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アメリカンドリーム
日本初の女性管制官がアメリカで女医に転身!
華麗なるアメリカンドリーム物語を綴ります。
テキサス州の砂漠地帯のオアシスからお届けします。
私と一緒にアメリカのERをかけめぐりましょう!
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ポパイ ザ セイルウーマン
9歳の男の子。
お母さんに連れられてERのエントランスをくぐりました。
おでこに2,3センチの切り傷。
お顔が血まみれ。
お母さんに両腕を抱えられて歩いてきます。
「いたい、いたい」
と泣きじゃくり。
トリアージュナースのジェーンがどうしたのかと聞くと、
どうやら2階のベランダで遊んでいたが そこから落っこちた模様。
それが通りかかった私の耳に入り、
Trauma Alert がER内でコールされました。
子どもの場合、その子の身長以上の高さから落ちた場合はTrauma Alertと称してTraumaチームが召集されるのです。
ちなみにTrauma Alertは命に別状のないケースが多いですが、
たとえばガンショットとかナイフの刺し傷などの場合はTrauma Statという超緊急体制で臨み、外傷専門の外科医もレスポンスすることになっています。
泣きじゃくる男の子をERテックがすばやく車椅子に・・・
あとはTraumaチームがお世話をします。
スタッフのみんなは訓練が行き届いていますから プロトコールに従っててきぱきと動きます。
様子を聞こうと話しかけますが、泣きじゃくるばかりでどうも要領を得ません。
母親もその場にいなかったらしくいっしょに遊んでいた友達に様子を聞いたらしい。
泣いているということと、ERまで歩けたというのは、いいサインです。
最低限 意識があって呼吸も確かで 麻痺していませんからねぇ。
おでこの切り傷はそんなに深くはありませんが 一応頭のCTを撮りましょう。
何せ2階からの転落事故ですからね。
イタイイタイと言って抱えている手首なんですが、こんなふうになっておりました。
腕の毛は、この子のものではありませんのでご了承くださいませ。
いくら栄養の良いアメリカでも9歳の子の腕に体毛はございません。
骨折しているのは誰の目にもあきらかですよね。
この子、な、なんと両手首がこんなふうに曲がっていたんですよ~
さっそく撮ったレントゲンはこんな感じ。
前腕の2本の骨、両方折れております。
それで、骨折の整復をすることに・・・
まずは脳のCTスキャンの結果を待って、Ketamineという麻酔薬を注入。
意識下鎮静法を使って患者さんの意識は失わせず 十分な鎮静を持続させながら整復をしようというわけです。
私のほうは、ポパイ ザ セイルウーマンにへんし~ん!!
整復にはある程度のと言うか、かなりの筋力が必要なのですね。
それに何しろ、両手首ですからねぇ。
1、2の~3!!
整形外科のテクニシャンとともに骨折した箇所を引っ張ります。
とはいえ 血管や神経やら大切なものが詰まった箇所ですから気をつけないと・・・
私のポパイのような腕の筋肉?がぴくぴく踊ったかと思うと、ボアラ!
うまくいきましたよ!
このケースのように前腕の2本の骨折のうちまだ1本が折れていてもばらばら事件をおこしていなければ 成功する確率は高いのです。
ただしこのレントゲンのように2本ともばらばら事件を起こしていますと、たとえ整復できても不安定な場合が多くて 「それでは、明日手術お願いしま~す」、ということになります。
何せ 両手首の骨折ですからねぇ~
おトイレ、歯磨き、お食事、問題は山積みです。
ぜんぜん関係ありませんが、こんなこと思い出していました。
皆様にも知っていただきたいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E4%BA%95%E3%81%AE%E3%82%8A%E5%AD%90
芸術の秋です。
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