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最近の【マスコミによる医師叩き】を反映してか、受験生や子供達の間で好からぬ傾向が出始めているという。成績も良く、医師になりたいという願望もそれなりに持っている子供達が、将来の夢に関して不安定な精神状態にあるようだ。
【医学部に行って卒業して医師免許は取得したいけれど、環境が改善されずに悪化するようであれば臨床医としては働かない】という考えが子供達の間で増えているという。実際に医師が自分の子供達に医師になることを奨めにくい昨今の医療情勢ではあるが、かといって医師であることを誇りと感じていないわけではない。医師になりたての時の希望と喜びとを完全には捨てているわけでもない。しかし、現代社会は「健康な医師」であることを寄ってたかって難しくしているのも確かである。
今日も奈良で医師が患者家族に刺された。「昔の診療への恨み」だというが、先日も尼崎で看護師が指されたばかりである。各地で驚くような医療裁判は幾つも進行中である。これからは地方切捨ての結果で過疎化が進行する僻地派遣が当然のように語られ、24時間体制を開業医にも迫ろうとし、経済的余裕どころか過労死が当然の世界となっている。「患者家族」に刺されかねない環境の中で、守る手段に乏しい開業医にどうしたら24時間医療が可能なのであろうか?死の危険や訴訟の恐怖と常に隣り合わせである。誰が好き好んで危険を引き受けるのか?
さらに危険なのは、これらの「不条理」を若者や子供たちまで実感として既に感じ始めている事である。
成績が優秀な子供達が医学部を目指すのは不思議な事ではなく、僕は当然だとも思う。成績が優秀な子供で心優しき子供達も非常に多い。そして、そのための準備には何年もの努力が必要である。遊んでばかりでは医学部には入れない。しかし志望して実際に働くまでに10年以上のタイムラグがある。今だけを見ては進路は決定できない。
しかし、今後の医療環境は改善する可能性も無くはない。アメリカ型に変貌するかもしれない。生きがいや遣り甲斐を実感できる医師であることが可能にならないとも限らない。だが、就労環境が改善してから医学部入試の準備を始めても遅いかもしれない。文系から理系に変わるのは簡単ではない。だから、子供達は将来に希望を持ちながら受験準備だけはするという。
その子供が医学部を卒業して研修を終了する状況において、医療環境に改善が見られず将来が展望できないようであれば、そんな子供達は【医師免許証】を卒業時には意図的に眠らせ、他の仕事を始める覚悟だという。
特に人気があるのはマスコミと金融のようだ。それはそうだろう。完全に勝ち組職業であろう。司法関係のハードルが低くなったため弁護士志望の医学部生が最近はふえたという。以前、ブログに書いたが、医学部卒業生でマスコミや金融の就職試験を受験する人が少しずつ増えていく事が予想され、現実に流れもみられる。
【医師免許を取得しても日本で臨床医としては働く魅力が無い】、と判断した子供達はクールに異業種へ進み成功するものも現れるだろう。今以上にアメリカに飛び立つかもしれない。大リーグはOKで医師はダメともいえまい。甲子園で優勝しても職業野球に進まない・・というのと似ているかもしれない。
マスコミに代表される大人たちは、そんな成績優秀な子供達が増えつつあるのをご存知だろうか? 医師不足に加えて臨床医回避・・厚労省技官もそんな人たちだから理解してないはずは無いが、医師不足にさらに拍車が掛かりそうで僕はコワイと感じる。
しかし、医師免許を取得しても異業種に魅力が劣り訴訟リスクが高まり、患者に刺し殺される危険性が増えるのであれば、そんな問題点を敏感に感じ取って人生を選択しようとする子供達を、我々大人は簡単にはとがめる事は出来ないはずである。
読んでくれてどうもありがとう。
昨夜の親子の会話のキーワードは【second choice】だった。あるホテルのレストランでの夕食の場面(幸せな親子ですね~)だった。
子供達の「将来の事」を話すうちに、娘達が『パパの人生は第二志望ばっかりジャン?』とノタマッタのである。かねてから強く自覚していたことなので、僕も家族を前に苦笑するしかなかった。
どういうことかと言うと・・
中学受験は遠方の第一志望を受験せず、地元の中高一貫の第二志望に進学(受験日が一緒)。
職業進路は第一志望は東大法学部だったが、第二志望の医学部に高三目前で変更(現役受験失敗)。
一浪後は、第一志望の京大医学部ではなく、地方の二流国立医学部へ進学(能力の影響)。
