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2007.12.03 21:33 |  診療  |  新型インフルエンザ  |  murajun  | 推薦数 : 1

H5N1 その②

新型インフルエンザの脅威を描いた岡田さんの本【H5N1】の話を続けたい。前回は批判的な意見の代表的なものをご紹介したが、おなじ書店サイトから行政の無策を危惧する意見の代表的なものをご紹介したい。長いので少し趣旨が変わらないように略しますがアシカラズ。(以下、コピペ  名前は見当たらず)

 

人の間で流行するようになれば、地球上で最悪の感染症になるH5N1のシュミレーションを物語として書かれたフィクション。
現実では07年11月現在、人に感染した場合の死亡率は2/3を越えていて、H5N1は通常のインフルエンザの常識を超えた全身の感染症である。 諸外国では準備完了の国もあるというのに、厚生労働省のプレワクチン配付(=現実)はこの本の想定よりも遅く1ヶ月後になると発表されたと書いてある。
もし死亡率がこのままで人-人感染が始まれば、現実はこの本に書かれている以上のものとなるだろう。病院は薬もなく医者は倒れ、病人で埋まっていて機能停止、道端に死体が転がっていて、現実がフィクションを越える予想が立つ。
現実を振り返ると、危機を分かっていながら手を打たない日本の行政の典型がここに有る。先進各国は非常時シュミレーションを含めて具体的な検討と予算を付けていることを発表しているというのに。日本の行政はただH5N1の死亡率が減ることを祈っているだけなのか....。全てが終ってから頭を下げてもらっても意味がない。どうせ政府中枢の方々は生き残るのでしょう?
与党と政府が動かないなら、野党の方々にお願いしたい。知識をもって対応する事を始めていただきたい。国民の生命と日本の未来が掛かっていると言ってよいと思う。仮にこの問題が杞憂に終っても、後から頭を下げることしか出来ないトップばかりの日本にあって、危機管理に熱心な政治家がいたことが有権者にどれだけの安心感が醸し出されるか。
感染症は対策をとれば避けることができる。今なぜ政治は動かないのでしょうか?
  

 

前回の批判文の方が指摘されましたように、この本の主旨は「国家的な準備不足、行政の遅れ、責任者不在」などを描き警戒を呼びかけたものかもしれないですね。この感想文の方もその辺を強く感じてあるようです。二名の方とも医師ではないようですが、本自体は一応医師の視点で書かれています。でも僕も行政の問題が大きいような気がします。

 

ここ数年間、政府から沢山の行動計画が発表されているが、実に実際の場面をシュミレート出来ていないかが感じられる。総論明確、各論不明・・・そうしてる間に医療関係者は次々に倒れるに違いない。

逃げる事の出来る人は仕事を放り出し運を天に任せて逃げればいいが、医療関係者はなかなか勝手に逃げられない。勤務医や看護師などは命からがら逃げ出す事は可能かと想定されているが、借金を抱えた開業医は逃げても留まっても破滅らしい。そんな物語・・・医師の皆さん、どうぞ読んだら感想を聞かせてください。

物語中の各論的問題点などは、後ほど書き続けてみたいと思います。なにしろ、行動計画の中の各論・・・全く見えてきません、恐いです。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.12.03 19:00 |  診療  |  新型インフルエンザ  |  murajun  | 推薦数 : 1

H5N1 その①

新型インフルエンザ(H5N1)・・・m3参加者の皆さんはあまり恐くないですか? 

僕はとっても恐いんです。m3ブログサイトで「新型インフルエンザ」をワード検索してみましたら、全部で51記事がヒットしましたが、なんとなんと・・・ 51記事のうち 20記事までが僕の記事でした。と言っても、ちょこっと単語が混ざってるだけの記事が多いのですが、SARSの方まで含めても僕はm3参加者の中で最も新型インフルエンザのパンデミックを心配している医師の一人かもしれません。

僕としては皆さんが話題にされないことが不気味です。皆さん、H5N1には興味が無いんでしょうか? それとも、何か僕だけ知らされていない様な特効薬を皆さんが知ってるのでは?と勘ぐりたくなります。

 

この本、H5N1を昨日一気に読みました。小説家じゃないので表現はシンプルですが、僕ら開業医には実にリアルに書かれています。開業医も大病院の副院長も押し寄せる患者から感染して簡単に死んでしまいます。でも実際の流行時にはこんなものでは済まないでしょう。皆さん、読んでみませんか? ちなみに下の本は出たのが一年前で少し古いですが、上の本と基調は同じです。

 

この岡田さんは今や「新型インフルエンザ」の広告塔的な活躍です。沢山の啓蒙本を出版されています。医師ではありませんが、薬剤部出身のウイルス研究者で国立感染症研究所の女性研究員のようです。かのマールブルグ大学のウイルス学研究所に留学経験もあるようですし、少なくとも国立感染症研究所には意見を同じくする研究者も居られるようです。

でも中には批判的に読まれる方も居られるようで、一応ある書店サイトの感想欄から代表的な批判分をピックアップさせていただきました。僕自身、結構批判的な眼で物事には対応するんですが、この本に関しては、【これでも実際より甘すぎる】と感じています。この辺は後で書こうと思いますが、今日は批判をコピペ(名前なしでした)しておきます。

著者は厚労省管轄の研究所の現役研究者だそうだ。 エボラウイルスを題材にした「ホットゾーン」あたりを真似しているのだろう。あくまでも小説として読まれる事をお勧めする。
研究者の役割は、予想屋でも風説の流布でもないはずである。本書では実在の研究所と共に架空の人物を登場させてストーリーが展開する。そして新型インフルエンザによるカタストロフが起こるシミュレーションなるものを提示したいようだ。 もちろん新規感染症に対する準備は地球規模で必要であることは言うまでもなく、すでに多くの研究者がその対策に従事している。
結局のところ、この筆者は行政対応が悪い事だけを指摘したいのか?そのために最悪のシナリオを作り上げてご自身の研究活動を有利に進めたいのかと思ってしまいます。これは筆者が昨年出した同様な本「パンデミックフルー 新型インフルエンザ Xデー ハンドブック」でも同じ主張である。210万人の日本人が本感染症で死ぬらしい。

ちなみに本書では、新型インフルエンザに対する最新の研究内容は出てこないようです。少なくとも東大医科学研究所にはこの分野の世界的権威がいるわけですから、その方のご意見あたりも入れるのが筋だと思います。
そしてしっかりしたサイエンスライターに新型インフルエンザに関して一般向けに書いてもらいたいと思います。日本にも青山聖子さんや竹内薫という素晴らしいライターの方々がいるのですから。
恐怖をあおるだけの数字の一人歩きは個人にも社会にも何の役にも立たないと思います。
  

 

どうお感じになりますか? ときいても本を読まなきゃわかりませんね。読んでからもう一度「批判文」も読んでみてください。東大医科学研究所の世界的権威とは河岡義裕教授を始めとするグループの事でしょうか?他にも研究は確かに盛んなようですね。国立感染症研究所とトップ争いされているのでしょうか?少しだけチェックしましたが、ここ2~3年以内に画期的なパンデミック防御方法の確立が出来そうには感じませんでした。あと5年ほどパンデミック開始が時間稼ぎ出来れば良いんでしょうが、僕は2~3年以内だろうと悲観的です。

 

この後も、少し「新型インフルエンザ」の話を続けて書いてみたいと思います。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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