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我々は医師であるから、「医師の過酷労働」ばかりを気にしがちであるが、医師であるから「医師以外の過酷労働」もそれなりに知っている。
また、開業医は経営者であるから「勤務者の労働環境改善」と「労働者の健康管理」には経団連のお偉いさん以上に気を配っている。グッドウィルの会長などは出鱈目だ。
診療所には「市長、経営者、管理職、消防職員、警察官、教員、船員、運転手、夜の蝶、風俗嬢、ヒモ、事務職、肉体労働者、フリーター、主婦、身体障害者、老人、学生、生活保護者、暴力団員、外国人・・・」などなど、ありとあらゆる職種や人生観の人たちがやって来る。生活の悩みは色々聞かされるし、本音や家庭環境も知る事ができる。家族の知らない患者の悩みは病気だけではない。
【世間知らず】と批判を浴びる開業医でも、そんな様々なことを知りたくなくても知ってしまう。こんな職業は多分少ないだろうから【世間通】が本当だと思うのだが・・・。だから、マスコミや知識人や経団連幹部より色々と知ってる医師も多い・・・といっても信じてくれる人はすくない。
さて、その【過酷労働】であるが、僕の身近にも沢山転がっている。ちなみに当院の職員達は、「完全週休二日、週40時間厳守、有給休暇消費、その他ほぼ完璧な職場環境」なので、誰も辞めなくて顔ぶれが変わらず毎年古くなって皺が増えていくので困る?位である。しかも名医による健康管理はバッチリ・・早期発見・早期治療、病気欠勤者もほとんどいない。唯一の欠点といえば、給料が安い事くらいだ・・・・・?困ったもんだ?
しかし、そんな「当院みたいに良い職場」ばかりではない。コムスンの労働環境を見たら凄い。介護職員を募集すると、コムスンの職員達が「給与が下がってもいいから雇って欲しい・・」と次々にこられる。
職員達はいいのであるが、問題は職員の家族の方だ。過酷な労働条件で体調や精神状態を狂わしてしまっているケースが良くある。今日もある職員の夫が体調不良で来院した。まだ30代で若いのであるが、つらそう・・・TVでもよく取り上げられるが、「長距離トラック運転手」である。
彼は、夕方に出発して4日目の深夜に帰宅する間は、毎日の睡眠時間は2~3時間ほど。深夜に帰宅後は、夕方まで家で静かに過ごして次の4日間の遠征が始まる。家庭滞在は一日も無い。色んな夜勤者のシフトを知っているが、かなりキツイ職種だと思う。このサイクルを特別な理由が無い限り延々と続ける。特別な理由とは「身体を壊した時」くらいのようで、生活の為に倒れるまでやる・・・という運転手がおおいようだ。TVの報道も同じパターンである。欝になったり事故が起こらないのが不思議である。社会保険庁の職員に「くさ~い股の垢」でも煎じて飲ませたい・・・
しかし、倒れるのは何も運転手だけではない。「運送会社」も倒れるのだ。実際、この職員の夫は前の運送会社が倒産して今の会社に移っている。その間は当院で働く妻の扶養家族で保険もカバーになるが、今話題の給与水準の低い介護職なので生活も全然楽ではない。
仕事があっても収入が無い、そんな日本に誰がした?・・・である。
医師にとって辛いのは、「職員の夫」に休め・・といいにくいことである。処方箋は「休養一番」なんであるが、当院のあるような地方田舎にはマトモな仕事が少ない。
体が辛くて休んで、会社に放置されて、生活に困窮して、家庭が荒れて、夫婦喧嘩して、投げやりで離婚していく・・・というケースが如何に多いか・・・・身近に沢山いるし、患者さんにも沢山いる。
ボンボンの安倍ちゃんや世襲議員や都心専従者には判りっこない・・・でありましょう。なんとかしないと危ないでっせ・・・日本、チャチャチャ。
読んでくれてどうもありがとう。