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2007.07.20 21:41 |  グルメ / お酒  |  murajun  | 推薦数 : 2

アルツハイマーと麻生失言

麻生外務大臣の【アルツハイマーでもこれくらいは分かる】という発言は正しく報道されていない・・・と僕は思う。

麻生氏は、『たとえアルツハイマー型認知症の人でもこの程度は簡単だから分かるよ』と言ったのではなく、『私のようなアルツハイマー型認知症の大臣にもこの程度は官僚が教えてくれたので分かるよ・・・・』と言いたかったのではなかろうか?いわば自虐的カミングアウト・・・だったら「失言」と攻め立てるのは可哀想である。

農業者をさんざん虐めてきたので農村票が激減した自民党。『がんばりゃドンドン儲かるぜ・・とでも選挙前に言っておけば農民の票なんて簡単さ』とでも思ったのなら大臣として確かに失格だろう。赤城・松岡・久間・厚労大臣などの不適切発言に学習した?麻生大臣はアッサリ撤回・謝罪してしまった。

 

しかし、医師の僕には・・・【麻生大臣の発言は全然理解出来ない】のである。 

麻生大臣は、「日本ではコメ一俵1万6000円くらいで販売している。中国ではキロ1300円で売られているから、一俵で7万8000円だ。7万8000円と1万6000円はどっちが高いか。アルツハイマーでもこれくらいは分かる」と述べた。

外相の発言は、国際化に対応した農業の構造改革の必要性を指摘するため、例え話としてコメ輸出の意義を強調したものだそうだが、【この計算】・・そのまま理解しても良いのであろうか? 【アルツハイマー】云々ではなくて、【発言内容】が大臣として適切か? ココをマスコミや国民にも良く考えて頂きたいし、一国の外務大臣には「誤魔化し発言」は謹んで頂きたいものだ・・・

 

一俵は60kg、米一俵16000円ならばキロ267円である。中国ではキロ1300円で販売出来るので、【どうせなら輸出して267円より5倍近く高い1300円で売ろうよ・・頑張れば日本の農業も展望が開けるよ・・・民主党を応援せずに自民党を応援しようよ、地方の農家の皆さん】という事が選挙前に言いたかった趣旨のようだ。

なるほどフムフム・・・だが、待てよ! 誤魔化してはいませんか? 【安倍誤魔化し内閣の重要閣僚】ですから・・・立ち止まって考えてみましょう。

 

まず、中国で1300円で売られている米は、「新潟産コシヒカリ」や「宮城県産ひとめぼれ」などの【超優良米】である。その日本国内の販売価格は普通キロ350円以上で、キロ500円以上のブランド米や、「魚沼産コシヒカリ」にいたってはキロ740円くらいする。国内でも麻生大臣のいうキロ267円の二倍はするのが普通であり、ココがまず【誤魔化し①】である。中間マージンや輸送コストなども大臣は計算してないのかもしれない。

次に、現在のキロ1300円は現在の様に輸入量が少ない場合の初年度の「ご祝儀価格」である事を忘れてはいけない。中国人への売れ筋はキロ30~80円、日本原産の「あきたこまち」も既に中国東北地方で生産され、キロ100~130円で手に入る。恐らく、数年のうちに中国東北部での「コシヒカリ」や「ヒトメボレ」の生産が開始され、高くても500円以内で市場に登場してくるだろう。そして競争が年々進み生産技術に熟練が見られれば早晩300円以内にまで下がるのは確実だ。そうなると価格面で再び日本国内米は破れ中国への輸出は不可能になる・・・という事は、医師の僕にも分かる。これが【誤魔化し②】である。

 

これまでも「同じ失敗」が日本の農業分野では繰り返し起こってきた。その一例が「イ草」の生産である。平安時代から「御座:茣蓙:ゴザ」と云われ伝統を育んできた【畳の文化】は中国にはなく、西日本での「イ草生産」は日本の専売特許であった。細々と生産されていた中国のイ草は「安かろう悪かろう」で日本人は全く相手にしなかったが、農協や農水省の協力をえながら日本の「イ草栽培技術」が生産コストを意識するあまり中国に積極的に移転していった。

