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2007.07.31 20:14 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 4

10年の月日を経て・・・

先日、ある講演会の座長をした。地元医師会での小さな講演会だった。演者は僕と同じ医局にいた同じ年齢の優秀なA先生、某大学循環器内科の准教授である。

A先生と僕は年齢が同じで似たような研究内容で同じ論文にも何度か名前を連ねた仲である。卒業大学は二人とも勤務先の大学ではなく云わば外様同士だったが、それなりに期待もされていたようだ。留学先は夫々違うが時期はほぼ同じだった。妻同士も大学同窓の仲であり、ライバルというのはA先生に失礼だろうが、何かと「似たもの同志」だったかもしれない。

大学医局と言うところは似たもの同志だと並び立ちにくい。前にも書いたが、僕は自分なりにA先生との競争に勝てる自信がなくなり、将来を考えて静かに大学を離れた。それからもう10年にもなる。

僕は公立病院の科長を経て今は診療所を開業しているが、優秀なA先生は順調に昇進して講師・助教授・筆頭准教授となって全国を舞台に活躍している。今では現教授が教授就任をした年齢となり、まさに教授適齢期である。まだ現教授の任期末が先なため、このまま残って教授になるか他大学に早めに出るかを非常に悩む年齢だと思う。

 

大学組織も時代の波に翻弄され苦悩しているため、医学部教授であるから必ずしも幸福といえる時代ではなくなっている。しかし、研究マインドを持ち続けるドクターの目指すポジションはやはり臨床医局の教授だと思う。学生や若い医師の指導、最先端の研究をやりながら最先端の医療を続けていけるのは有力大学の有力医局の教授しかないであろう。現在の大学の頂点が極めて少数の者のみにしか許されていないのは残念だと思う。もっとアメリカのように複数のトップの形態・ポジションがあっても良いのではないかと思う。ただ、現在流行のお飾り的な「臨床教授」の肩書きを量産するのは姑息に過ぎると感じる。

話を戻そう・・・・

A先生は極めて優秀、人柄も良い。ただ、インパクトのある流行の先端を走る研究業績が全国の有力な候補者に比べると必ずしも強くはない。教授選挙は多分に時の運が絡むものである。タイミングと研究の旬が、研究者の能力や資格を凌駕してしまう不条理な世界でもある。噂ではA先生も一度他大学の教授選に出て負けた事があるという。今も「色んな考え」が胸中を騒がせている事であろう。

「准教授」というポジションはなかなか難しい。最先端の研究をドンドン進めながら、教授に代わって医局の実務も取り仕切り、対外的なアピールも自身と医局の将来の為に休まず続けなければならない。給与も決して恵まれていない、というより安すぎる。留学時のマイナスが永く負担になっているハズである。教授候補としての【旬】は恐らくあと数年しかないであろう。それを過ぎると、運命に見放される事も少なくない。毎年のように全国から次々に若い優秀な候補が現れるハズである。

普通、【教授候補】の多くは全国での講演会活動が急激に増加してくる。全国的に自身の業績をアピールしていく事は教授選を有利に運ぶには必須であろう。勢い僕の地元の様な僻地にも講演会をしに来てくれる。開業医としてはありがたいが・・・色んな事を考えさせられる。

 

僕らは10年前は同じ医局の似たもの同志だった。講演会ではA先生は講演者の准教授、僕はシガナイ無報酬の座長役としてA先生を紹介して質問をする。紹介は出来るだけ有難く、質問は出来るだけ答えやすいように・・・ 僕なりに工夫して努力して、A先生が居心地良いように講演会の座長を務めた。でも、なにか素直になれない自分がいた・・・

あれから10年、もしも僕が研究を続けていたら・・・

僕も教授選への準備に苦しんでいただろうか? あるいは一つ年下の義弟のように早々と教授の座に座っていただろうか? あるいは途中で大学以外の臨床の場で勤務医を続けていただろうか? そして、「そんな僕」は今頃幸せだっただろうか?

