drpion / 2007.11.08 21:06 / 推薦数 : 0
昨日からカロリンスカを含めて世間を騒がせている話題。
今年の9月にカロリンスカへ医学生として入学してきた学生およそ120人の中に、過去に殺人を犯した人間がいるという。
彼は現在30歳。もともとナチストで、1999年にジャーナリストを殺した罪で収監。今年の2月に条件付で釈放されたばかり。当時の新聞記事はこちら。
http://www.expressen.se/1.187910
彼の罪状は殺人罪だけではないらしいのだが、刑の確定後苗字をHellekantからSvenssonへ変えている。獄中で勉学に励み、晴れてカロリンスカに合格した訳だが、一連の手続きの際彼は彼の過去については隠していた。最近匿名の告発文により彼の前科が明らかとなったのだが、カロリンスカとしても、過去の罪を償い、ひとたび医学生として入学を許可されたものの処置はできないということ。カロリンスカは医科大学のため、入学にあたっては心理学的インタビューが行われるなどしているのだが、彼はそれらをきちんとパスしていた。
スウエーデンでは例えばあらゆる暴力事件で立件され罪が確定した人間は警察官になれないとか、小児愛者は子供を扱う職業にはつけないなどの法律があるようだが、今回のようなケースについては規定がない。確かに規定のないものをカロリンスカがどうにかすることはできないかもしれないし、中には、「Alla ska få en andra chans」(全ての人が2度目のチャンスを得るべきだ。)と肯定的な人もいる。しかし、命を扱う医者が過去に殺人を、しかも過失でない殺人を犯していたとしたら、誰がその医者にかかりたいと思うのだろうか。そして、もし彼が将来何か間違いを犯したとしたら、誰が責任を取るというのだろうか。
日本では履歴書欄には必ず、「賞罰」の項がある。英語やスウエーデン語で履歴書を書くとき、確かにawardについては記載するが、punishmentについては考えたことがなかった。彼が前科に関して書かなかったことは、おそらく日本では故意と解釈されてその点で糾弾されるのだろうが、スウエーデンではそうではないのだろう。彼自身も医師になる意思があるようだし、本当にこのまま行くのだろうか???
カロリンスカでもローカルにはいろいろな意見があるようだ。だが、大方は批判的で、今や彼の名前も知れ渡ってしまっている。このままでは、卒業できたとしても研修医(AT läkare)として受け入れるところはないであろうし、そうであれば医師免許を取得できる可能性はない。彼自身のためにも、医師という選択は賢明ではないのではないだろうか。
更正のチャンスは当然与えられるべきである。
しかし、過失ではなく故意の殺人罪を犯したものが、人間の生命を扱う医者に、というのは疑問がどうしても残る。私は法律の専門家でないのでわからないが、日本では同様の判例はないのだろうか。
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