案の定、10年もせずに「中国イ草」の品質は劇的に上がり「日本イ草」と品質に遜色がなくなった。しかも価格は圧倒的に安い。当然、「日本イ草」は価格競争に負けて、国内業者や生産農家は次々に廃業していった。今では、その中国でのイ草栽培自体が「更に儲かるものが現れたので」急速に熱意を失いだし品質低下が続いているが、今となっては敗れ去った日本国内に「良質の日本イ草を再興する余力」は残っていない。全てを「安い生産拠点の中国」に移転して、悲しいほどに衰退して後継者も失った。日本伝統の【畳の文化】も今や不幸な運命を辿っている。

 

同じ運命が「米つくり」を待ち受けることは、医師の僕にも容易に推測できる。特許とか知的財産権とかに無頓着な中国国民。ましてや米の場合には沢山の「種もみ」を収穫出来る。バイオ作物と違って種無し作物は作れないのである。日本の美味しい「コシヒカリ」は、中国東北部で数年のうちに安価に生産が可能になる。「あきたこまち」が作れるなら工夫次第で「コシヒカリ」は作れるはずだ。【輸入解禁のご祝儀相場】に浮かれてる場合ではないのである。ココが【誤魔化し③】である。

 

購入層は中国の富裕層を当て込んでいるようだが、これも間違いだ。実際に輸入を待ち望んでいるのは日本人長期滞在者のほうである。上海と北京に長期滞在する日本人は6万人と言われる。裕福な企業派遣社員であり、日本の米を高いとは感じないだろう。増加の一途をたどる中国在住の日本人は確かに日本産米の重要な購買者となりそうだ。

米の年間消費量は約1億8000万トンで、日本の約20倍。13億の人口を抱える中国は世界最大の米消費国だが、上海に400~500軒あるとされる日本料理店の多くはキロ30円の中国産米を使っており、日本米を使うのは日本人が集まる超高級店に限られそうだ。

結局は、中国当局に関税をピンはねされて、日本人に高い日本米を食べさせるだけになるのではないか?企業が好調であれば経費で購買意欲を支えるであろうが、中国バブルがあと数年で弾けた後まで【超高級米】の需要の伸びが続くとは甘い予想であろう。中国人富裕層がいつまでも高い「新潟産コシヒカリ」を食べ続けるはずはない。彼らは「中国産美味しいコシヒカリ」を安く求めるようになる。ここが【誤魔化し④】である。

 

「中国は魅力的な市場」との幻想を抱いて輸出業務を取り仕切る全国農業協同組合連合会は、6月24日に第1便の精米23トンを送り出した。輸送コストがかかるため、価格はキロで1250~1500円と日本の2倍以上だ。しかし、早くも暗雲は立ち込めている。

お膝もとの農水省の担当官まで、『現地生産の「あきたこまち」や「ササニシキ」も食味が向上していて、輸出に不安がないわけではない・・・』と今から心配して話しているほどだ。

麻生大臣は外務大臣なら先の見通しが暗い事は当然知っているはずだ。誤魔化してまで「自民党離れ」を起こしている農村票を欲しいのだろうか?

それとも、そんな予想も立てられないほど・・・麻生大臣は理解力低下があるんだろうか?

そう考えると、今日の麻生氏の【アルツハイマー】失言の本当の姿が見えてこないだろうか?

 

いま日本の農業政策で大切な事は「目先の利益」にすがるのではなく、「食料自給率の大幅な向上」なのである・・・と医師の僕は感じる。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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イ草の話は知りませんでした。たいへん興味深い分析で恐れ入ります。
written by Tai-chan / 2007.07.21 17:49

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