僕は開業して10年目に入ったが、経済的にはA先生より相当恵まれてるだろう。数年前に有名大学の教授になった義弟よりも遥かに僕の生活は経済的には豊かである。でも、全く休みも取れず家族旅行にもいけない僕が幸せかというと必ずしも幸せとは感じていない・・・ 准教授も忙しいが、研究者として世界中を飛びまわれる幸福も味わえるだろう。

 

いま10年の月日を経て、A先生と僕は全く違った立場でお互いに苦労を重ねている。どちらが幸せかは恐らく人生を終える時まで分からないのであろう。

小さな講演会の座長をして発表をするA先生を見ながら、僕は色んな事を考えていた。

A先生には早く夢を実現させて欲しいと僕は願っている。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.30 22:01 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 0

聖灰の暗号 ②

僕の神様、帚木先生の【聖灰の暗号】を上巻だけ読みました。何故かAmazon.comが上巻だけしか送ってきません。僕はしょうがないので昨日の日曜日、上巻だけを2度繰り返して読みました。280ページの大作ですが、あんまり面白いのでブログ記事も①②だけじゃなくて③まで行きそうです。

 

上巻だけの感想ですが・・・・

この【聖灰の暗号】は、帚木先生の本としましては、【ヒトラーの防具】に匹敵する名著になる予感です。先生お得意の「フランスの香り」としましては、【白い夏の墓標】や【カシスの舞い】が近いのですが、何と言っても扱う素材の「重要度」と「衝撃度」から言って【ヒトラーの防具】が適当でしょう。ただ、一般的には今回の「カタリ派」より「ヒトラー」の方が認知度は遥かに大きいですからどこまでのヒットになるかやや心配ではあります。もし、本書を外国語に翻訳して出版しても僕は世界中で大ヒットすると確信しています。

懸命なる読者には出来れば、モスの【ラビリンス】を読まれてから本書を読み始めることをお奨めします。ただ、そうなると全部で1000ページをゆうに超えることになりますが、中世の歴史、特にヨーロッパ史・宗教史に興味を持たれる方には相応しいと思います。

 

どなたかが書かれていましたが、本書は【ダビンチコード】に似た雰囲気も持っていますが、日本人が主人公である点では、先生の【アフリカの蹄】などとの共通点もあります。しかも、帚木先生が扱う題材として非常に相応しいものと僕には思われます。

また、どなたかが【カトリック教徒への侮辱・冒涜である】などと激しく先生を非難されておられましたが、自身が隠れキリシタンの子孫という設定になっていますし、上巻の記述内容に限っては全く批判は的外れだろうと思われます。

それだけ、べネディクト13世のアルビ十字軍に殲滅されたキリスト教徒「カタリ派」の歴史が重い意味を持つものとの表れだろうと感じます。

さて、そのピレネー山脈のフランス側、オキシタン地方の山間のつづら道を今年のツールドフランスの一団は第14・15ステージで通過していきました。2000m級の峠を越えながらの超弩級の山岳ステージですが、Carcassonne とか Tarascon とか Foix とか Massat とかのカタリ派縁の地がツールのコースになっています。あの【モンセギュール城】の傍を走り抜けていきます。ARIEGE 地方と言うようですね。近くには聖峰【Vallier 山】が望めるようです。

 

上巻の最後に「カタリ派の魂」とされる秘法を発見するシーンが登場しますが、その【ケール洞窟】は Massat の直ぐ西方に実際にあります。【ラビリンス】も【聖灰の暗号】もピレネー山脈の懐深い場所を舞台にして遠い昔の悲劇がミステリー風に描かれていますが、そんな場所を華やかなツールの大集団が走り抜けていくという現代の風景に感慨深いものがあります。特にフランス人以外の選手や報道陣には「カタリ派」の悲劇の史実は知られていないかもしれません。

 

ツールを愛する皆さん、そんな場所を読後に走り抜けてみたいものですね・・・・

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.30 17:14 |  スポーツ  |  murajun  | 推薦数 : 1

Le Tour de France ③

7月29日のパリ、シャンゼリゼのゴールで今年の【ツール・ド・フランス】も終わった。

このブログのお陰で、今年は久しぶりに【Le Tour】を少し注目していたのだが、期待と裏腹に何となく僕にはつまらなかった。途中で有力選手が次々にドーピング疑惑や契約問題などで脱落していった。昨年のアメリカ人の優勝者にまでドーピング疑惑が再燃してしまう最近の状況は、世界中のツールのファンを非常にガッカリさせる結果になったのではなかろうか?

