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2007.04.09 14:00 |  仕事 / 職場  |  murajun  | 推薦数 : 1

勤務医 ノーリターン

先日の本の紹介、『高学歴ノーリターン』に関して、僕のブログ記事にしてはコメントを多く頂いた。普段、コメントへの返事を失礼ながら書かないのですが、補足の形で書き記します。

この元厚労省キャリア官僚の著書は、極めて刺激的なタイトルですが、僕も実は内容的にはほとんどの点で賛成なんです。よく読むと、「高級官僚への逃散の奨め」になっていますね。医療崩壊は現在かなり進行していますが、霞ヶ関官僚は、これから「高学歴エリート官僚を虐めるなら、逃散するぞ」と脅しをかけている風にも見えます。昨今の公務員改革への抵抗が組織的戦略の結果だという事が良~く分かります。お坊ちゃま医師会と違って相当激しい抵抗への予防線というか先制攻撃ですね。

しかし、この人は「いい事」も書いているんですね。学歴社会崩壊で「金を稼ぐことがすべて」になると、親の姿を見てほとんどの子供は地道な努力を怠り、社会がギャンブル的風潮になり殺伐たるものに変容する。もっと努力して高学歴を得た人、学問的に努力を持続している人に報いる新たなタイプの学歴尊重社会を構築しないと社会が変になり健全な姿には二度と戻らない。「医療崩壊」も似た構造と考えられるし、ある程度その通りだと僕は思うんですね。もっと勉強した人たちを認める社会になってほしいと。

 

賛成できない点は、「医師」を「不当な扱いを受ける高学歴エリートの不満の理由」に位置づけている点ですね。元厚労省キャリアは、医師を意識的にか「開業医」と「勤務医」に分けたがらず、「医師」の収入が多すぎと表現している。医師、特に開業医は全然高学歴ではなく、将来の不安を持たなくて済む特権的な世襲の高額所得者層と信じ込んでいるのはシンジラレナ~イことですね。

しかし無意識なんでしょうが、181ページには、「学歴と職業威信と所得」の三つを備えて、学歴にみあうノーマルリターンを獲得して没落をなんとか防いでいる職業は「開業医」だけだと書いています。283ページには珍しく、「勤務医」はかわいそうなくらい恵まれてないとも書いていますよ。しかし直後に、「開業医」がこんなに儲かるのは日本だけで歪んでいるとも書いてます。

この人、唯一の健全な扱いを受けていた開業医を誉めてるのか憧れてるのか馬鹿にしているのか・・・開業医に対する知識が無く、分析する資格がないノータリーン厚労省キャリアという事は確かでしょう。日本の開業医は、「学歴不要」で「世襲」で将来不安もなく「特権的階級」に属していると本気で信じてるんでしょうか? ジャないと、「開業医は不当に儲け過ぎていて歪んでいるのでよろしくない、他の高学歴の方々よ怒れ・・あいつら同様に金儲けに走ろう・・」などという暴論を吐きはスマイ。

 

現在の勤務医には学歴に見合わない不当な低い評価(リターン)しか与えられず、当然な評価を求めて「開業医」へ転身を図ろうともがく構図が出来上がってしまった。そこに唯一の「学歴と職業威信と所得」を満たす場があるから当然の流れにも思える。僕の場合はお金は無関係な開業決意だったんですが・・・・ そして、勤務医が支える良質な医療は崩壊して・・・「ノーリターン」となりましょう。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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