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過去と現在、そして未来への不安感情を含めた意見が双方に有りますが、どこかで線引きは必要ですね。
国が認可した製剤に時々緊急安全情報が届きますが、そのクスリを使用する機会が無ければ記憶に残りません。
一度巷に出たモノを取り消すときは、予期せぬ副作用が驚くような勢いで出て来るか、医療の進歩で主作用が限りなくショボイと判断されるときですが、一方で恩恵を受けている患者さんにムチ打つことに繋がりますね。
原告を含め使用された28万人は、主作用としての恩恵を受けた筈ですね。その恩恵を受ける身体状況を考えると、当時の医療水準として投与された部分は限りなく○に近いのでしょう。
△や×を十分説明してくれたなら、投与を受けなかったとの意見もあって当然で、結局は投与しなければいけない状況において、期待される主作用と副作用を天秤に掛けるしかないと思います。
副作用の無いクスリは有りません。
ヒトそれぞれに価値観があり、病を克服する手助けとして、ズバッと効くけど怖い副作用が報告されている奴か、多少の主作用は期待できて副作用も殆ど報告されていない奴。
決めかねますよね。
その立場にならないと考え難くもあるでしょうね。
幸も不幸も一例あれば確率がでますが、どちらの結果もその状況を被れば、本人に実感されるのは100%なんです。
大学病院にいた頃、「この治療で私の病気が治りますか? / 輸血って危険じゃありませんか?」との質問を受けることがありました。
返答に窮しましたが、『今回の治療は、将来バカにされる方法かも知れない。副作用もあるがそれを上回る主作用を期待出来る最良のものと思って居ますのでやらせてください。 / 未知のウイルスが混入しているかも知れませんが、明日につなぐために輸血させて下さい。』って話しました。
レジデント自分に購入した、「臨床検査ガイド’95」の肝炎ウイルスに関する項を見ると、第2世代抗体のことが書いてありました。
その参考文献で、HCV抗体-定性・定量。臨床検査 37:1091-1098,1993とありましたし、その頃が未知の病源だったウイルスに対する危機管理における各施設標準ではないかと思っています…。
今でこそHCVウイルスが急性肝炎を起こして、慢性化するヒトの中に肝硬変をもたらし、そして肝臓がんの危険が高まるという道のりは常識の範疇でしょう。
そして日本人には効き難いタイプの遺伝子が多いがために、各種抗ウイルス剤を併用しながらインターフェロンの効果を高めるべく、より長く良く効く治療にも医療保険が適応されるようになりました。後世に残さぬために更なる進歩を目指している先生が居ます。
振り返って反省し、将来に役立てることは大事です。当時の責任として、non-A / non-B肝炎の事実公表が遅れたことは確かかもしれません。
但し副作用の基序や予後が不鮮明な段階で、主作用として恩恵を受けている患者の身体状況を考えると、承認を取り消したときに使われていた28万人と、non-A / non-Bウイルスに罹患されたとされる1万人をどう考えるのか。
過去と現在と未来の寸評で天秤はどちらかに傾きます。53兆円しか収入が無いのに、83兆円を使おうとする国の判断は永遠にグレーでしょう。限りなく黒に近いか白に近いかは各々の立場によって変わるでしょう。
これまでの+これからの自己負担分の治療費を補填するのは国民への配慮として必要と思います。
裁判所よりも辛い一意見を盛り込みましたが、現在のシステムでも2005年度の輸血後C型肝炎は64例起こっているのです。