 

自分の体力・脚力だけが頼りの過酷な自転車競技。特に山岳ステージでの体力消耗は想像を絶するものであろう。しかし、だからこそファンはそんな山道を選手が喘ぎながら頑張る姿に感動して、ツールの勝者を【国の英雄】として永く称え続けるのである。【ベルギーのメルクス】や【フランスのイノー】、かつての僕の神様たちだ。F1の英雄とは違うのであるが、商業主義の魔の手は忍び寄ってきているのであろう・・・

彼らには「悲壮感」と「華やかさ」と「素朴さ」と「強さ」が上手く同居していた。国の誇りを背負ってフランスを周回していた。しかし、こうもアメリカ人の活躍が続くと・・・・ 100年を超える【Le Tour de France】の栄光の歴史も心配したようにやはり翳りだしているのではなかろうか? 僕の心に響く【英雄】は、もう二度とツールには現れないのであろうか?

 

ただ、14ステージと15ステージ。ピレネー山脈のフランス側の山岳ステージコースは、13世紀の悲劇、アルビ十字軍に滅ぼされた【カタリ派】の旧跡を巡る素晴らしいコースであったようだ。この事は、「読書」カテゴリーの【聖灰の暗号 ②】に書いてみたい。自転車ファンの皆さん、読んでみてください。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.30 14:14 |  医療制度 / 行政  |  murajun  | 推薦数 : 2

辞任すべきでしょう ②

安倍さん・・・・ぜんぜん分かってませんネエ

国民は【安倍さんに辞めて欲しい】と思ったのですよ。別に民主党じゃなきゃダメという人ばかりじゃないんです。

安倍さん・・・・自民党再生の為に直ちに潔く辞任してください。そしたら、次の選挙で皆さん自民党に投票するかもしれません。

 

何度も書きますが、バカな党首に【党議拘束】をかけられてしまって、【自民党は全員賛成しろ・・反対したら除名だ】なんて先代変人がやるので、それで乗り切ろうと考えてるんでしょうか?この真性ボンボン宰相は・・・・

 

さっさと男らしく辞任すべき・・・この態度が「美しい国」には必要です。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.30 13:51 |  医療制度 / 行政  |  murajun  | 推薦数 : 5

辞任すべきでしょう ①

日本医師会推薦の武見氏は落選しました。

日本医師会に推薦を依頼しても断られた自見氏は当選しました。

僕は、日本医師会の方針は時代遅れだと思います。

今回は医師会の要請は無視して僕は「当選した方」に投票しました。

こんな社会状況の全然見えてない唐澤会長は辞任すべきと考えます。

 

それと、自民党だけを推薦して政治活動をする「医師連盟」は時代遅れです。

候補者と政党の夫々に対して、毎年毎年状況に応じて個々に政策の摺り合わせや実績評価を行い、点数付けを行って、それに応じた政治献金をすべきだと思います。与党も野党も両方を見据えて対応すべきです。お抱え族議員ではなく、議員の価値の評価して応援する態度を優先すべきです。

モデルとしては、NIHグラントや科研費みたいなものです。医師会がNIHみたいになり、各政治家からのグラントを受付て評価します。 

例えば、自民党のAさんに100点、Bさんに70点、Cさんには20点、民主党のDさんには86点、Eさんには65点、国民新党のFさんには84点、共産党のGさんには68点・・・とかいって、来年は評価を変えて。より良い医療政策を出す人には評価しますよ・・って。

 

時代遅れの政治活動はしない方がましかと思います。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.28 01:14 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 1

