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あと22時間もすると来年になってしまう。
みんなではないだろうが、開業医にとって年末年始は多少とも憂鬱さを感じる時である。特にかかりつけ医と称される内科や外科といった一般的な診療科にとっては、かかりつけ医の何たるかを感じてしまう季節でもある。
先日の国保中央会の高齢者医療モデルもそうであるが、365日24時間連絡が取れて、出来れば往診も可能で最期の看取りも出来る・・・なんていう開業医をかかりつけ医としたいらしい。更にほとんどの病気に標準以上のレベルで対応できる事も言外に要求されている。果してそんな開業医は居るのか?といつも感じてしまう。
開業医としては大晦日や元日もいつでもどうぞ・・・と言えるはずは無い。人並みに初詣も行きたいし温泉にも浸かりたい。自分はいいとしても診療所を開けとくには職員の家族の事も考えなくちゃいけない。やはり、あんまり労働問題を無視しては職員もついて来てはくれない。で、不本意ながらも閉めることになる。
今年は大晦日が日曜日、元日が月曜日だった。30日の土曜日は夕方まで診療して、31日と元日と2日は閉める。3日は医師会の当番医でオープンするので、多分にわか小児科医をする羽目になろう。リスクは大きいが地方では自分が診ないと誰が見る?という感じになる。救急病院も中途半端な規模だと小児科は受付で断り、日頃子供と縁が無いのに駆け込み寺になってしまうが泣く泣く断りきれずに毎回診るのである。しかし、これは事情が事情だから可愛いものだ。定期受診患者の孫が帰省中・・なんていったら断りにくい。
だが、随分前に時々診た事があるといって、かかりつけ顔してこんな時だけ閉めてる時間に電話してくる事がある。救急病院だとメンドクサイから、狭くて待たせず受付も居ないから付けが利く開業医を狙ってくる人が居る。こんな人は大概いつも時間外にきて点滴を要求する。30日は開店休業に近い来院数であったが、普通の定期受診の人はゼロだった。感冒が数名、インフルエンザの予約済みの駆け込みが数名だった。この他は心身症を思われる方が数名と時間外が数名だった。時間外は、今年の終了後だったのでチョッと厭味を言って診療したが、一名だけは断った。必ず時間外にしか受診しない方だったし、救急病院を教えて行ってもらった。不服だったようだが、時間外専門かかりつけ医と誤解されては困る。
面白かったのは、最終日の患者さんには極端に心配性の方が多いことだ。初診再診久しぶりを含めて、何も今そんなに心配しなくてもイインジャナイ?という感じの患者さんが混じっていて、閉めている三日間の不安解消のためのムンテラ作業に各30分以上を要してしまった。初診の人は60分もかかって一年の心配を大祓いして頂いた。幸いどなたも安心してお帰り頂いたので爽やかな新年を迎えられる事であろう。
12月に入ると30日処方の人たちの処方調整がスタートする。長めに出す人短めに出す人、検査を年内にする人先延ばしにする人。休み中の不安を事前にコントロールして緊急受診を回避する工夫もはからねばならない。予防注射の予約済みで音沙汰無い場合には何度も連絡を入れる。年内の診療費不払いの催促も一応はするが期待は出来ない。領収書を一年分まとめて催促する人やまだ引いてもいない風邪の薬を予備に・・と要求する人も少なくない。
職員達の休みの調整も必要だ。彼女達には夫も子供もいるし主婦の役割もある。当院は透析をしているので年末年始は特に職員のやり繰りに気を使う。今年も元日透析分を大晦日に前倒しし、2日には通常通り透析なので、実際の休みは元旦一日のみなのである。毎年こうして過ごしているので当たり前の様にやってはいるが、職員も私も夫々の家族も年末年始は大変だ。それなのに診療報酬改定で休日加算が大幅に減らされ、年末年始手当てが今年から重くのしかかってしまうようになった。
幸い、31日の午後は安心できる代診を見つけたので、私は家族と一泊旅行に出かけるつもりだ。行き先は京都、やっとのことでホテルが手配できた。一年前は元旦が日曜日で同様に京都で年越しをしたが、子供達に日本の心を今のうちに教えたいと、二年連続で京都の年越しをする事にした。この先いつまで私と一緒に年越しが出来るかわからないので、子供にはつまらないかもしれないが親の勝手にさせてもらおう。
もうすぐ、除夜の鐘・・・ この一年の大祓いをして、煩悩を鎮めて心を清めてもらい、開業医の憂鬱さも一緒に追っ払ってもらおう。ちょっと寒いのが身にしみるが、除夜の鐘を子供達と一緒に突いてこよう・・・
読んでくれてどうもありがとう。
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