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『華麗なる恋の舞台で』という邦題は、映画を観終わった後に考えても私には全然シックリこないが、原題は『Being Julia』らしい。主人公の女優がJulia という名前で、ヨッポドこっちの方が心情的にはピッタリくるが、サマセット・モームの原作小説の邦題である『劇場』もなかなか悪くない。
今週も優しい夫(私の事)は、愛する麗しき妻の息抜きに付き合う形で、誘われるままに映画館に足を運んだ。突然のお誘いに付き合うのは二週連続だが、来週は私が観たいのがあるので三週連続になるやもしれない。先週の『Dream Girls』 が良かったので、今回も「面白いのか?」と尋ねながらも、どうせ知りもしないだろうから彼女の返事を聞かずしてお付き合いした。それにしても、私の愛する妻は毎週息抜きばかりしている気がしないでもない・・と言うと叱られそうだが、幸か不幸か妻はブログの存在を今も知らない。
後で調べてみると、なんと2005年のゴールデン・グローブ賞受賞、アカデミー賞ノミネートの堂々たる作品だったが、そんな事は妻も私も全然知らずに、「あなたが好きな『なんとか・ベニング』が出てるそ~よ」という事で、一応私のモチベーションは上昇した。しかし、2年も前の作品らしいが本邦初演というから???である。こんな面白いのに何故?
今回は小さな名画座での上映で、名作のリバイバルかと疑ったほどだ。それもさにあらん・・・その名画座は客が少なく今月一杯で閉店するそうだ。単立系はシネマコンプレックスに圧されて経営が苦しいのであろう。これから日替わりで人気リバイバル作品のお別れ興行があるようだ。『カンダハル』などもここで観たんだったなあ。
話を戻そう。舞台は1938年のロンドンだが、現代のLondon の街並みが全く違和感がないところが凄い。London の劇場は、NYの劇場と全然違う雰囲気を持っている。映画の中の劇場は非常に立派な佇まいではあるが、よくLondon で見かける劇場は得体の知れない芝居小屋の気配で、劇場内で迷子になることも不可能ではなかろう。綺麗に着飾る必要もなく、マチネーが似合うのもLondonの方だろう。
粗筋は・・・・・自分の俳優人生に倦怠感を抱いていたベテラン女優のJulia は、ある日「あなたのファンです」と言って現われた20ほど歳の離れた米国人男性TOMと恋に落ちる(つまり、SEXに溺れる)。その男の若いエキスを吸い取るように女優として輝くように復活を見せるJulia だったが、その後、アメリカ男は彼女をあっさりと裏切り、新進女優のもとへ去ってしまう(つまり、SEXに溺れる)。顔では強がって見せても、実はかなりの精神的痛手をこうむったJulia 。しかも、アメリカ男は新人をJulia の芝居の共演者に売り込み、演出家である夫までもが新人女優にぞっこん(つまり、SEXに溺れる)であることを新作の初演を前に息子から知らされる。
しかしここからが大女優の本領発揮。遂に幕が上がった舞台上で、彼女はとっておきのリベンジを用意していた…。後は、どうぞ御覧になってください。英国風で、ジャージー島も登場して、芝居好きには相当いい映画です。
しかし、最大の見どころはアネット・ベニング自身の存在ですね。ある時は「ホントに老けちゃった疲れたおばちゃん」だと思っていると、次の場面では「可愛い歯茎を見せて天真爛漫な子供のように笑いころげ」たり、「凛とした貫禄の大物女優の顔を見せたり」する。最初から最後まで刻々と変わるアネット・ベニングの表情を見ているだけで飽きることがなく、なるほどアカデミー賞ノミネートも納得の存在感だ。しかし、お肌のシミが気になり、艶やかさも消えうせ、顔には皺が目立ちますね。さすがにキスは上手ですが、若者とセックスに興じる場面では中年女性の哀れみさえ感じました。でも、彼女は今でも色気があって綺麗です。私なら充分OK、仕事も捨てて溺れる事が出来ます。
話は変わるが、素晴らしきアネット・ベニングの映画 『心の旅』はNYの物語だが、往年の名女優グリア・ガーソンの映画 『心の旅路』はイギリスの物語、その名も『London Harvest』だった。同じ原作を日本では、佐久間良子主演で秋田角館の乳頭温泉を舞台にドラマ化されて、若い私は彼女の純愛に涙した。記憶喪失の男性の名前は「村澤武彦」で、私は一時期それをペンネームとして使用していた事がある。・・・つまらない想い出だ。