聖灰の暗号 ①

僕の神様、【帚木蓬生】先生の新刊 『聖灰の暗号(上・下)』新潮社が発刊された。先生は一昨年のメンタルクリニックご開業後も年一作のペースを守っておられるようだが、今回の作品も非常に興味深い超大作の様だ。

僕は前作の北朝鮮政変を描いた名著 【受命】で、先生が金正日に狙われて【落命】されるのではないか?と本当に心配したが、ご健在で今月新作を出されて何よりであった。

しかし僕は、この新作をまだ読んでいない。何がいけないのか、アマゾンが上巻しか発送しない。下巻はしばらく先になるとの事・・・何故? したがってブログ記事も読書前の①と読了後の②の二回に分けて書くことにした。

 

で、しかたなくブログや書店での「コメント」を探していると・・・まだ非常に少ないコメントしかみつからなかった。でも、賛否両論で非常に「危険な香り」が溢れていそうだ・・・

 

「発見したコメント① 好評」

中世キリスト教の異端、カタリ派の秘密を日本の歴史学者がフランスで追いかける。熱い本だったな。著者のカタリ派に寄せる思いが伝わってくるいい本だった。カタリ派好きの自分にとっては、すごく好きなテーマだし、ストーリーも分かりやすくて(ダヴィンチ・コードみたい?)、あっという間に読み終えてしまった。カタリ派を描いた最近の小説には佐藤賢一の『オクシタニア』もあるが、あちらは、現代の話ではない。あれもいい小説だった。

 

「発見したコメント② 不評」

この作品は危険な問題を孕んでいる。著者によれば、カトリック教会は現在でも極秘裡に異端審問の機能を備え、例えばカタリ派の弾圧に関する同時代資料など都合が悪いものが発見され世に出るようなことを防ぐため、事故に見せかけた殺人、教会内への拉致監禁などを行うとのことである。私はこの説に否定的だが、どうやって著者はこのような暴論を保障できるのか? 更に 1316 年に書かれたと言う文書において、著者は無制限に聖書それも福音書からの大量の引用をしているが、娯楽用の作品にこのような引用をして神聖冒涜にならないのか? 教義問答をくどくどと入れる必要そのものが疑わしいのに,である.こうしてこの作品は全キリスト者を侮辱し、カトリック教徒に無用の苦痛を与えるものになった。およそこれほど信仰に無関心で傲慢な作品はあるまい。大体、Kate Mosse の Labyrinth (2005、 邦訳 ラビリンス) 以後に同様なテーマで先行作を超える作品が書けるとは到底思えないのだ。

 

皆様どうでしょうか? 賛否両論、しかも名著【ラビリンス】に挑戦するかのごとき【帚木先生の久々の海外歴史超大作・・】だそうです。

【ラビリンス】大ファンの僕は昨年の十月にブログで書きましたが、あの「カタリ派」の物語・・・ワクワクします。考えてみれば、ピレネーに関しては【白い夏の墓標】で先生は名著を書かれています。恐らくはフランス留学経験のある先生にとってカタリ派の故郷ピレネーの麓は自身の聖地なのかもしれません。考えれば考えるほど、日本人でカタリ派の作品を最も魅力的に描けるのは帚木先生なのでしょう。

 

早く読みたいです。多分、明日アマゾンから上巻だけ送られてくるでしょうが、下巻が送られてくるまで正常な精神状態で待てるのか?非常に心配であります。

カトリック信者を怒らせるほど凄い作品、【パッション】みたいな危険な作品でしょうか?読みたい、早く・・・

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.27 22:51 |  海外留学  |  murajun  | 推薦数 : 4

英国の夏は涼しそうですね

毎日暑い日が続いていますね。

お隣の県では今日35度を越えたそうです。高齢の患者さんもグッタリしていて、保険に通らないビタミン注射を要求されて「赤字」が膨れ上がっていきます。

庭の蝉も土の中から沢山出てきて、今の庭は穴ポコだらけです。

 