専攻科は第一志望の産婦人科ではなく、第二志望の循環器科へ入局(知人の影響)。
結婚は第一志望の恋愛結婚ではなく、妻とは「お見合い」結婚(モテナカッタのではないが)。
最初の留学は第一志望とは程遠く、現地で志望ラボに自己移籍を敢行(成果をあげるには時間不足)。
開業は研究者としての行き詰まりからであり、第一志望ではない(逃散ではないが)。
大病院の経営者ではなく、小さな無床診療所の院長。
などなど・・・・
なるほどなるほど、僕の人生は確かに一度たりとも第一志望を叶えたことは無いようだ。
と、ここで妻が娘達を前にして僕に猛反発を開始した。
『私との結婚が第二志望とは何事よ? せめて【当時の第一選択】とでも言って欲しいわ。貴方の昔の事は知らないけど・・・君しかいなかった、君が一番だった・・とくらい言って頂戴。』
ごもっともごもっとも・・である。
結婚以外は第二志望、第三志望を甘んじているが、結婚だけは【第一選択】の結果である・・とここに宣言しておこう。この結婚が無ければこの子供達も今の自分の生活もありえなかった。僕は今、85点くらいの合格点の生活を送れている。実に家族のお陰で幸せなのである・・・と書いておく。
微妙なのは、【生涯の第一志望】ではなく【当時の第一選択】という点であるが、人生とはそういうものだ・・・利口な妻も理解してくれるだろう。
だが、子供達に言っておきたい事は、【第二志望でも良いことが沢山あるよ、そこで素晴らしい事が見つかるよ、第一志望に冷たくされても決して残念がる必要は無いんだよ・・】ということなのである。むしろ、第一志望をかなえたようでも幸せではない場合が人生にはよくあるものだ。第一志望を掴んだけれど、想像と違って落胆したり、地位を維持することに汲々としたりして不幸になることもある。
だから、【第一志望を目指す事は非常に大切だが、第一志望が叶わなかったら気持ちを切り替えて再び進み出せばいいんだよ・・】ということを子供達には是非とも伝えておきたかった。どうやら、妻にとっても「僕」は【生涯の第一志望ではなく当時の第一選択】だったようだが、今ではそれなりに満足しているようではある。
人生は終わってみるまでは何が良いか分からないものだ。くさらず驕らず諦めず、これからの永い人生を娘達は歩んで欲しいものである。
最期に、今のところ・・・僕は何も後悔していない。
読んでくれてどうもありがとう。
2005年に発覚した【在上海日本総領事館員自殺事件】にヒントを得た春江一也さんの小説【上海クライシス】は傑作だと思います。
古くは1989年の天安門事件、新しくは2007年一月の人工衛星爆破実験など数々の史実を縦糸に、上海日本総領事館員の恋愛を横糸に、中国やアフガニスタン、新疆ウイグル自治区、中国西域などでの様々な人間模様が緻密に描かれていきます。
中国での【江沢民】派と【胡錦濤】派との確執、中国公安部の暗闘、中国共産党幹部の腐敗、西域民族独立の気運、タリバンと江沢民派の関連、領事館員の取り込み、外務省チャイナスクールの買国的行動などなど、ココまで書いて、中国からも外務省からも殺されないの?という位の迫真の内容です。作家の将来が心配になりますね。その中でも、中国の「風俗店」はほぼ全て公安が管理しており、脅しや強請の舞台装置である・・という現実があるようです。これで政治家の皆様も経団連の皆様も公安に脅されてなければ幸いですが・・・いかがでしょう? ちょっと怖いですよ、日本人男性は海外での風俗に弱いらしいのでご注意しときます。
テロやムスリムの事も記載は多いですが、暗殺されるような書き方ではなくホッとしています。作家のファンとしては、作品によって作家が暗殺されることは好みませんが、出来るだけ深層を描いて欲しいとも感じます。
【外交冒険小説】というカテゴリーに近いですが、先に書きましたように春江さんの特徴は、【史実が多い、外交官が主人公、困難な恋愛模様・・】などであり、決して近未来予想小説とか活劇小説とかとは違います。むしろ純粋な【恋愛小説】の方が近いかもしれません。愛に飢えた中年男には異国の香りも刺激になって「人生をもう一度やりなおしたい・・」などと思わせるほどの強さを併せ持っています。愛に飢えた中高年の医師の皆様、どうぞ読んでみてください。
ちなみに【上海クライシス】というのは、上海が危機にさらされる・・・ではなくて、上海である集団がテロを企画している作戦コード名のようですね。ある集団とは、怖くてかけませんが、911と類似の構図のような書き方でした。
読んでくれてどうもありがとう。