今回の『Being Julia』 は、『心の旅路』に比べると純愛ではなく不倫、不倫、色恋ざた・・ばっかり。「草臥れた芸を生き返らせるために、足を開いてあの青年に熱いセックスをしてもらえ・・」と、死して劇場の精霊と成り果てたジュリアの師匠、マイケル・ガンボン(ハリー・ポッターのダンブルドア校長でお馴染み)が凄いセリフを述べる。不倫やセックスは芸の肥やし・・とは、古今東西の真理なのか?いい映画なのだが、思春期の娘達には決して見せられない場面が沢山ある。R指定ではないが、大人の女性の映画である。しかし、男は寝た女性には非常に弱いなあ・・・
夫婦水入らずでそんな粋な映画を子供の塾の間に楽しんでいたのを警告するかのような子供達のメール・メール・・ ちょうどクライマックスの舞台の復讐劇の最中のメール攻撃で、大切な台詞をいくつも聞き逃してしまった。
悪い事は出来ないものだ・・・
読んでくれてどうもありがとう。
以前も書いたが、2008年のアメリカ大統領選挙は非常に興味深い。何しろ、女性二人が多分死闘を演じるからだ・・
ディック・モリスとアイリーン・マクガンの共著でアスペクト社から3月7日に翻訳出版された『ヒラリー vs. ライス 次期アメリカ大統領をめぐる闘い』を週末に読んだ。民主党はオバマ候補の記載が何故か著しく少なく、どうやら2005年の米国出版を最近少々手直しして日本で翻訳出版した雰囲気の内容であった。だが、非常に良く書かれた「対決本」だと感じる。
まず、著者はビル・クリントンの顧問をしていた関係でクリントン夫妻を知り尽くしている感じだが、喧嘩別れでもした様なヒラリーに批判的な記載も少なくはない。共和党と民主党を行き来するアメリカ人は決して少なくはないが、ライスを持ち上げて書かれた印象が強い。
Condoleezza Rice は相当凄い。アラバマ州で差別多き時代に幼少期を過ごしながらも、牧師の一人娘として多彩な能力を完璧に発揮して成長してきた。フランス語・フルート演奏・ピアノ演奏・バイオリン・バレエ・スケートなどは相当な腕前で学業優秀。19歳で大学を卒業し、パパブッシュ以来、スタンフォード事務局長を挟んで国務長官に至るまでの経歴は完璧だ。コンドリーザという名前は、イタリア語の音楽用語「甘美に演奏する コン・ドルツエッツア」からとられた。彼女は一生男性に縁のない堅物の処女かと思っていたが、学生時代にデンバーブロンコズのNFL選手など数名のスポーツ選手と交際していたらしい。
対するHillary Clinton は相当リベラルでビルもタジタジらしい。穏健派で時折リベラルのビルに対して、相当リベラルで時折穏健派の顔をするヒラリー。上院選挙からヘアスタイル顧問をつけて徹底的なイメージ戦略を図っているらしい。民主の有力者だけでなく共和党の有力者にまで愛想を振りまくものの政治的実績は皆無だと手厳しい。ヒラリーには逆境に陥ると泣き出す癖があるらしいが、可愛いと私は感じる。
民主党は結局、オバマを押さえてヒラリーが指名獲得するのは間違いなかろう。その時、ジュリアーノやマケインでは全く相手にならないし、この二人が共和党の指名を獲得する可能性も大きくはない。ヒラリーに対抗するにはライスを担ぎ出すしかないと共和党が気付いた時、土俵際の逆転でヒラリーは敗れ去る可能性が高まる。果して、Condi Club支援者に推薦されて、現役軍人だったアイゼンハワーの様にライスは最終的に出馬するのであろうか?是非出馬して、二人の闘いを観てみたいが、最後には国の将来を考えて完璧なライスを選ぶべきだろう・・・
というのが、この本の大筋である。
私は、その時にヒラリーは対抗してオバマを副大統領に立てようとすると思うが、オバマはヒラリーとは相容れず、次を狙って副なら辞退すると思う。そして、結局のところライスが、初めての女性・黒人大統領の称号を勝ち得ると想像する。その後は、ヒラリーは急激に老いて醜くなり、上院議員へ返り咲きを狙わずに政界を引退すると予想する。
この本の中には二人の女性候補の対照的な人生と成長の過程が非常に詳しく興味深く書かれている。私には二人の娘がいるが、私が本を読みながらライスとヒラリーの話をするのを熱心に聞いてくれて、子供ながら「女性の未来」に希望を見出した様子だった。
皆さんも大統領選挙の前に読まれてみては如何でしょう?2008年のアメリカが楽しいものに感じられると思いますよ。
読んでくれてどうもありがとう。