さて、現在上の中学生の娘が倫敦の夏学校に行っています。Harrow School という古いパブリックスクールです。いかにも典型的な名門の「男子の園」に夏休み期間中だけ女子が侵入できるらしく、Newlands とかいうHaus での生活を楽しんでいるようです。

 

それにしても今のロンドンは涼しそうですね。最高で22度、最低で13度位が最近の平均のようです。そんな夏学校では毎日プールを開放してるそうですが、風邪引きそうですね、日本人は。

今朝なんか起きたとたんに25度は軽く超えてましたから、僕も涼しいロンドンに逃げ出したいくらいです。

 

僕はロンドンに2回、合計二週間ほどいたことがありますが涼しかった記憶はありません。僕が行く時は毎日晴れて「暑くて」クーラーが無いのが恨めしかった記憶があります。

最近ではテロの標的としてしか英国も登場しませんが、ロンドンはコソッと楽しい街ですね。一人で滞在した夏は、毎晩ミュージカルか芝居小屋に入り浸り、昼間は有名な場所巡りで楽しかったですね。でも、僕がロンドンで好きだった場所はあんまり観光客が行かない場所ばかりのようでした。

 

まずは、ダイアナの結婚式の行われた教会のテッペン。螺旋階段をグルグル登り、テレビカメラをつるした天井穴から見下ろす様はスペクタクルでしたが、同時に「汗びっしょり」でした。でもテッペンから外に出て周囲を見渡すとCITYが見渡せますが、中高年は心臓麻痺を起こしますので注意しましょうね。

次に、そのCITYの証券取引所。株取引なんてした事もなかったけど世界の中心、一度は見学しとかなきゃと入りました。そして、その近くには「郵便制度発祥の国」である英国にちなみまして「切手博物館」に行きました。切手ばっかり・・・係りのおじさんが「日本人は滅多に来ない」と驚かれました。

国会議事堂の下院の議会も見学しましたよ。白いカツラの委員長?か議長?さんが素敵でした、冗談ですが・・・

そして、お奨めはハロッズの近くの「科学博物館」の中の「医学史コーナー」ですね。凄いですね、スミソニアンなどのアメリカの博物館には不可能な「医学史」の展示。ほとんどお客さんと出会いませんが、医師の皆さん、ここは凄いですよ。ドイツにはもっと凄いのがあるんでしょうか?一番鮮明に思い出すのは、太古の時代からの数々の「避妊具」の展示・・・まあ、何てこと覚えてるんでしょうね、いけません 勉強熱心で・・・

 

それにしても外国は凄く近くなりましたね。今や倫敦の夏学校に行ってるのも東京観光に行くのも同じ感じです。ネットで毎日の天候が分かるし、グーグルアースでどの建物で勉強してどの建物で宿泊してどの道を通学してるか簡単に眺められる。それを観ながらメールして携帯電話して「おはよう」とか「おやすみ」とか・・・外国なのか日本なのか【ちょっと簡単すぎるかも】と思う。

長期留学も同じ感覚なんでしょうね。留学の【遥か彼方の旅の空の下・・・】という時間と空間の隔たりなんてスッカリなくなってしまったのでしょうか?

 

ま、それでも気温も温度も言葉も文化も違うんで外国での夏学校も悪くないかな?と思って昨年も倫敦郊外の夏学校に行かせました。こっちも古いのですが珍しく「男女共学」でした。Haileybury という大学まであるパブリックスクールでしたが、アメリカの郊外の大学のように広大なキャンパスを持っています。

 

Harrow も Haileybury もトップ20に入るような名門校のようですが、パブリックスクール制度を持つ英国人がちょっと羨ましい気持ちもあります。

昨年の帰国後に、娘に古~い池田潔著【自由と規律】という岩波新書を読ませようとしましたが、中学生の女子には少々難しい表現が多かったようです。多分今年も読んではくれないでしょう・・・

 

僕は医学部卒業まで一度も海外に出たことは無かったが、子供のうちから外国を見せるのも悪くは無かろうと思う。

昨年はちょうど帰国直前にテロ事件に遭遇もしたし、ことしも未遂事件が発覚した直後だったが、何かを学んでくれるならいいかな?と思う。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.26 00:14 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 3

