2007.08.22 10:20 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  bonehead  | 推薦数 : 2

医者ができること

昨日、掌蹠膿庖症の患者さんが受診されました。

この患者さんは、4年ほど前から、「捻挫した」「手を打った」などで時々受診されています。初診時より、掌蹠膿庖症はあり、この疾患についてもいろいろ話を伺っていました。初診時は、青森の皮膚科から薬を送ってもらわれていました。それまでも数箇所の大学病院の皮膚科を含め、いろいろな皮膚科を受診されたそうです。しかし、どこの皮膚科でも改善しなかったということです。女優さんが治ったとマスコミで取り上げられた皮膚科にも行かれたそうです。藁をもすがる思いだと思います。

色白でふっくらとした健康そうな、とてもきれいな女性です。しかし、その人の手をみると、全く別人なのです。

今回、踵部分が痛いということで、当院を受診されました。掌蹠膿庖症の話になったときに、「今は、何も治療していない。」ということでした。専門外の私には、何もしてあげられることが出来ずに、ただ、話を聞いてあげることのみでした。知り合いの人から薦められている塗る薬があるが、高価なため、考慮中と言われていました。

「そんな訳の分からない物は、いけませんよ。」、とも言えずただ、黙って聞いていました。

 

私の同級生が、昨年亡くなりました。SLEで長く治療をしていたということでしたので、SLEの悪化で亡くなったものと考えていました。しかし、実際は、違いました。ある先生(医者ではないようです)の下でSLEを治すと言って、ステロイドを止めたようです。そのリバウンドが来て、急変したのだそうです。

医学的知識がある医師であるのですから、ステロイドを中止したらどうなるか分かるようなものですが、人間、追い込まれたら、後先のことが分からなくなるのでしょうか。

医師でさえ、切羽詰ってくれば、誰かに(何か)に頼ってしまい、取り返しのつかない事態になるわけですから、医学知識のない切羽詰まった人にはもっと厳しい状況になるのしょう。

 

我々医師には、実際何ができるのでしょうか?

こんなことを考えながら診療をしていましたら、大学のクラブの先輩の奥さんの訃報が入りました。

47歳です。5月に皮膚疹が出て、皮膚科受診。皮膚筋炎の疑いで、翌日、大学病院皮膚科を紹介受診されたそうです。

胸部レントゲンを撮ってみると、間質性肺炎を認め、入院治療を開始したのですが、みるみるうちに呼吸困難は強くなり、ICU管理となるも、8月20日の夕方に亡くなったということです。

ご主人(先輩)も、大学病院でバリバリやられている外科医。何もするすべもなく、こんな結果になったそうです。

一日が、たいへん重たい一日になってしまいました。

永井明の「ぼくが医者をやめた理由」を思い出してしまいました。

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