| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
母の日を前に、昨夜 黙って母が消えていた。
僕は金曜日の夜は普通11時位に帰宅する。両親が眠いのに起きて待ってくれているのが通常だが、昨夜帰宅してみると、父がいきなり 『お母さんはどこに居る?お母さんが居ない・・・』と真剣な顔で僕に聞いてくる。確かに母の姿がないが、僕は何を言ってるのか分からなくて、「オヤジもボケたのか?」と心配した。が、何度も『お母さんの行き先は知らないか?』と父が繰り返すので段々心配になってきた。
よく聴いてみると、父が「母の不在」に気付いたのが夕方6時頃、食卓に父の食事を並べて、「コレを食べといて・・」とだけ書いたメモが添えてあったようだ。父は81歳、母は73歳、二人とも年齢の割には非常に元気である。
木曜日の夜、僕が10時過ぎに講演会から帰宅してみると、少し酔って遅く帰宅した父が母に「空豆の炊き方のこと」で苦情を言っていた。酔っ払いの言い掛かりなのだが、酔っ払いに注意しても益々おかしくなる。「熟年離婚されても知らんよ」とだけ注意して、自室にこもって僕は読書に耽った。翌朝の母の表情は普通でおかしなところはなかった。
父は「何か」を感じたのかもしれない。母の自動車も無かった。僕が帰宅するまで夜10時を過ぎたあたりから、ソロプチミストや婦人会役員宅に電話をかけまくったようだったが、その夜会合などは行われておらず、携帯電話も持たない母の所在が分からないままで不安だったらしい。確かに、母が9時以降に遅くなる時には必ず理由や行き先を告げていっていた。だから、僕もなんとなく不安になった。
自動車で出かけて父の夕食を準備して出かけている。家出した雰囲気は無い。事故じゃなきゃいいが・・・もし事故なら意識がないということになる?
結局何の連絡も無いままに夜11時を回り、父の心配がピークに達した頃・・・・・
母がカーネーションを抱えて、ニコニコしながら帰ってきた。
母は少しはなれたF市に、その夜一人で「コンサート」を聴きに行っていたのであった。【佐藤しのぶ 母の日のコンサート】と書かれたパンフレットを見せながら、『凄くよかったわよ~ これ佐藤しのぶ から直接手渡しで貰ったの。2本も貰っちゃった。クラシックの名曲と皆が知ってる歌、ホントに私の方を向いて歌うのよ。2列目中央だったから眼が合っちゃって・・感激したわ』と、未だ興奮冷めやらぬババタリアン・・・である。
「誰かにチケット貰ったの?」と聞くと、随分前に自分で購入していたのだという。それで【2列目中央】だったのである。母も非常に多忙で、行けるか行けないかは直前にならないと分からない生活をしているので、自分の予定を前日までなかなか公表しない。「今夜、@@へ一泊旅行にいくから・・」とか「来週、海外旅行に行くから」とかが多いが、全く報せずに突然消えてしまった事は多分初めてのことだった。
それだけ母が元気に自分の楽しみを抑制しなくなったと考えると嬉しくもあるが、やはり高齢なので事故などが心配である。特に今回、父は「熟年離婚」の恐怖に非常に怯えたのではあるまいか?
【母の日を前に、母が消えた・・・】のではあるが、ドンドン消えて自分の楽しみを勝手に追求してもらって構わない・・・と僕は思っている。僕自身が忙しすぎるので、それくらいしか年老いた母にしてやれる事はない。
読んでくれてどうもありがとう。