The Doctor

医師も人間、最後は病気になって病人として死んでしまうことが殆どです。ですから、医師も病院という場所が出来るだけ「よい場所、暖かい場所」である事を心から望んでいます。

 

マスコミ界の偉い人やコメンテーターの人、最近では道行く人々も、『医者は患者への配慮が足らない』とか勝手に言ってますが、医師も患者の一人なのです。医師の家族も患者の一人なのです。患者になって闘病したり、患者の家族として病気と向き合ったり、医師として治療者に戻ったり、また患者として死んでしまったり・・・。この辺が他の職業とは全く違うのですね。でも、あまり誰も指摘しない・・・ 

 

政治家は落選しても庶民には戻りません。高級選民の感覚です。東京電力や北海道電力の重役さんも休職して庶民には戻りません。裁判官もマスコミさんも退職して庶民に戻って元の仕事に戻る事はありません。休職しても元に戻るまでは被告人や誤報被害者にはなれません。ですから、【医師と患者は利害が反する】と本当に信じてるのではないかと心配します。【医師と患者】は或る時は完璧に同一の立場に立っています。こんな仕事は他にはないでしょう。

 

僕も大学を離れる直前に入院したことは5月に書きました。患者から医師に戻ったわけです。患者体験じゃなくて「本物の患者」になったわけです。

でも殆どの患者さんは「本物の医師に一時的になって再び患者に戻る」ということは出来ません。お互いの理解のためには「患者さんが医学部に学んで医療現場に入る」ことが確実だと思いますが、現場の看護婦さんにも医師の理解が難しい状況ですから、「医師体験」では返ってムゴイ誤解を生むだけの心配もあります。

 

しかしながら、せめて医療行政に携わる政治家とか厚生官僚、医療裁判に携わる裁判官や検事には「医師免許および最低10年間の臨床経験」を最低条件にしてもらうのが良い医療現場の構築には有効かと思います。

 

 

さて、「白い巨塔」を含め「医師が患者になる映画」は結構あります。その中で僕が一番好きなのは、1991年の【The Doctor】です。William Hurt と Elizabeth Perkins が素晴らしい雰囲気を出してました。skinhead の彼女が夜明け前の荒涼とした原野で舞う様にダンスする様はとても美しかった。アメリカの医療にも問題は少なくないが、あの位明るく陽気に変身していける環境は素晴らしいなあと留学中にこの映画を観ながら感じました。

 

確かに、「医師も一度は患者になって入院でもしてみなさい」という言葉は、体験からすると「正しい助言である」と感じます。若い医師の皆さん、良い医師になりましょうね。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.25 01:14 |  診療  |  murajun  | 推薦数 : 3

医師も患者になるから・・・

身近な親戚が2週間ほど前に入院した。脳梗塞だった。

今もまだ麻痺と構語障害が残って経管チューブからの栄養摂取の状況である。開業医であるが、息子が殆ど継いでおり経営的な心配だけは免れた。でももう現役医師に復帰は不可能かと思う。医師だけに自分の病態や予後を感じているはずで、本人が一番辛いであろう・・・

そんな時には担当の医師を「患者の視点」で僕ら医師も見ることになる。この一月のうちには父も叔父も入院した事は先に書いた。「患者の親族」として主治医に対面する時には可能な限り主治医の働きやすいように配慮を心がける。内情が分からないと難しい事かもしれないが、要するに「相手の立場」になって考える・・・と言う事だ。主治医も患者側の立場に立って考え、患者側も主治医の立場に立って考える事。これが、片方に偏ると少し難しくなってきてしまう。

 

状況を考慮せずに無茶な願いをしたり、いたずらに主治医の仕事量を増やしたり、主治医の裁量を妨げたりする事のなきよう僕ら医師は出来るだけ主治医にも配慮する。主治医に圧力をかけたり脅したり、理不尽な要求や条件を出したりして主治医の本来の仕事を妨げる事の無いように特に心がけている。

