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2007.03.28 21:14 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 1

ミーナの行進

なんとなんと、今日は素敵な本に巡り会ってしまった。昨年4月発売の『ミーナの行進』は、なんとも新鮮な感動を中年親父に呼び起こしてくれた。

作者の小川洋子さんは、私とほぼ同世代のようだ。この不思議と言うほどではないがファンタジックな物語は一体どこまでが彼女の実話なのであろうか?80%位本当としたら、幸せな子供時代を過ごした女性だと言えるであろう。多くの懐かしい出来事や商品の数々、自然な子供の感情と田舎と都会の混ざり合い・・素敵だ。

 

『芦屋』というお屋敷街の1970年代の物語、たった一度しか私は訪れた事はないが、ミーナと朋子の12歳のたった一年間の人生の交差点は非常に羨ましい。

本屋大賞受賞者の再びの本屋大賞ノミネート作品。『鴨川ホルモー』も、『命短し、歩けよ乙女』も今年のノミネート作品であるが、どれも甲乙つけ難い。それにしても、本屋大賞というのはナカナカ良い作品をノミネートしている。私の場合、娘に読ませたい本ナンバーワンと思う。こんな本が書ける少女時代を送れて本当に小川さんは幸せだ。

しかし、小川洋子さんの作品を読むのは今回が初めてだった。写真でみると朋子のマンマの優しい顔をしてらっしゃる。『博士の愛した数式』というタイトルだけは知っていたが、こんど読んでみようかな。でも、この本が何故「谷崎潤一郎賞」なのか?は不思議である。あんまり関係ない雰囲気なんだけど・・・

昨日もブログに本の話を書いて今日もまたか・・と思われる向きもあろうが、この330ページの本を今日の診察時間内に読み終わってしまった。裏返せば、それ程商売上がったり・・であったわけであり喜んでいいのか悲しむべきか悩むところである。それ程、引き込まれてしまって感動唖然感嘆感涙名のでありました。皆さんにも是非読んで欲しいというか、子供さんにも読ませてあげて欲しい本ですね。何度も言いますが、素晴らしいです。

もともと多読速読ではあるのだが、50人の患者さんを診察しつつ330ページを9時から19時までに読めるのか?よほど閑な開業医・・・と苦しむ勤務医の先生がたにお叱りを受けそうである。しかし、勤務医の皆さんも沢山沢山本を読み漁ってください。患者さんと人間らしいお付き合いをしていく上で、読書は非常に役立ちます。医師は患者さんより多くの人生を知っておいた方が望ましいと思っています。

 

蛇足ですが、先日電車に乗ってたら、目の前に「ミーナ」ソックリの可愛らしい女の子が座っていました。今日、その子の顔を思い浮かべながら読みふけっていたのを白状します。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.03.28 01:00 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 1

日本沈没 第二部

石川県輪島市沖を震源とする震度6の地震が日曜日にあった。ちょうど二年前の同時期に同規模の福岡玄界沖地震があり、やはり日曜日の午前十時前後の発生で、被害者数も比較的少なく、かなり似通った地震の様だ。福岡の時は地震雲が相当噂になったが、石川ではドウだっただろうか?

しかし、東京直下型大震災はスグそこに迫っているのに、関東のインフラ整備に極端にお金を投下するのは如何なものか?せめて震災後の復旧用にお金の有効利用を考え、首都機能移転を真剣に考えたほうが望ましい。だが、石原では東京独占構想のために「日本沈没」が早まりそうで怖い。

 

さてさて、それまで読もうか読むまいか悩んでいた『日本沈没 第二部』を、能登半島地震の報を受けて一気に読んだ。小松左京氏の構想を谷 甲州氏が執筆した475ページの大作であった。

読むのをためらっていたのには少し理由があった。

まず、先頃の映画 『日本沈没』が草薙君の映画になってツマラナイ出来栄えと聞いていて(観ていない)、その延長線上の小説だと感じていたからだ。

それに、このボリュームが大きい。この分量だと駄作に遭遇した時のダメージは小さくない。時間の無駄が嫌なのである。

また、世界中に移民として展開する難民国家が中央政府を機能させ経済的にも問題ないという設定に違和感を覚えたからもある。

共著というものに対しての先入観は、名手トムクランシーがよく誰かに名前を貸して書かせてイマイチの評価を得ていた関係で、パスしよかとずっと思っていた。

 

余談ですが、地震小説の最近の良作としては、高嶋哲夫氏の『M8』が興味深かった。東海東南海地震のシミュレーション小説だが、なかなかの出来栄えで、東海地方の方は一度教科書代わりに読んでみてください。きっと怖くなります。

『日本沈没』は1973年に出版され、当時中学に入ったばかりの私にとっては衝撃作だった。完全なSFなのか、ノストラダムスなのか、まさか第二部を用意しているなんて思ってもいなかった。

 

しかし、この本はちょっと物足りない・・・というのが正直な感想だ。本当に小松左京氏が書くべき本だったのだろうか? 

まず、前提たる日本沈没が無いままに25年後の現代に至っている。小説中の中国や北朝鮮の状況や行動に関しては近未来というより全くの現代だ。科学技術も現代の枠を超えてはいない。しかし、実際と異なり今まで25年間も「日本列島」は存在していない。従って、前提条件が全く異なる「異なる歴史」の現代小説というしかない。

違和感といえば、地球温暖化ではなく地球寒冷化が小説中の重要な未来予想図であって、これも最近の世界の常識と異なり、近未来小説と言って良いものか悩む。また、最後の1~2章が内容的に飛びすぎ急ぎすぎ粗過ぎで、前半に不要な記述が多すぎて、全体のバランスを完全に欠いてしまっている。

そういう意味で、設定は独特で面白いものの、違和感が非常に大きくなり、残念な結果になっていそうだ。

西日本の地震活動が活発化しているそうだ。、火山活動の連動が地下マグマの合体によって生じ、大量の火山灰を撒き散らして、エアロゾルによる太陽光遮断による寒冷化が急速に生じる可能性は温暖化に向かう過程においても数十年で生じうるのは実際にありえそうである。ある意味、地球温暖化より地球寒冷化の方が100倍恐ろしい。7万年前のインドネシアの火山噴火時には氷河期を誘発し、人類は絶滅の危機に瀕したという。ネアンデルタール人はその時代に絶滅したそうだ。

なんだか、温暖化と寒冷化の関係は、タミフルが悪いのかインフルエンザ自体が悪いのかの関係に似ている。どっちもありえるし、一律に判断すべきではない。

まあ、この小説の構想の様な日本政府は出来そうに無いと思う。名作の続編が名作になりにくいのは、映画だけではなかったようだ。なんとなく、第二部は無くて良かったような気がしてならない。475ページを2~3日で読んだが、今週は患者さんが少ないので暇つぶしにはなった模様だ。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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