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2007.02.27 17:41 |  診療  |  murajun  | 推薦数 : 0

ジェネリックには困らされる

2007.2.14に『患者の涙』、2.19に『ジェネリックへ変更可ですか?』という記事を当ブログに投稿した。先日、その患者さんのジェネリック薬の事で混乱する事態が生じたので覚書として残しておこうと思う。ただの一例報告だし、個人情報の絡みで少し脚色変更も加わっていますが、色々問題がありますね、ジェネリックさんには・・・

 

あの涙を流した脳梗塞の患者さんは、その後も非常に不安定な血圧の状況が続いた。前医処方のACE阻害剤を外したら頑固な血管拡張性の頭痛は軽減されたが、今度は夕方からの血圧上昇に伴う別の頭痛が生じた。既に、第一のアーチスト10mgを朝夕に2回に分けて5mgずつ当院で投与開始していて、頭痛もなく夕方も血圧体調ともにOKになったが、午前中に少しフラフラしだしたという。前医処方の住友のアムロジン5mgが原因だと信じていたのでしょうが、同一製剤の(この場合はジェネリックではないが)ファイザーのノルバスク5mgに何故か変更希望(ずっと以前に当院で処方してた)で、プラシーボ効果を期待して変更してあげたが流石に改善はしなかったので、半量の2.5mgへ減量した。そしたら、今度は夕方の血圧が上昇しだして、アーチストを一旦夕方10mgに増量した。これで、全てが解決したかに思えた。

次に外来に奥さんと来た時に、『今はとても体調が良いので今飲んでるように処方して欲しい』と患者さんがいきなりいうではないか。「流石に名医だなあ・・」と自画自賛しようとしたところ、話が全然かみ合わないことに気付いた。

どうやら、何も私が指示しないのに、患者が勝手にノルバスク2.5mgを中止して、「黄色い今度の」を朝飲んでいるという。そして、余っている「以前の黄色いの」を半分ずつ夕方飲んでいるという。今度のは割れないのでしょうがない・・という。基本のARBは、途中変更していないという。

非常に体調が良く、血圧コントロールとしては最高みたいではあるが、一体全体???・・・である。

今度の黄色は割れない・・?以前の黄色は割れる・・?何それ・・?なのである。

話がチンプンカンプン、勝手に服薬内容を自己調節してしまった患者の血圧管理能力が私より上手だった事に少々嫉妬しつつ、主治医の威厳を保てない危機に直面している恐怖と戦いながら、患者から薬品の形態情報をテストされている苛立ちが重なり合って、診察室の中は一触即発のパニック症候群寸前であった。

結局、薬局にも問い合わせて総合的に振り返ると・・・・

前医処方のエースコール2mgで気分不良があり、当院で中止指示して、代わりにアーチストを5mgを朝夕2回投与開始。前医のアムロジンが不安な患者の要望で変えた以前のノルバスク5mgを午前の低血圧で2.5mgに減量して夕方の血圧上昇傾向出現。それじゃあと、夕方のアーチストを血圧上昇時に追加して10mgにしたら?と言ったところ、薬局で加山雄三の大洋のジェネリック薬であるアテノート10mgが処方されたようだ・・・が、主治医の私はジェネリック処方の詳細は一々知らされない。門前薬局なら良く知らせてくれるが、薬局によっては沢井の別名ジェネリックを入れたりしているし、主治医は何という会社のジェネリックが投与されたかまでは把握しづらい。色や形や割線や名称は混乱のもとである。

患者が何故か自己判断で、ノルバスクを中止して夕方処方の(アーチストのジェネリックである)アテノート10mgを朝に飲んで、朝の本来のアーチスト5mgを夕方にまわした・・・という事が判明した。基本にはディオバン40mgが変更されずに入っている。

当院では、全ての処方箋を「ジェネリック変更可」にしていたし、薬局で最近変更していた時に知らないと話が混乱する。今回は、アーチスト10mgは割れるが、アテノート10mgは割れない事も知らなかった。少し前まではアーチストも割れなかったが、色は同じ黄色で大きさが少し違う。結局、色で推測しても割線の有無までは知らないものだ。ついでに、正式名はカルベジロールで1.25, 2.5, 10, 20mgの4種類が第一にはあるが、沢井のアーチワンと東和のアニストに全部揃っている訳ではない。適応病名が異なるケースも存在して、アーチストも慢性心不全に用いる際は、ジェネリックは使用できない決まりだろう(これも何時変更になるか判った物ではない)。一々全部の薬を知ってるはずありません、絶対に・・・。

結局は、日頃の患者指導が上手なのか、患者自身が高血圧のコントロールの天才だったのか、多少の混乱があったものの今では解決して皆ハッピーなのですが、薬局だけはいまだに混乱気味であす。つまり、同じカルベジロールなのに、割れる割れないの理由で、アテノートを朝に10mgとアーチストを夕方に5mg処方しています。

これだからジェネリックは普及しないんですよね。現場では混乱するんです。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.02.27 13:27 |  研究  |  murajun  | 推薦数 : 1

学会日程

私の様な田舎の開業医であっても、数種類の専門医資格を維持し、頭のレベルを維持リフレッシュ(可能ならレベルアップ)するためには、毎年の「学会」に参加する必要があります。以前の研究仲間に会って「落ちぶれた借金まみれの開業医姿」を晒すのは少々辛くもありますが、過去の自分の研究の「その後」を確認するのは子供の成長を見守る様で楽しくもあります。「その後」については、「こいつは教授になるだろうな・・」と目星をつけてた若手研究者が登って行ったり転落して行ったりする様を遠くから確認することも、波乱万丈の人生模様を見るようで感慨深いものがあります。