「患者ハラスメント」という患者の医師に対するハラスメントが非常に増えて「素直な医療」が困難になっているようだ。【ドクハラ】と同じく【患ハラ】は絶対よろしくない。

まず素直な心で担当の医師を尊敬の眼で僕は観る。そうすれば患者の大事な親族として僕らを扱ってくれている事が手に取るように分かる。主治医には警戒感のかけらも感じられない。心憎いまでの配慮をしてくれるが、別に僕が医師だからではない。患者と家族のもっとも気になっている点、配慮して欲しい点をはっきり理解してくれているのが僕には良くわかる。

 

開業医も病院主治医にも絶対に「余裕」が必要である。時間の余裕、経済的な余裕、感情的な余裕、医学的な余裕。余裕を主治医に与える努力を患者側もすべきである。勿論、行政も病院管理職もすべきであるが、【患者からの圧力】こそが主治医の余裕を失わせる最大の要因だと思う。

 

S先生の上司のY先生もそうだが、国立K医療センターの先生方の対応は素晴らしい。これまでに数々の「参考にすべき対応」を見せていただいた。忙しさでつい見失いがちになっていた僕の頭をガツンと一発張り倒してくれたような新鮮な衝撃だった。脳卒中の診療にあたってS先生は理想的な医師だと思う・・・ 非常にありがたかった。

 

患者の親族として病院内を眺め医師や看護師を眺めてみると、最も今必要な事は「余裕」だと感じた。これさえあれば医師・患者・家族関係は随分スムーズに構築できると思う。「余裕」の持てない勤務体制と「余裕」を与えない患者側の要求は医療現場をギクシャクしたものに変えてしまっており、このことは患者と医師の双方を不幸にしていると感じる。

そんな訳で「凄い人格者みたいなS先生に今回は当たった」と感じた。

一般の方には賛同願えないかもしれないが、僕が医師だったことがS先生の態度を急変させてしまったと言う事はありえないと思う。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.07.24 21:51 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 4

携帯電話なんて・・・

今夜は納涼宴会でした。

芝生のガーデンで【バーベキュー】です。日頃頑張ってくれている職員達の慰労目的での子供連れOKの食事会。お隣のフランスからのお客さんとご一緒になり賑やかでした。こんな田舎にもフランス人・・・日本人のノリをもしかしたら下品と感じたかもしれません。

お堀に囲まれたガーデンはさぞや蚊の大群に悩まされると心配して行きましたが、全くいません。しばし田舎のど真ん中にいることを忘れるほどでした。庭先ではフランスの子供と日本の子供がワーワー歓声を上げながら花火を楽しんでいます。子万垂れぶーです。穴クセーでしょうか?

 

しかしながら、院長の僕だけは楽しんでビールを浴びる気にはなれませんでした。出発直前に患者さんからの携帯電話です。タクシーに乗り込もうとした時でした。『蕁麻疹が出た』というものでしたが、院長が遅れますと職員の宴会は始まりません。心を鬼にして『他へ受診して・・』と伝えましたが、宴会が終わってもズ~ッと僕の心はブルーです。電話に出無けりゃよかったかも・・・

 

携帯電話は先の日曜日のプールの中でも鳴りました。『熱が出た』でしたが、少し遠くのプールでしたので休日当番医にお願いしました。でも電話の後は、楽しく子供と泳ぐ気持ちには全然なれませんでした。勤務医の頃はオン&オフが割りとハッキリしていて携帯は嫌でもなんとも無かったんですが・・・

 

使っちゃいけないハズの運転中にも患者さんからの携帯電話はよく鳴ります。本当は運転中は携帯電話で話したくないですが、高速道路でも深夜のベッドでも風呂の中でも映画館でも・・・電源オフにしときたいですが、開業医は常に連絡が取れることを期待されてるようですので切れません。ですから浮気もしにくいです。

唯一、飛行機の中だけは切るようにしていますが、ホッとするより開き直りの心境です。

 

携帯電話番号を患者さんに教えてはいますが、やはり夜間や休日の呼び出し電話は辛いです。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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