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2007.2.14に『患者の涙』、2.19に『ジェネリックへ変更可ですか?』という記事を当ブログに投稿した。先日、その患者さんのジェネリック薬の事で混乱する事態が生じたので覚書として残しておこうと思う。ただの一例報告だし、個人情報の絡みで少し脚色変更も加わっていますが、色々問題がありますね、ジェネリックさんには・・・
あの涙を流した脳梗塞の患者さんは、その後も非常に不安定な血圧の状況が続いた。前医処方のACE阻害剤を外したら頑固な血管拡張性の頭痛は軽減されたが、今度は夕方からの血圧上昇に伴う別の頭痛が生じた。既に、第一のアーチスト10mgを朝夕に2回に分けて5mgずつ当院で投与開始していて、頭痛もなく夕方も血圧体調ともにOKになったが、午前中に少しフラフラしだしたという。前医処方の住友のアムロジン5mgが原因だと信じていたのでしょうが、同一製剤の(この場合はジェネリックではないが)ファイザーのノルバスク5mgに何故か変更希望(ずっと以前に当院で処方してた)で、プラシーボ効果を期待して変更してあげたが流石に改善はしなかったので、半量の2.5mgへ減量した。そしたら、今度は夕方の血圧が上昇しだして、アーチストを一旦夕方10mgに増量した。これで、全てが解決したかに思えた。
次に外来に奥さんと来た時に、『今はとても体調が良いので今飲んでるように処方して欲しい』と患者さんがいきなりいうではないか。「流石に名医だなあ・・」と自画自賛しようとしたところ、話が全然かみ合わないことに気付いた。
どうやら、何も私が指示しないのに、患者が勝手にノルバスク2.5mgを中止して、「黄色い今度の」を朝飲んでいるという。そして、余っている「以前の黄色いの」を半分ずつ夕方飲んでいるという。今度のは割れないのでしょうがない・・という。基本のARBは、途中変更していないという。
非常に体調が良く、血圧コントロールとしては最高みたいではあるが、一体全体???・・・である。
今度の黄色は割れない・・?以前の黄色は割れる・・?何それ・・?なのである。
話がチンプンカンプン、勝手に服薬内容を自己調節してしまった患者の血圧管理能力が私より上手だった事に少々嫉妬しつつ、主治医の威厳を保てない危機に直面している恐怖と戦いながら、患者から薬品の形態情報をテストされている苛立ちが重なり合って、診察室の中は一触即発のパニック症候群寸前であった。
結局、薬局にも問い合わせて総合的に振り返ると・・・・
前医処方のエースコール2mgで気分不良があり、当院で中止指示して、代わりにアーチストを5mgを朝夕2回投与開始。前医のアムロジンが不安な患者の要望で変えた以前のノルバスク5mgを午前の低血圧で2.5mgに減量して夕方の血圧上昇傾向出現。それじゃあと、夕方のアーチストを血圧上昇時に追加して10mgにしたら?と言ったところ、薬局で加山雄三の大洋のジェネリック薬であるアテノート10mgが処方されたようだ・・・が、主治医の私はジェネリック処方の詳細は一々知らされない。門前薬局なら良く知らせてくれるが、薬局によっては沢井の別名ジェネリックを入れたりしているし、主治医は何という会社のジェネリックが投与されたかまでは把握しづらい。色や形や割線や名称は混乱のもとである。
患者が何故か自己判断で、ノルバスクを中止して夕方処方の(アーチストのジェネリックである)アテノート10mgを朝に飲んで、朝の本来のアーチスト5mgを夕方にまわした・・・という事が判明した。基本にはディオバン40mgが変更されずに入っている。
当院では、全ての処方箋を「ジェネリック変更可」にしていたし、薬局で最近変更していた時に知らないと話が混乱する。今回は、アーチスト10mgは割れるが、アテノート10mgは割れない事も知らなかった。少し前まではアーチストも割れなかったが、色は同じ黄色で大きさが少し違う。結局、色で推測しても割線の有無までは知らないものだ。ついでに、正式名はカルベジロールで1.25, 2.5, 10, 20mgの4種類が第一にはあるが、沢井のアーチワンと東和のアニストに全部揃っている訳ではない。適応病名が異なるケースも存在して、アーチストも慢性心不全に用いる際は、ジェネリックは使用できない決まりだろう(これも何時変更になるか判った物ではない)。一々全部の薬を知ってるはずありません、絶対に・・・。
結局は、日頃の患者指導が上手なのか、患者自身が高血圧のコントロールの天才だったのか、多少の混乱があったものの今では解決して皆ハッピーなのですが、薬局だけはいまだに混乱気味であす。つまり、同じカルベジロールなのに、割れる割れないの理由で、アテノートを朝に10mgとアーチストを夕方に5mg処方しています。
これだからジェネリックは普及しないんですよね。現場では混乱するんです。
読んでくれてどうもありがとう。
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