勿論、開業医にも硬軟・貧富・閑忙・急慢など色々いますから、研究主体の学会から縁遠い人も居るかもしれないが、最近の学会日程は「開業医無視」で少々怒っています。というのも、「平日のみの開催」が非常に増えているのです。開業医の殆どにとって土曜日も平日同様でありまして、日曜日が組み込まれていない開催日程では、まず休診しないと参加できないのです。適当な信頼できる留守番代診医さえ、学会中は絶対みつかりましぇ~んから・・・

今年の場合には、私に関係する内科が火水木、循環器が木金土、透析が金土日でした。さすがに透析は専門医の開業医比率が多いし、絶対休診不可能なので日曜日を組み込んでいるが、内科や循環器学会は・・・・開業医を舐めとるのか? この辺が、大学にいると「医師は世間知らず」と社会の人々から批判される理由だろう・・と学会関係者に対しチョコッと批判めいた事を怖々と言ってみる。

 

現在の医療情勢の問題点の一つは、『開業医と勤務医の対立』だろうと思います。対立といっても、政策的に医療経済的にワザと両者対立させられているのに、それを知ってか知らずか簡単に乗せられて、医師同士が互いを批判しあう不幸な状況が既に存在するようです。ただ、どちらかと言うと勤務医から開業医への一方通行の批判のようであり、開業医から勤務医への反論は、たとえあっても直接の批判ではあまりなさそうです。というのも、開業医は自分が永く勤務医を経験していますから、両方の視点から批判を受けても「当っているか当っていないか」がわかりますし、開業医といっても勤務医以上に幅広い勤務体系がありますから、いわれのない的外れな批判も少なくないようです。

私は、「学会」が勤務医と開業医を分けている理由の一つだと感じます。勤務医でも学会に参加・発表しない人が非常に多いし、今後研究志向から臨床志向に変わって行く過程にあるようですが、開業医でも学会に参加したがってる人は相当数居るんだということは勤務医の皆さんにも知っていて欲しいと思います。学会に出れる立場の勤務医から見ると、参加してない医師が非常に不勉強で甘いように感じられる事でしょう。しかし、「出たいけど出れないほど縛られている人」も実際には少なくないのです。

各学会の理事の皆様、開業医も出やすい日程にして頂きたいと思います。お金だけとって参加できないようじゃ・・・馬鹿馬鹿しいですよね。

 

読んでくれてどうもありがとう。

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2007.02.27 09:20 |  映画 / 音楽 / 読書  |  murajun  | 推薦数 : 1

不都合な真実

アル ゴアの映画、『不都合な真実』が今日 アカデミー賞を受賞しましたね。映画はまだ観に行けてませんが、今日たった一日で「本」の方を読了しました。ま、それだけ外来がヒマだったということであります。

さて、マグマ大使の研究者であらっしゃいますゴア様の激太り様は松坂様も真っ青・・・というかドッコイドッコイでありまして、これもまた「不都合な真実」でありましょう。もっと痩せないと、省エネ重視のデータの真実味が失せてしまいますので、ご注意下さい。食べ過ぎは世界の食料事情に悪影響をもたらす事を知らないといけません。自転車に乗ってやせましょうね。

映画も素晴らしいのでしょうが、本の方も良く出来ていました。非常に読みやすく、予想以上の出来栄えでしたし、バイオ燃料などに興味を持ち始めている子供達にも与えて読ませたい本だと思いました。

この本を読んで、もっとも感じるのは、ゴアも繰り返し繰り返し述べているのですが、地球温暖化の原因が『人口爆発』と最も大きな相関性を持つということです。人口爆発が最も大きな要素である事を、ゴアの記述を読むことで再認識しました。彼は、「先進国では人口問題は成功した」というのですが、アメリカでは人口は増加中ですし、日本も他の先進国も人口を増やそうと必死になっているようです。少子化問題にゆれる日本だけが成功して世界の環境問題に寄与している「環境先進国」なのですがね。

キリストの時代には2.5億だった世界の人口は、1776年には10億となり、1945年には23億、2000年には65億人に達しました。2050年に日本の人口が9000万人に減りそうでも、その時の地球の人口は91億人にも達する予想だ・・と「不都合な真実」には記載されています。この本の中に存在する最も激しい変動を見せる温暖化要因でしょう。それに比べれば、CO2の変動など他の要因の変化率は可愛いものです。

しかし、先進国は決して発展途上国に「人口爆発が温暖化の最大要因だから人口が増えないようにしろ・・出来れば減らせ・・」とは言えないんですよね。人口が減れば多くの問題が解決する・・とは決して口に出来ないんですよね。

戦争が少なくなり、医学の発展や権利意識向上が人口減少を無縁のものにしているのですね。いい事だと思うんですが、「地球の環境問題」にとっては少々考えさせられますね。

これが、最も大きくて深刻な地球の『不都合な真実』なんだと・・言うことは政治的には『不都合』なんですよね、きっと。

追記) 本の中で、ブッシュ・チェイニー政権の悪口が沢山かかれています。先日、安倍首相はチェイニー会談直前に『不都合な真実』を観に行っていたようですが、意図的な行動とすれば安倍首相の勇気を称えたいと思います。知らずに行ったとすれば、お目出度い鈍感な人かも知れませんね。いずれにせよ、チェイニーは『911』と『不都合』の2本の批判映画の主人公だから会わんで良かったのに・・・と感じます。ヒラリーとオバマに今のうちに会談申し込んだら・・・天才かも?

 

読んでくれてどうもありがとう。

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