」をHPからコピペしてみた。世界は動いている・・・と激しく感じる。 このような情報から何をどう評価するかは各医師の判断に委ねられていると思うが、正しい情報は知っておかねばならないだろう。

最も注目して欲しいのは、22日の講演会の資料となったであろう、<パンデミックにおける防衛線構築>についての内容である。
What's new? の上にあり、クリックすれば読める。少なからず「希望の光」もあるが、この位の真剣さで政府も中核の医療機関も各学会幹部も全国の保健所も、そしてマスコミも医師も覚悟しておかないと後悔するのではないか?
勿論、このHPなどの目的は「感染防御」にあるのであり、感染拡大を予言することが目的ではない。「感染死を最小限にとどめたい」という目的に向って、正しく情報公開をして国民全てが危機管理をしっかりと行うことが非常に大切なことだと思うし、その意味で福田首相や現在の厚労省幹部にはしっかりして頂きたい。現在の厚労省大臣のレベルを見ても、安っぽいパフォーマンスばかりで、今のままでは極めて不安である。
【新型インフルエンザ対応への温度差】・・・本当の適切な対応は何なのか? 我々医師は冷静な態度を保ちつつ、緊張感のある精神を持ち続ける必要がある。国民と、家族と、自身の生命を守るために・・・
読んでくれてどうもありがとう
コメント
コメント一覧
最初の講演会の演者は喜○宏先生でしょうか?
60%の致死率ではパンデミックは起こらないという見解は今、岩波書店の「シリーズ進化学6 行動・生態の進化」を読んでいるのですが、5章の共進化でミクソーマウイルスが致死率50%で安定した例や、遠くの未感染個体に容易に到達できる病原体が強毒化している例を知った後では疑問に思います。演者がもしこの先生なら、今年の講書始の儀で皇族にご進講された方なので影響力が半端じゃないです。
外岡所長は今月中に直近情報集のサイト運営を止めるそうです。大変残念です。
@@便乗コメント失礼します by murajun@@
コメントありがとうございます。
まだ未確認ですが、外岡所長のサイトは素晴らしかったのに残念ですね。頑張りすぎで心配していましたが、何らかの圧力がかかったのでしょうか?
講演会の演者はその方ではないですね。東京の「国際医療@@@」の責任者の方ですから、影響力はこの方も凄いです。またコメントをお寄せ下さい。
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