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2007.03.24 18:45 |  開業 / 病院経営  |  murajun  | 推薦数 : 1

開業医の夜間診療加算?

m3の医師限定掲示板の今月の話題ランキングの断トツ一位は、『開業医の昼間の初診料再診料を減らして、夜間診療加算を少し増額したり、病院側にまわしたり・・』という事らしい。

ブログを始めてから掲示板に書き込むことは止めた。匿名性が高い場所での発言も本音が混じっていて参考にしているが、『開業医vs勤務医』の対立を煽る厚労省の役人根性と低脳マスコミのいい加減さには辟易している。日本医師会の脳天気さにも当然呆れているが、医局生活を知らない若い医師の考えにも危険性を感じてしまう事が増えた。

最近、厚労省の役人事情に通じている人の話を聞いた。情けなくなる暗澹たる将来像が浮かび上がりますね。知らなかったのは、「厚労省では医系技官の方が実務的な力を文官より持っていて、医療政策への影響力は大きい。しかし、進むレールが大多数の医師と異なるために敵対的行動も苦にはならず、ピントが相当ずれてしまっていて、現場の全体像が見えていないようだ・・・」という点だった。これ程のピントハズレな医療政策を繰り返すので「きっと文系の門外漢が頓珍漢な政策を繰り出す」のであろうと信じていたが、医系技官の仕業も少なくなさそうだ。正直、これには参った。

医系技官の姿や生態は海堂 尊さんの小説などにも登場し、不正請求で摘発されたSクリニックチェーンや最近のレインボー汚職技官の風貌から察するに、かなり屈折したものがあるのだろうか?暗黒の帝国に蠢くアンチヒーローやヒールが性に合っているのだろうか?なんとも嘆かわしい厚労省よ・・・

 

さて、問題の試案「昼間の価格を下げて、夜間を増やす」については多くの正当なる反論が掲示板ではなされている。一般諸氏に御覧に入れられないのが残念だが、不正に覗き見ておられるであろうマスコミ関係者と厚労省のお役人さんのオムツの中を覗いてみたいものだ。あ、オツムの方・・・

私は、夜間診療は少しだけしている。但し、深夜の新患はお断り。理由は、強盗や不審者と区別がつかないから・・・ 

開業医は事業主。多額の借金を抱え、多くの職員とその家族の面倒を見る責任がある。開業医はお金持ち・・といまだに信じている強盗や外国人窃盗団から身を守るリスク管理をしなければならないのは当然だ。

僕は職住別である。新患には携帯電話番号を教えていないが、他の患者さんから聞いた携帯番号にかけてくる新患さんもタマにいる。新患じゃなくても、1年以上診察してないと名前を聞いても普通思い出せない。一応、発信番号が判るように携帯電話にかかる様に工夫している。携帯番号ではなく、固定電話番号でかかってくれば一応人物特定が可能であろうが、携帯や非通知だと不審者を否定できない。

一番危険なパターンは、不審者や強盗が深夜に診療依頼を装って電話をし、開業医がたった一人で診療所に車で到着した際に、復讐のつもりで刃物で襲ったり、鍵を開けさせて一緒に診療所に押し入って金品や通帳や薬品類を強奪する場合でしょう。なにも深夜に限ったわけではないが、「よく知らない誰かに呼び出されて、たった一人で対応する」のは現代社会では非常に危険になりつつある・・のが社会の常識です。殆どの内科開業医は今も性善説で働いていて、時間外の診察依頼を笑顔で受けるのが普通であるが、もし本気で悪い人に狙われたら完璧に危険な状況に簡単に遭遇します。強盗殺人・・・には時間外診療依頼偽装は最適です。

ですから、僕はルールを決めています。

当院の受診歴のある患者さんには全員に転送用の電話番号は知らせる。医師一人だけの時は、時間外電話は着信記録の残る携帯電話で基本的に受ける。これで、時間外初診の人は激減する。非通知の人は受信しないか、出てみて名前を思い出す人だけ対応する。携帯からの場合は、出てみてヤハリ名前を思い出す人だけ対応する。名前を聞いて顔を思い出さない場合は、相当期間診療していない患者さんで「かかりつけ患者」では無い事が多い。つまり、時間外初診と大差が無く、不審者からの偽装呼び出しと区別は出来ない。

固定電話からの場合には、まず100%24時間365日、トイレの中でも風呂の中でも、Hなお取り込み中でも、映画館でも、高速道路でも一応電話に出てみる。例外は飛行機のなかだけ。そして名前を聞いて顔を思い出さなくても、僕が診察可能な状況にあって、対応出来ないほどの重症患者ではなくて、僕の機嫌が良ければ万難を排して診察している。でも、最近は「機嫌が悪い」ことが増加中である。ただ、深夜に診療所に出かける時は万が一を考えて、「電話をくれた患者さんの電話番号」をメモに残して、家族を起こさないように娘の寝顔を見ながら一人静かに出かけていく。

最近は、深夜に呼び出しといて現れないクソ患者も増えたが、電話番号さえ判っていれば、ノーショーの理由を聞くことが出来、朝まで待ちぼうけを喰らう心配もない。リスク管理に患者さんの固定電話番号をメモする事は大切な事だ。

そうやって、出来るだけ不審者排除と患者利益を両立させて現在は頑張っているつもりであるが、今回の夜間診療加算案を聞くと逆に気持ちが萎えてくる。金のために働くとみなされた場合には、時間外電話を受けること自体を止めるかもしれない。

 

アメリカに限らず、多くの外国では時間外に開業医が一人深夜に呼び出されて出かけるなんて、「どうぞ、殺すかレイプするか盗むかご自由にしてください・・」と同義である。

そんな社会にもうスグなるんじゃないか?というのが昨今のニュースを見ていると感じられて、冬の夜空が余計寒々と感じられる今日この頃である。

 

開業医の皆さん、命は一つ、職員や家族の生活を守るのは貴方です。リスク管理を充分にして、安全な時間外診療を行いましょう。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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コメント

コメント一覧

時間外診療の点数を増やす。この事実は、診療の基本的な体制を壊すことになる。なぜならば、休日診療を実際に行っているうえで、本当に休日に、あるいは時間外に診療が必要な症例は、受診者の1割にも満たない。『待たずにみてもらえるから』、『具合は良くなってはいるが暇ができたから』などであり、『数日前から具合いは悪かった』人たちが殆どである。
このような例を、保険診療で行ってゆけば、事故の健康管理が常になおざりにされる習慣を作り出し、医療担当者は、常に身体的負担と、診療に対しての経済的負担は増えるばかりである。時間外診療での資材管理や人的準備も十分に行わなければ、医療訴訟を増やすだけとなる。
時間外診療費の増加は結構ではあるが、患者の自己負担率も現行の2割程度から、8割負担ぐらいにすべきであると考えるが、いかがでしょうか。
健康管理は医師のみではなく、自己管理が中心であることを徹底させるべきである。医療機関をコンビニにしてしまうような、保険改正は、現に慎まなければならない。最高の医療を受けるためにも、時間内受診を、進めるべき方策の検討がなされるべきでしょう。
written by はまちゃん / 2007.03.25 20:08
これは、病院が勤務医減少(逃亡?)でタイヘンだから開業医にも責務を与える、って意味もあるでしょうが、現実的には、ふだんの時間内診療の初診料、再診料を引き下げることが主眼、と考えるべきですよね。(なにせ、時間内と時間外では患者数が圧倒的に違いますから...)しょせんは、医療費を抑えること(総枠規制)にはかわりないでしょう。
written by Doctor Takechan / 2007.04.08 01:33

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