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2007.06.04 22:50 |  仕事 / 職場  |  murajun  | 推薦数 : 6

医師資格を取るだけ?

最近の【マスコミによる医師叩き】を反映してか、受験生や子供達の間で好からぬ傾向が出始めているという。成績も良く、医師になりたいという願望もそれなりに持っている子供達が、将来の夢に関して不安定な精神状態にあるようだ。

【医学部に行って卒業して医師免許は取得したいけれど、環境が改善されずに悪化するようであれば臨床医としては働かない】という考えが子供達の間で増えているという。実際に医師が自分の子供達に医師になることを奨めにくい昨今の医療情勢ではあるが、かといって医師であることを誇りと感じていないわけではない。医師になりたての時の希望と喜びとを完全には捨てているわけでもない。しかし、現代社会は「健康な医師」であることを寄ってたかって難しくしているのも確かである。

 

今日も奈良で医師が患者家族に刺された。「昔の診療への恨み」だというが、先日も尼崎で看護師が指されたばかりである。各地で驚くような医療裁判は幾つも進行中である。これからは地方切捨ての結果で過疎化が進行する僻地派遣が当然のように語られ、24時間体制を開業医にも迫ろうとし、経済的余裕どころか過労死が当然の世界となっている。「患者家族」に刺されかねない環境の中で、守る手段に乏しい開業医にどうしたら24時間医療が可能なのであろうか?死の危険や訴訟の恐怖と常に隣り合わせである。誰が好き好んで危険を引き受けるのか?

 

さらに危険なのは、これらの「不条理」を若者や子供たちまで実感として既に感じ始めている事である。

成績が優秀な子供達が医学部を目指すのは不思議な事ではなく、僕は当然だとも思う。成績が優秀な子供で心優しき子供達も非常に多い。そして、そのための準備には何年もの努力が必要である。遊んでばかりでは医学部には入れない。しかし志望して実際に働くまでに10年以上のタイムラグがある。今だけを見ては進路は決定できない。

しかし、今後の医療環境は改善する可能性も無くはない。アメリカ型に変貌するかもしれない。生きがいや遣り甲斐を実感できる医師であることが可能にならないとも限らない。だが、就労環境が改善してから医学部入試の準備を始めても遅いかもしれない。文系から理系に変わるのは簡単ではない。だから、子供達は将来に希望を持ちながら受験準備だけはするという。

 

その子供が医学部を卒業して研修を終了する状況において、医療環境に改善が見られず将来が展望できないようであれば、そんな子供達は【医師免許証】を卒業時には意図的に眠らせ、他の仕事を始める覚悟だという。

特に人気があるのはマスコミと金融のようだ。それはそうだろう。完全に勝ち組職業であろう。司法関係のハードルが低くなったため弁護士志望の医学部生が最近はふえたという。以前、ブログに書いたが、医学部卒業生でマスコミや金融の就職試験を受験する人が少しずつ増えていく事が予想され、現実に流れもみられる。

【医師免許を取得しても日本で臨床医としては働く魅力が無い】、と判断した子供達はクールに異業種へ進み成功するものも現れるだろう。今以上にアメリカに飛び立つかもしれない。大リーグはOKで医師はダメともいえまい。甲子園で優勝しても職業野球に進まない・・というのと似ているかもしれない。

 

マスコミに代表される大人たちは、そんな成績優秀な子供達が増えつつあるのをご存知だろうか? 医師不足に加えて臨床医回避・・厚労省技官もそんな人たちだから理解してないはずは無いが、医師不足にさらに拍車が掛かりそうで僕はコワイと感じる。

しかし、医師免許を取得しても異業種に魅力が劣り訴訟リスクが高まり、患者に刺し殺される危険性が増えるのであれば、そんな問題点を敏感に感じ取って人生を選択しようとする子供達を、我々大人は簡単にはとがめる事は出来ないはずである。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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コメント

コメント一覧

医師免許を花嫁修業の一つのように取っている女性がおりました。とんでもないですね。医師免許もただの資格の一つと考える資格マニアもいます。これも、とんでもない話です。
私は以前自分のブログに、医師免許を取っても正当な理由なく診療や研究に従事しない人は、医師になるためにかかった税金を返納するようにしたらいいと書いたことがあります。
先生が仰りたいのは、医師の境遇が悪すぎるからだということだと思うので、このコメントは趣旨から外れているかも知れませんが。確かに優秀な子供たちが医師を目指すように、医師の境遇を改善するのが先決です。

@@便乗コメントしつれいします by murajun@@
コメントありがとうございます。沢山の医師がいれば、医師で新聞記者やTV解説者、政治家、翻訳家、科学者、映画監督、教育者、総理大臣などなど何でもいても僕はいいかとおもいます。先生のように作家も素晴らしい。今でも医師だけにしておくのはもったいない人が少なくないからですね。でも、プラス思考ならいいのですが、天秤にかけて医師が選択されなくなる社会は悲しいですね。
芸能人化して嘘や間違いを垂れ流すのはダメと感じますが・・・
written by 春野ことり / 2007.06.05 05:25
私は自分の子供は医師にさせたいと思います。医師になるレールを敷いてあげることも親としての務めかなと思います。それに反発して別の道に行くも由、ただ何の職業になってもいいんだよという優しい言葉が逆に子供達を優秀な割りに進路を決めれない、そういう子供が増えているようです。

高校の同窓会で恩師が嘆いていました。同級生は交代で高校生に自分の職業についてスピーチをしています。彼等に道標を与えるために。

@@便乗コメント失礼します bymurajun@@
僕の高校も30年前からありましたよ。多分今も続いてるでしょう。僕は呼ばれませんでしたが・・・
written by Tai-chan / 2007.06.05 16:24

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